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【渋野日向子のスウィング改造 #1】どんなに振っても曲がらない! “振れる”スウィングを手に入れた

世間を騒がせたスウィング改造から10カ月。「スタンレーレディス」で2年ぶりの優勝を果たした渋野は、翌週の「TOTO」で7位タイ、3週間後の「三菱電機レディス」で再び優勝。来季の米女子ツアー出場をかけたQシリーズでも目標の20位に滑り込み、賛否あったスウィング改造の成功を結果で示してみせた。では、具体的にどこが変わったのか。我々も参考にして良いのか。プロコーチの阿河徹に解説してもらった。

PHOTO/Kazuo Iwamura THANKS/川崎ゴルフ練習場

解説/阿河 徹

あがとおる。大学在学中にアメリカへ留学、米国理論を学ぶ。帰国後、金田久美子や塩見好輝など、多くのツアープロを指導

●CONTENTS●
>>#1 渋野日向子のスウィング改造変遷史

>>#2 超シンプル軌道で再現性アップ
>>#3 ダウンで「引く」からヘッドが走る

1年かけて振っても曲がらない
スウィングを手に入れた

フラット軌道で小さなトップ。2021年の開幕戦で披露した新スウィングには、各方面から賛否の声が上がった。

そんな声に対し、3月のアクサレディスでは「米ツアーで戦うためには、もっと安定性、再現性が欲しい。いろいろ意見があると思いますが、最後までやり切りたい」と、この改造を完遂する姿勢を見せた渋野。実際に4月の数値を見ると、飛距離は落ちたものの、フェアウェイキープ率は前年比で10%以上アップしており、4月末のHSBC女子選手権では、なんと92.8%をマークしている。とはいえ、飛距離という強みを生かせないという声も上がるなか、なぜここまで安定性にこだわったのだろうか。

プロコーチの阿河徹は次のように分析する。「私は渋野選手が飛距離ダウンを一時的に受け入れたにすぎないと考えます。なぜなら改造後、振れば振るほど曲がらないスウィングになったからです。以前の彼女は、少し軌道が波打つ印象を受けましたが、今はまるで『一筆書き』。だからこそ振れるのだと思います。長い目で見ていたからこそ、やり切りたいと言ったのではないでしょうか」

実際に「楽天スーパーレディース」では281ヤードを叩き出している。そして10月には1年11カ月ぶりの優勝を果たし、米QTで20位、念願のツアーカードを獲得。世界を見据えたスウィング改造が実を結びつつある。

では具体的にどこが変わった?
>>#2 超シンプル軌道で再現性アップ
>>#3 ダウンで「引く」からヘッドが走る

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より

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  • 米国女子ツアーの来季出場権をかけた最終予選会Qシリーズで、渋野日向子と古江彩佳が揃ってLPGAツアーの切符を手にした。 2週にわたり全8ラウンドで競われた厳しい戦い。1週目で70位タイまでが2週目に進み、45位タイまでがツアーカードを取得できるが、コンスタントにレギュラーツアーへ出場できるのは20位前後まで。出場選手中世界ランク最上位の実力を発揮し、終始安定したプレーを見せた古江は、7位でフル参戦権をゲットした。一方の渋野は、7ラウンド目で「79」を叩き29位タイまで後退。フル出場が危ぶまれる不本意なゴルフに会見を拒否するも、最終日には持ち直し「69」をマーク。20位タイに滑り込み、さすがの勝負強さを見せつけた。 結果を受け、海外メディアが取り上げたのは上位通過の古江ではなく渋野。「Qシリーズ注目の5人」「注目の合格者たち」のタイトルで報じられたQシリーズの特集には、渋野の名前が躍った。やはりメジャーチャンピオンの知名度&注目度は群を抜いている。「19年の全英女子オープンに優勝したヒナコ・シブノはメジャー勝利の特権(即時にツアーカードを取得できる権利)を行使せず、3年後に自力で出場権を獲得。スマイリングシンデレラがやり遂げた」と報じたのはGOLF.com。ほかにも「ニュースター誕生の予感」として渋野をフィーチャーするメディアもあり、期待度は抜群。だが昨シーズン渋野をしのぐ活躍で国内6勝を挙げ、賞金ランク2位、メルセデスランキング1位になった古江の実力をまだ世界は知らない。慣れないアメリカで期待通りの結果を出し挑戦権をつかんだ彼女は来シーズン、開幕からみせてくれるはず。153センチと小柄ながら精度の高いショットと抜群のパッティングで米ツアーを席巻するかも。Qスクールでは得意のパットが今ひとつだったが本番では古江が主役になるかもしれない。 畑岡奈紗、笹生優花に続き、2人の「ルーキー」が米女子ツアーを席巻するか?(写真は2021全米女子プロ。PHOTO/KJR) 週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より こちらもチェック!
  • 14本のクラブセッティングは、時代とともに移り変わってきたが、近年、アイアンのストロングロフト化の影響もあり、プロの間でも急激にセッティングが変化している。そこで改めて、クラブセッティングをどう考えればいいか、専門家に聞いてみた。 TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Hiroyuki Tanaka、Tomoya Nomura THANKS/マグレガーCC、相模湖CC 解説/松吉宗之 クラブ設計家。フォーティーンで故・竹林隆光氏のもとでクラブ設計を学び、2018年に「Juicy」を設立した アイアンが担う領域が狭くなっている みなさんのキャディバッグには、アイアンが何本入っているだろうか。「5番はもう打てないから抜いた」と、6番~PWの5本という人がいる一方で、コースではほとんど使わない4番までがバッグに入っていて、7本という人もまだまだ多いだろう。実際は5番~PWの6本という人がもっとも多いと思われるが、どうやらこういった、アイアンが6~7本を占める「普通」と思われていたクラブセッティングは、過去のものとなりそうだ。というのも、今年スタンレーレディスで復活優勝を遂げ、さらに樋口久子三菱電機レディスで今季2勝目を挙げた渋野日向子選手のキャディバッグを覗いてみると、なんとアイアンが6番~9番の4本だけなのだ。そしてFW、UTが各2本、PW代わりの46度を含め、ウェッジが4本というかなり斬新なセッティングだった。渋野選手だけでなく、こういったウッド類が多いセッティングは女子プロを中心にツアーの現場でもどんどん増えているし、ウェッジが4本入ったセッティングは米PGAツアーでも主流になりつつある。 渋野日向子もアイアン4本 5Wはなく、FWは3W、7Wの2本。UTが2本でアイアンは6~9番の4本。PWの代わりに46度と、52、54、58度の計4本のウェッジが入っている。一見飛ばし屋のセッティングとは思えない個性的なラインナップ 渋野選手のような「アイアン4本」のセッティングはアマチュアにとって今後のスタンダードになるだろうと話すのは、クラブメーカー「ジューシー」代表でクラブ設計家でもある松吉宗之さんだ。「アイアンのストロングロフト化が進むいま、従来のようにドライバーと5~7本のアイアンセットをベースに、空いているところをFW・UTとウェッジで埋めて距離やロフトの階段を作るセッティングは実用性を失いつつあります。アマチュアにとっては、7番~PWの4本程度のアイアンをベースに、ウッド類とウェッジ類は各4本投入し、(ドライバーとパター以外の)12本を構成することを基本形態として考えるのがおすすめです」 続きを読む 松吉さんによると、ヘッドスピード40㎧前後のアマチュアにとって、ストロングロフトアイアンでは、4、5番はもちろん、場合によっては6番でさえ球が上がり切らないということもある。一方でPWは、機能面でも使用機会としてもウェッジ的要因を失いアイアン化が進んでいる。そうなると、本来アイアンが持っている、グリーンを狙うクラブとして「距離を刻む」機能を担うのは、7番~PWの4本程度のアイアンだけになるだろうというのだ。「アイアンで十分なキャリーと高さが出せない長い距離の領域は、狙った距離を刻むというよりもグリーン周りにやさしく運ぶことが目的となります。これがFWやUTの役割。そしてフルショットだけでなく距離の加減や弾道の高低をコントロールしてピンを狙う役割を担うのがウェッジ。これらがアイアンの上下でそれぞれの役割を果たすことで、初めて実戦的な12本が整うと言ってよいでしょう。これらは、プレーヤーのヘッドスピードや腕前、使っているクラブなどによってもちろん本数が増減します。ヘッドスピードが速い人やロフトの寝たアイアンを使っている人なら、6番や5番アイアンでも距離を刻めますし、超ストロングロフトアイアンを使う人なら、PWのさらに下までアイアン的な用法になるかもしれません。いずれにせよこれからは、この3つのグループをどのクラブにどう分担させるかでクラブセッティングを考える時代になっていくと思います」 3つのグループに分けて考える時代がやってきた! 【FW&UT】やさしく「運ぶ」クラブ FWやUTのようにアイアンよりも深・低重心で球が上がりやすく飛距離を出しやすいクラブは、グリーンに球を止めるには技術が必要だがグリーン周りまでやさしくボールを運ぶことには長けている。アイアンのロフトが立つほど重要性が増すカテゴリーだ 【アイアン】距離を「刻む」クラブ アイアンは、番手ごとに10~15ヤードの間隔で距離を刻んで分担し、グリーンを狙うクラブ。フルショットで使用し、スピンの入った球で必要なキャリーを出し、グリーンにボールを止める能力が求められる。これを満たさないものは、アイアンとしては不十分 【ウェッジ】距離を「打ち分ける」クラブ 本来のウェッジの役割は、アプローチをしたり、距離の微調整や弾道をコントロールして正確に距離を打ち分けること。それにはアイアン的な形状よりも、ウェッジ的な形状で「飛びすぎない」性能を備えたクラブが適している 上の番手が打てているか下の番手をどう使うか では3つのグループの組み合わせをどう考えればいいのか。さらに松吉さんに聞いてみたところ、まずは自分が使っているアイアンのロフトや飛距離をしっかり把握することが大事だという。「たとえばPWのロフトが40度を切るような今どきの超ストロングロフトアイアンを使っているとします。これがドライバーのヘッドスピードが40㎧程度の人だったら、23~24度の6番アイアンでは高さが出せず、おそらく『距離を刻む』用途では使えません。つまり、アイアンとしては考えないほうがいいということ。一方、ロフト37~38度のPWは110~120ヤード前後飛ぶでしょうから、距離を「打ち分ける」ウェッジというより、「距離を刻む」アイアンとして考えるべき。こういうケースでは、7番~PWの4本で十分です。これがロフトの寝たアスリートモデルアイアンだったら、また番手構成も変わります。ドライバーで43㎧くらいの人なら、多分5番でも十分に『距離を刻める』でしょう。一方でPWはウェッジ的に使っているのであれば、セットとし5番~PWをバッグに入れ、アイアン的に使うのは5番~9番の5本という感じになります」 ストロングロフトの飛び系アイアン6番では十分な高さが出せない可能性も アスリートモデル5~9番をアイアン、PWをウェッジと考える こうして「距離を刻む番手」が決まったら、そこから上の「やさしく運べるクラブ」と、場合によってはPWを含めた「距離を打ち分ける用のクラブ」を何本入れられるかが決まる。いずれにしても「アイアンセットが何番から何番なのか」ではなく、「どのクラブをどのように使うのか」を基準に判断することが重要だ。「FWやUTに関しては、ブランドを統一することはおすすめしません。この領域は、実は(1)ティーショット用のクラブ、(2)芝の上からいちばん飛ぶクラブ、(3)アイアンの上の距離をカバーするクラブの3つの用途があるので、それぞれに適したモデルを、ブランドにとらわれずに選ぶことが大事です」もちろんティーショットでFWを使わない人は(1)のタイプのクラブは不要になるし、もっと下のUTなどの番手に任せてもよい。(2)のタイプはヘッドスピードやモデルによって適したロフトが異なり、必ずしも3Wが必要なわけではない。(3)に関しても、顔の好みや求める弾道などによってFWとUTを柔軟に組み合わせて考えよう。「ウェッジも、モデルをそろえたりロフトを等間隔に並べる必要はありません。打ちたい距離や使い道に応じて、必要なモデル、ロフト、バウンスのウェッジを組み合わせましょう」 Point 1FW・UTはブランドをそろえず用途を明確に ロフト15~16度では芝の上からでは十分な高さが出せないケースも多いのでヘッドスピードが遅めの人は、ティーショット用と分けて考える必要がある。「芝の上からいちばん飛ばせるクラブ」も、18度の5Wや、ヘッドスピードによっては21度前後の7W等の場合もある。その下の番手は、FW、UTを好みや用途によって柔軟に組み合わせてみよう Point 2ウェッジはいまや誰でも3~4本 PWをアイアン的に使う人はその下から、PWをウェッジ的に使う人はPWも含めて3~4本でウェッジを構成。とくに飛び系アイアンを使っている人は、低重心で四角い顔をしたアイアンでは飛びすぎたり球が強くなりすぎるので、丸いウェッジ的な顔の高重心の単品モデルを使いたい。ロフトを等間隔にそろえるのではなく、打ちたい距離を打てるロフトや、バンカーや球を上げる用など、用途に応じたモデル・ロフト・バウンスを組み合わせよう 月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より
  • 賞金女王にして銀メダリスト、稲見萌寧のスタート前の練習はちょっと変わっている。他の選手がどんどん球を打つなかで、ゆっくりとシャドースウィングしたり、トップの手をじっと見たり。1球、ちょこんと球を打ったと思ったら、またゆっくりシャドースウィング……。この謎めいた練習ルーティンの意義について、奥嶋誠昭コーチに聞いた。 PHOTO/Shinji Osawa、Yasuo Masuda、Tadashi Anezaki THANKS/北谷津ゴルフガーデン、CAT Ladies2021、スタンレーレディス、日本女子オープン 解説/奥嶋誠昭 おくしまともあき。1980年生まれ。神奈川県出身。ツアープロコーチとして、稲見萌寧、木下稜介、高橋彩華を指導。横浜のノビテック(ヒルトップ横浜クラブ内)でGEARSを使ったアマチュアレッスンも行う ●Contents●>>稲見萌寧の練習メニュー>>重要なのはトップ位置!>>「球を打つ」練習の目的は? スタート前の練習でヘッド軌道を整える GD 稲見プロは、朝の練習であまり球を打ちませんよね。奥嶋 球を打つのは、その日の調子がどうなのか、球筋を調整しながらコース戦略を立てるために行うのが普通ですが、稲見プロはそこが違うんです。GD というと?奥嶋 インパクトゾーンのヘッド軌道を整えています。GD 球筋を見るのではなく、ヘッド軌道を見ている!奥嶋 だから、SWの小さな素振りから練習を始めます。GD しかも左手1本ですね。奥嶋 稲見プロは左手で振るタイプですから、まずは左手でヘッドの動きを確認するわけです。GD なるほど。奥嶋 稲見プロの練習は、すべてインパクトゾーンのヘッド軌道をスクエアにすることにつながっています。そのため、SWの小さな素振りから振り幅と番手を徐々に大きくして、それぞれの練習メニューの締めに、確認のために球を打つという感じです。GD だから、ほとんど球を打たないんですね。 普通に打つのは4~5球だけ稲見萌寧の練習メニュー すべての練習メニューは、インパクトゾーンでヘッドを正確に動かすためのもの。SWの小さな素振りから始め、振り幅と番手を徐々に大きくしながら、ヘッド軌道を確認するためにボールを打っていることがわかる。普通にボールを打つのは最後の4~5球だけだ。 【Menu1】軟らか棒●手首で右回し●スピードを変えて素振り 【Menu2】SW●左手持ち……腰から腰まで連続素振り ●左手持ち……トップ確認 > ゆっくり素振り●両手持ち……トップ確認 > ハーフウェイダウンを繰り返す ●左手アプローチ●右手アプローチ ●両手アプローチ 【Menu3】8番アイアン●両手持ち……トップ確認 > ハーフウェイダウンを繰り返す●右手持ち……トップ確認 > ゆっくり素振り●両手クロス……体を回して両手を伸ばし、トップ確認 ●両手持ち……トップ確認 > ハーフウェイダウンを繰り返す > 打つ 【Menu4】5番UT、3番ウッド●「3」とほぼ同じメニュー 【Menu5】バット●トップ確認 > ゆっくり素振り 【Menu6】ドライバー●「8番アイアンとほぼ同じメニュー 【Menu7】8番アイアン●ゲートを作って打つ●普通に打つ 4~5球 >>では実際、どんなふうに練習しているの?具体的な中身をチェック! 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月28日号より こちらもチェック!
  • 一昔前は“異端”というイメージがあった「クロスハンド」のグリップだが、最近では稲見萌寧や畑岡奈紗をはじめ、女子プロの間でも採用する選手が増えている。果たしてクロスハンドでパッティングをするメリットは? そもそも正しい握り方は? パットに強い南秀樹コーチに話を聞いた。 PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara 解説/南秀樹 木村彩子や岡山絵里などのトッププロを教えるプロコーチ。香川県で「3.7.3 GOLF ACADEMY」を主宰 “ロボット化”すれば余計な動きができない! 昔はパットの苦手克服のための握りという印象だった「クロスハンド」。しかし、今ではクロスハンドを採用する選手が増えている。その理由を南秀樹コーチに聞いた。「1番の理由は、グリーンが高速化したことで、機械のように毎回同じストローク、そして同じ出球を打つことが求められるようになったことです。一般的にクロスハンドは、右手の動きが抑制できると言われています。それもありますが、僕は『左手の動きが抑制できる』メリットもあると思っています。つまり、クロスハンドで握ることで両手を“ロボット化”し、体だけを使ったストロークになるため、常に安定した出球が打てるんです。一方、距離感が出しにくくなるため、ロングパットの練習は必須です」 続きを読む クロスハンド4つのメリット (1)手首が固定され余計な動きがなくなる 手首がロックされるため、ストローク中に手首が返る動きが抑えられる。結果、パンチやゆるみがなくなり、一定の力加減でストロークできる (2)左右の肩の高さがそろいやすい クロスハンドだと左手が下になるため、両肩のラインがそろいやすい。過度なアッパーやダウンブローを防げる (3)左腕の側面とフェース面がリンク 左腕の側面がフェース面とリンクするため、フェース面の管理がしやすい。左手の面が真っすぐ動けば、出球もズレにくい (4)ストロークの軌道が安定しミート率が上がる 体を使ったストロークになるため、再現性が高く最下点がブレにくい。すると、ミート率が上がり転がりもよくなる 基本のアドレス 【右手の握り方】“五木ひろし”の要領で右わきを絞る 手のひらを正面に向けたまま後方から腕を動かしわきを締める。最後にグリップに手のひらをつければ完成 【左手の握り方】両手のひらが向かい合うように横から添える 左手は横から添わせるように握り、両手のひらが合わさるのが正解 両手のひらが互いに向き合う形が基本形。手のひらの向きがズレると、力の入り方が変わり、安定しにくくなる クロスハンドと言っても左手の握り次第で千差万別 基本の握り方はあるが、左手の握り方によって様々なクロスハンドの形がある。女子プロのグリップをもとに仕分けしてもらった 同じクロスハンドでも、プロの握り方を見るとさまざまなタイプがある。南コーチによると、左手の握り方によってタイプ分けできるという。「前述したように、クロスハンドの目的のひとつは、左手を固定すること。基本の握り方でも左手を固定をしていますが、左手の握りを変えることでさらに固定度が強くなります。大きく分けると、基本の握り方に加え、左人差し指を伸ばすタイプ、左手を上から絞るように握るタイプ、左腕にグリップを添わせるタイプがあり、後者ほど左手の個程度が強くなります。みなさんも実際に試して自分に合うクロスハンドを見つけてください」 基本型 左手の固定度:弱主な採用プロ:稲見萌寧、菊地絵理香、若林舞衣子 右手は下から、左手は横から握る基本に忠実な握り方。クロスハンドのメリットを平均的に幅広く生かせる 【メリット】ストロークの再現性が高くなる 腕に窮屈感がないため、力みがなくなり、体の回転がしやすい。スウィングリズムが一定になり、再現性も高くなる 【注意Point】上半身がゆるみやすい グリップ圧が弱いため上半身がゆるみやすい。下半身はどっしり構えるようにしよう 左人差し指伸ばし型 左手の固定度:中主な採用プロ:青木瀬令奈 両手の握る間隔を広げ、人差し指を伸ばして握ることで左手首の動きを抑えることができる 【メリット】フェース面の管理がしやすい 左手首の動きをより強く固定することで、フェース面の管理がしやすく、パンチやゆるみも入りにくい 【注意Point】ダウンブローになりやすい 左手がグリップの下のほうを握ることで、左肩が下がりやすい。すると入射角が鋭角になりやすいため、肩を水平に保つように注意 左手かぶせ型 左手の固定度:強主な採用プロ:植竹希望、新垣比菜、宮田成華 左手を上からかぶせるように握ることで、手首の固定はもちろん、わきが締まるため、腕がより固定される 【メリット】両腕がロックされ体主体のストロークに 両手首はもちろん、右腕、左腕がしっかりとロックされる握り方なので、体主体のストロークがしやすくなる 【注意】左肩が前に出やすい 左手を上から握ると左肩が前に出やすい。アドレスで肩のラインがスクエアになっているかチェックしよう 左手かぶせ型 左手の固定度:最強主な採用プロ:脇元華、福山恵理 短く握り、グリップ部分を左腕につけるタイプ。左手はやや上から握るのが理想 【メリット】シャフトと腕が一体化 シャフトが左腕にくっついていることで、左腕とクラブが一体化して動きやすい。安定感が最も高いタイプ 【注意】腕だけで振るとフェースが開きやすい 左腕だけで振ろうとすると、手元が浮き、フェースが開きやすくなる。体でストロークしよう 月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より こちらもチェック!
  • ただでさえ体が回りにくい冬ゴルフ。朝の練習場でいきなりフルスウィングはケガのもと。しっかりと体を温め、スタートホールから最高のパフォーマンスを発揮するためのウォーミングアップ法を、渋野日向子のトレーナーを務める斎藤大介氏に聞いた。 TEXT/Tomohide Yasui PHOTO/Akira Kato、Shinji Osawa THNAKS/ムーンレイクGC鶴舞C MODEL/Nanoka Hagiwara(GOLULU) 解説/斎藤大介柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。16年より米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20年から渋野日向子の専属トレーナーとして活動。週刊ゴルフダイジェストで「らくトレゆるスト」を連載中 朝イチショットの成功率が格段によくなる! 冬は寒くて体が動かないから、体を温めるために練習しているゴルファーの姿をよく見かける。あるいは寒いから練習をスキップし、そのままティーイングエリアへ向かうゴルファーも。だが、それでは本来のスウィングはできないし、好スコアも見込めない。渋野日向子の専属トレーナーを務める斎藤大介氏によると、練習前かスタート前に5分だけでいいからウォームアップを行ってほしいとアマチュアに提案する。「渋野選手は朝起きてからホテルで10分間ストレッチを行い、コースに着いてから練習前に10分間ウォームアップを行います。アマチュアの方はスタート前の準備にそこまで時間をかけるのは難しいでしょうから、せめてショットを打つ前に5分でいいからウォームアップを行ってほしいですね」ウォームアップを推奨する一番の理由はケガの防止だ。「体が温まっていない状態でボールを打つと、寝ている間に固まった筋肉をいきなり動かすことになるのでケガの原因になります」また、体が温まっていないのにボールを打つと、本来使うべき部位が適切に使えなくなり、練習と本番で体の動きが微妙に変わってしまうと忠告する。「スタート前に練習するのはラウンドでいいショットを打つためですよね。それであれば、練習前にラウンドと同じ体の状態を作る必要があります」これはショットに限らずアプローチやパターも同じだという。「小さい動きだからといってウォームアップをしなくていいわけではありません。むしろ小さい動きこそ、体がしっかり温まっていないと使うべき場所が使えず数センチのズレで思わぬミスが出やすくなります」斎藤トレーナーによると、ゴルフのウォームアップで大事なのは使いたい部位を少し大げさに動かして刺激を与えることだという。使いたい部分とは、股関節と肩周りだ。渋野本人も練習前のウォームアップを取り入れたことで「練習の1球目からクラブが振り切れるようになった」と語っている。「渋野選手のメニューは少しハードな内容も含まれていますから、アマチュア向けに5分で終わるウォームアップメニューを考案しました。次のラウンドからぜひ取り入れてみてください」 【ウォームアップの目的】筋肉を温めることでケガを防止練習やラウンドの前にウォームアップをしたほうがいい一番の理由はケガの防止。とくに冬場は体が冷え切っているので、いきなり動かすとケガの原因になる。筋肉を温めると1球目から体が動く 【ウォームアップの方法】スクワットやツイストなど動的ストレッチが有効渋野選手の場合、朝起きてからホテルで静的ストレッチ(反動を使わない)を行い、コースに着いてから練習前のウォームアップで体をダイナミックに動かす(動的ストレッチ)。真冬でも10分やるだけで体がじんわり温まる 【温めるべき部位】股関節と肩周りを重点的にゴルフのウォームアップでポイントとなるのが股関節と肩周りをしっかりと動かし刺激を与えることだ。筋肉を伸ばすだけでなく、どんどん使っていくようなイメージで行おう。前屈や側屈、スクワットなどが効果的だという 渋野日向子はチューブの負荷でさらに筋温を上げている 渋野は練習前のウォームアップの仕上げにゴムチューブを使う。ゴムチューブを使うことで体の奥まで温めることができるので、小さい動きでも使うべき筋肉をしっかりと使えるようになるという 斎藤トレーナーおすすめウォームアップメニュー10 ウォームアップを行うタイミングについて、斎藤トレーナーは次のように指摘する。「スタート前の練習でボールを打ち始める直前が理想ですが、練習する時間がない場合は朝イチショットの待ち時間でも構いません。とにかく1球目のショットを打つ前に体に刺激を入れて筋肉を温めることがケガの防止とスムーズなスウィングにつながります」メニューは1から10まで番号をつけているものの、順番が前後してもとくに問題はない。「大事なのは股関節と肩周りに刺激を入れ筋肉をしっかりと温め、1球目のショットから体が動く状態に持っていくことです。写真と同じポーズを作れない場合は、似たポーズで構いません。少し大げさな動きで刺激を入れてあげると、使いたい筋肉の動きがよりスムーズになるはずです」1つのメニューは30秒以内でOK。テンポよく繰り返すうちにすべてのメニューを自然と覚えるはず。さっそく試してみよう。 Menu 1【股関節】股関節から体を折るように前屈(3回) 渋野もやっているウォームアップメニューがこちら アイアンを両手で持って肩に乗せ、股関節から体を折り曲げるように前屈する。股関節はちょうつがいのような形状をしているので、ひざを曲げたり、背中を丸めたりせず、股関節だけをしっかり折り曲げるのがポイント Menu 2【股関節】重量挙げのイメージでバックスクワット(3回) アイアンを両手で持って頭上に掲げ、重量挙げのイメージでスクワットを行う。深くかがみ込むことよりも、股関節から体を折り曲げることのほうが大事だ。ひざがつま先よりも前に出ないのが理想 Menu 3【肩周り】水平ツイストで肩甲骨の筋肉を刺激(左右各3回) アイアンを体の正面で水平に持って片足を前に出し、足を出した方向にクラブを90度回す。クラブが斜めに傾かないように水平をキープしながら回すと、肩甲骨周辺の筋肉に適度な刺激が入る Menu 4【体幹】逆C字ポーズで体を反り腹筋を伸ばす(3回) アイアンを体の正面で持って片足を前に出し、クラブを背中側に回すようにしながら逆C字ポーズで体を反るように伸ばしていく。股関節と肩周りだけでなく、腹筋や背筋など体幹にも刺激が入る Menu 5【肩周り】体をねじって肩の柔軟性を高める(左右各3回) アイアンを両手で持って頭上に掲げ、上半身を前に倒しながら横にねじり、クラブがタテ向きになるようにツイストする。クラブが垂直になるのが理想だが、キツイ人は可能な範囲で体をねじる Menu 6【体幹】側屈はクラブが垂直になるのが理想(左右各3回) アイアンを両手で持って頭上に掲げた姿勢から、上半身を真横に倒す(側屈)。写真の場合、右わき腹が思いきり縮んで左わき腹が伸びる。クラブが垂直になるまで倒すのが理想だが、キツイ人は可能な範囲で体を倒せばOKだ Menu 7【股関節】股割り&肩入れで股関節の可動域を広げる(5秒キープ) 股割りの姿勢からひざに手をつき、まずは左肩を入れて5秒キープ。その後、左右の肩を入れ替えて同じく5秒キープ。股関節の可動域を広げながら肩甲骨周りの筋肉にもしっかりと刺激が入れば理想的だ Menu 8【股関節】片足蹴り上げで股関節の動きを滑らかに(前後3回・左右3回) 直立してアイアンを杖のようについた姿勢からスタート。まずはクラブを持っているほうの足を勢いよく前後に3回蹴り上げる。その後、クラブを体の正面に置き替えて同じ足を左右に3回蹴り上げる。逆の足を行うときはクラブを逆の手に持ち替える Menu 9【股関節と肩周り】6時から12時で前屈ツイスト(左右各3回) 足を肩幅に広げ、前屈した姿勢からスタート。片手を床についたまま、もう片方の手を真上に上げ、時計の6時のポーズで上下に伸ばすイメージで肩周りに刺激を入れる。3回行ったら上下の手を入れ替え、同じく3回行う。腕の向きは多少斜めでもOK Menu 10【仕上げ】9時から3時で仮想スウィング(3回) 右手を上に伸ばしながら左手を後方に伸ばし、時計の9時のポーズを作った後、左手を上に伸ばしながら右手を前方に伸ばし、時計の3時のポーズを作る。仕上げはテークバックとフォローの動きを繰り返すイメージ。これで1球目からナイスショット! 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より こちらもチェック!