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【米女子Qシリーズ】20位タイで滑り込みの渋野日向子に海外メディアも熱視線

米国女子ツアーの来季出場権をかけた最終予選会Qシリーズで、渋野日向子と古江彩佳が揃ってLPGAツアーの切符を手にした。

2週にわたり全8ラウンドで競われた厳しい戦い。1週目で70位タイまでが2週目に進み、45位タイまでがツアーカードを取得できるが、コンスタントにレギュラーツアーへ出場できるのは20位前後まで。出場選手中世界ランク最上位の実力を発揮し、終始安定したプレーを見せた古江は、7位でフル参戦権をゲットした。

一方の渋野は、7ラウンド目で「79」を叩き29位タイまで後退。フル出場が危ぶまれる不本意なゴルフに会見を拒否するも、最終日には持ち直し「69」をマーク。20位タイに滑り込み、さすがの勝負強さを見せつけた。 

結果を受け、海外メディアが取り上げたのは上位通過の古江ではなく渋野。「Qシリーズ注目の5人」「注目の合格者たち」のタイトルで報じられたQシリーズの特集には、渋野の名前が躍った。やはりメジャーチャンピオンの知名度&注目度は群を抜いている。「19年の全英女子オープンに優勝したヒナコ・シブノはメジャー勝利の特権(即時にツアーカードを取得できる権利)を行使せず、3年後に自力で出場権を獲得。スマイリングシンデレラがやり遂げた」と報じたのはGOLF.com。ほかにも「ニュースター誕生の予感」として渋野をフィーチャーするメディアもあり、期待度は抜群。

だが昨シーズン渋野をしのぐ活躍で国内6勝を挙げ、賞金ランク2位、メルセデスランキング1位になった古江の実力をまだ世界は知らない。慣れないアメリカで期待通りの結果を出し挑戦権をつかんだ彼女は来シーズン、開幕からみせてくれるはず。153センチと小柄ながら精度の高いショットと抜群のパッティングで米ツアーを席巻するかも。Qスクールでは得意のパットが今ひとつだったが本番では古江が主役になるかもしれない。

畑岡奈紗、笹生優花に続き、2人の「ルーキー」が米女子ツアーを席巻するか?(写真は2021全米女子プロ。PHOTO/KJR)

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より

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  • <JLPGAファイナルQT/葛城GC宇刈C(静岡)/11月30日~12月3日> 静岡県の葛城ゴルフ倶楽部で行われた、国内女子ツアーのファイナルQT。今年のプロテスト合格組からは9人が30以内に入り、来季前半戦の出場権を手にした。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa 例年だとQTランク35位前後までが、来季前半戦(第1回リランキング)までの出場権を得ていたが、今年は賞金ランク以外にメルセデス・ランキングでのシード権獲得者や、コロナ禍による「入国制限保障制度」の対象者がいるため、安全圏は30位前後になるとみられている。その30位以内に、今年6月と11月に行われたプロテストに合格した新人9人が入った。また、プラチナ世代屈指の実力者ながらケガにも苦しんだ安田祐香が20位に入り、来期前半戦はほぼすべての試合に出られる見込みだ。一方で、20-21年シーズンをシード選手として過ごし、QTに参戦した14人のうち、30位以内に入ったのは5人にとどまった。そんななか、38歳のベテラン下川めぐみがQTトップ通過を果たし、22年シーズンから日本復帰を決め永久シードを目標にしている横峯さくら(35)も21位に入っている。世代交代が進むなか、ベテラン勢の活躍にも期待したい。 プロテスト合格組から9人がQT突破! (左から)桑木志帆(QTランク13位)「1~2個上の先輩の活躍がすごいので、私も早く優勝争いに加われるように頑張りたい」佐藤心結(QTランク11位)「いい順位で終わることができ、自信になりました。オフはグリーン周りを磨いきたいです」永嶋花音(QTランク5位)「パッティングコーチをつけてから調子がよく、大好きな宮崎の最終戦に出たいです」小倉彩愛(QTランク12位)「前半の貯金で後半は気持ちよくプレーできました。オフに修正力を身につけたいです」佐久間朱莉(QTランク14位)「オフはジャンボ邸で練習する予定です。ツアーで初優勝をあげることが目標です」 後藤未有(QTランク17位) 「不安もあるなかでのQTでしたが、とにかく耐えまくった4日間でした」 阿部未悠(QTランク23位) 「来年の開幕戦でパワーアップした姿をお見せできるように頑張ります」 内田ことこ(QTランク26位) 本名は琴子だが、すでに同姓同名のプロがいるため登録名をひらがなに変更 上野菜々子(QTランク30位) 「気負うことなく挑めましたが、足りない部分がたくさんあることに気づけました」 シード復権&優勝を目指す実力者たち 下川めぐみ(QTランク1位) 「QTの結果は150点満点! 来年こそは1勝したいと思うので、それに向けてオフのトレーニングを頑張ります」 福田真未(QTランク8位) 「最終戦が良かったので、自分もまだまだ頑張れると思う。早く優勝争いをして、3勝目を挙げたいです」 新垣比菜(QTランク19位) 「ずっと緊張してて、今日はダメかなとも思ったのですが、なんとか残れてほっとしています。ダイキンで優勝争いがしたいですね」 横峯さくら(QTランク21位) 「タフな4日間が終わってひと安心です。息子にカッコいいママの姿をみせられるように頑張りたいです」 葭葉ルミ(QTランク25位) 台風並みの強風が吹き荒れた2日目にイーブンで回り、4日間でオーバーパーが1日と調子が上向きに 2020-21シーズン不振も、来季の再起を誓う 安田祐香(QTランク20位) 「今シーズンは怪我で10試合近く出れず、その結果シードを落としたと思うので、体作りをしっかりしたい」 成田美寿々、松田鈴英は上位を逃す 松田鈴英成田美寿々ツアー13勝の成田美寿々を筆頭に、松田鈴英、脇元華といった実績のあるプロや、11月のプロテストトップ合格の尾関彩美悠、岩井姉妹などの有力新人は涙を流した <JLPGAファイナルQT最終成績> ※白抜きの名前は2020年度・2021年度プロテスト合格者 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月21日号より
  • 1度にたった20名しか受からない狭き門であり、受験するだけで多くの出費がかさむプロテスト。今年、7度目の挑戦でついに合格を手にした丹萌乃は、プロテストの受験だけでこれまでに総額300万円以上かかったという。 PHOTO/Hiroshi Yatabe 丹 萌乃たんもえの。2018-2019年は単年登録選手としてレギュラーツアーに出場。岡山県出身の24歳 プロテストの出費はツアーで取り返す 女子ツアーの出場権を得るためには、まず「プロテスト」に通らなければならず、その合格率は3.4%という狭き門。今年、7度目の挑戦で合格を勝ち取った丹萌乃は、喜びよりも安堵感が大きいと話す。「プロテストの雰囲気は二度と経験したくないですね。2015年から毎年受け続け、1打足りなかったのが2回と、悔しい思いもしてきました。今回はプレッシャーで2日目からはほとんど寝られませんでした。覚悟の受験だったので、通過することができてホッとしています。7回のプロテストの受験料やそれに伴う遠征費などで約315万円使いましたが、これはツアーで活躍して取り返したいですね」 超難関と言われる理由 【理由1】合格率4%以下今年の受験者数は614名。その中から合格したのは上位20Tまでの21名。つまり、合格率はたった3.4%【理由2】1次から最終までの長い道のり1次予選から最終プロテストまで約3か月にも及ぶ。プレッシャーとの長い戦いが続く【理由3】受からないとツアーに出られないプレッシャー2020年から、ツアー出場優先順位を決めるQTに出場するためには、LPGA正会員(プロテスト合格)の資格が必須に 「7年間で約315万円使いました」(丹萌乃) ●1次予選/受験料 4万円●2次予選/受験料 6万円●最終プロテスト/受験料 10万円受験料以外にも交通費や宿泊費、プレーフィーもかかるので、受けるだけで多額の出費に 経験者たちが語るこんなにヤバい! プロテストの緊張感 高橋彩華「緊張しすぎて心臓が口から出そうでした」 「緊張はあまりしないタイプですが、プロテストのときはヤバかった。プレッシャーで心臓が飛び出るくらいでした」 三ヶ島かな「おにぎりも喉を通らずオロナミンCを3口だけ飲みました」 福田真未「応援がプレッシャーで携帯を一切見ませんでした」 月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より こちらもチェック!
  • 国内最終戦「リコーカップ」をスキップし、米女子ツアーのQスクールに挑むべく渡米した渋野日向子。インタビュー等で渋野が語った言葉を振り返ると、改めて2021年に懸けた想いと進化が見えてきた。 PHOTO/Shinji Osawa 「トップの位置の手が右肩より上がらないように」 今年の開幕戦、渋野は誰の目にも明らかなほど変化したスウィングを引っ提げて登場した。「トップの位置を気にしています。今までは高めに上げていたのをちょっと低めに。安定性、正確性が高いショットを打てるように」と話をした渋野。「今までのいいところにプラスアルファでやっていかないともっと上のレベルにはなれない。咋年アメリカに行ったときに感じたので日本でもやらないといけません」今オフ、コーチの青木翔氏からひとり立ちした。「クラブのことも、自分のシャフトのスペックもロフトも知らなかった。必要最低限のことは知る必要があります」 「トップに上げたときに自分の右肩よりも手が上がらないことを目指している。横振り、円っぽいスウィングです」。この1年、試合でも試しながら改造してきた。ドローヒッターだった渋野が一番嫌なのが左に出るミス。「切り返しのタイミングやテンポの速さ、スタンスの向きが原因のことが多いです」 「100Y以内のレベルアップが必要」 石川遼などの助言を得て自分で考え“新生・渋野”として取り組んだのはスウィングだけではない。クラブセッティングも替えた。大きな変更は46度、51度、54度、57度のウェッジ4本体制にしたこと。「100Y以内のレベルアップのため。パー5のバーディ率が上がるし、短いパー4でもバーディが取れる可能性が広がります。今までは51度で5割の力で打っていたものを54度がカバーしてくれる。アゲンストのときに60Yを57度で打つ必要もなく54度で風に強いボールを打てる。バリエーションが増えていくので、これからも課題にはなります。クラブ選びもめちゃくちゃ楽しいんです」 「周りにどう言われようが関係ない」続きはこちら パー5のマネジメントという点でも「100Y以内の練習をすることで、刻んでもバーディチャンスにつけられる。新しい攻め方です」練習で正確な数値を計測するようにもした。「今まではピンやエッジまでの距離しか考えていなかった。自分のフルショットしたときの距離感しか頭に入ってなかった」「13本のキャリーを調べる。各地で気温や飛距離が変わってくるので毎週やる。振り幅を把握することで、それを基準に試合中でも対応できるように練習します」 「今までスタンスの向きやウェッジの距離感などは考えて打ってなかった」。4本での打ち分けやアプローチの引き出しも増え、それが生きた試合も多い スタッツも気にするようにした。「一番見ているのがパーオン率。そこが少しずつ上がってくれば今やってることは合っているんだととらえることができます」これらの劇的改造に否が応でも外野のいろいろな声が届く。「今やっていることにまったく不安はないですし、周りにどうこう言われようが私は関係ない。まだまだ始めたばかりですけど、これからも日本でもアメリカでもどんな場所でも自分の意志を貫いて最後までやり遂げたいです」トレードマークの笑顔についても「笑顔だったりそういうところは今まで通り貫いていければいいなという思いはあるけど、どうしても集中するところは顔が強張ってしまうと思う。頑張っているなというところも見ていただければ」と語った。 「3年後のパリ五輪は出たい」 5月からはしばし、米ツアーに舞台を移す。ここで、結果には表れないが確かな経験を積んだ。「全米女子オープンは自分のゴルフに対して諦めていた。全米女子プロは残り2ホールで予選カットまで1打という状況で3つ伸ばせたのは最後まで諦めなかったから。新しい一歩と感じました」得たものは多い。アプローチの引き出しが増えた。もっと高いボールを打ちたい、もっと飛ばしたいと思うようになった。そして、“面白いゴルファー”になりたいとも。「アメリカで見ていて面白いゴルフだと言ってくださる方が多くて。私には残った言葉です」7月の東京五輪の出場は逃した。「選ばれなかったのは実力不足、悔しい気持ちもある」。しかし、大好きなソフトボールチームなどの活躍を観て感動し涙が出た。「3年後のパリ五輪は出たい。1度は日本代表としてオリンピックに出たい気持ちは強くなりました」「パラリンピックも含めて観て、もっともっとそういう夢や希望を与えられるスポーツ選手になりたいと改めて感じました」その後、国内3戦を挟んで出場した全英女子オープンでも手ごたえを感じた。「ギリギリアンダーで回ることができ、途中いいゴルフもできた。少しずつ前に進めているなと再確認できました」ここからは日本ツアーでの連戦だ。Qスクール(米女子ツアー予選会)に向けて、しっかり課題をもって取り組む。少しずつプレーがかみ合ってきた。「今までよりはチェックポイントが減ったぶん、思い切り振れるようになって、ドライバーの飛距離も出て安定感は増している」「パットも自分の打ち出したいところに打てる回数が増えてきていた」ウェッジ4本の効果も試合ごとに出てきた。バーディにつながるショットが増えた。ミスに対する修正力も高まった。前向きな言葉が出てくる。「ショットはよくなって、パーオン率も上がっている。パットとバーディ率をもう少し上げたい」「この難しいピン位置だったりグリーンの速さのなかで少しずつスピン量も増えてきていい感触になっている」「最近歩くペースをゆっくりにした。プチンとなった瞬間に堂々と前を行く感じで、スウィングのテンポもゆっくりと心がけながら。だんだん理想と近いショットを打てるようになってきたら、他のことも考えられるようになってきたのかな 同組でラウンドすることの多い同世代と楽しみながら切磋琢磨する。「萌寧は外しちゃいけないところに外さない、外しても絶対ボギーを打たない。ゴルフのお手本です」 「18番は集大成だった」 変化を恐れては成長しない。もちろん、葛藤もある。「飛距離を出したいからといってスウィングを崩してしまうのは後退。欲を捨てて飛ばない自分を受け入れて最後まで戦わないといけないというところも変えていきたい」そうして、9月のスタンレーレディスでプレーオフの激戦を制し、ツアー5勝目を挙げた。言葉があふれだす。「こんな早く勝てると思っていなかったので不思議な気持ちでいっぱい。すごく嬉しいです」「この2年間勝てないと思ったことはめちゃくちゃあります。女子プロゴルフは世代交代がめちゃくちゃ早い。2年前にレギュラーツアーに出始めたのに、もう思ってしまうくらい。自分が置いていかれる感があります。去年は自信がなかった。淡々とこなしてきたような気はします」「どの優勝も嬉しかったけど、すごく考えることの多い優勝だった。何か変わることはないけど、ちょっと自信にはつながるなと。前向きになれたし、活力が湧きました」 「今までスウィング改造を行ってきた集大成が、最終18番のすべてのショットで出たのではないかと思います」。優勝後の涙は「いろいろ思い出しての涙です」 2戦連続優勝のチャンスは雨に阻まれたが、予選落ちを挟んですぐ、またもプレーオフとなった三菱電機レディスで優勝した。「見てる側からするとハラハラドキドキするようなゴルフだったと思うので、そういう面白い勝ち方ができて嬉しかったです」 「お客さんがいないと本領発揮できない」 誰よりもファンを大切にする渋野は、コロナ禍の無観客試合に寂しさを感じ、ギャラリーの存在に力をもらえることを改めて感じていた。「いい意味で調子に乗れるタイプなので」「これだけの人数のなかでやるのは久しぶりだったので緊張しましたし、やっぱりこれが試合だと思いました。あるべき女子プロゴルフの試合だと」 「見に来てくださる方がいて自分も楽しめる」と渋野。ギャラリーの多いなかでバーディを取ったり「魅せるゴルフ」ができると嬉しいという 「周りの評価に負けないよう自分の意志を貫いてやりたい」 「新しい自分を見つけたいというのもありますし、つくっていきたいという感じでもあります」と始めたスウィング改造が、渋野の心技体を鍛え、「ゴルフ脳」を鍛え、アメリカ挑戦への武器となる。感情コントロールも意識しているが、ときどき「プチン」とすることがある。だから、何度も自分に言い聞かせる。「目の前の一打一打をしっかりやる」そしてこの1年ずっと言い続けてきた言葉がある。「自分の伸びしろはまだまだある」ということ。「まだまだやることがたくさんあるので今は楽しい。ショット力も上げたい、飛距離も伸ばしたい、アプローチ、パットの精度も上げたいので本当に全部です」こうして渋野は2019年の自分を超えるべく進化しつづける。「新しい自分だけど19年の自分でもあるわけで、混じって今の私がいる」「19年の自分が“渋野日向子”みたいな感じで私も思ってるし、思われてるし、そこを基準にしてしまう。でもこれから変わっていく渋野日向子が基準になっていくのを自分でも確かめたい」一区切りするエリエールレディスの週に23歳になった渋野は、「22歳も変化することに対して恐れないようにやってきたつもりですが、23歳も22歳でつくりあげたものをもっともっと積み上げていけたら」「日本で戦っているだけではアメリカで戦うのに必要なものは見つけられない」と思い決断したアメリカ挑戦。そのために取り組んでいるスウィング改造。「今やっていることを突き詰めていければ来年アメリカツアーでも戦えるかなと思っています」「その(米下部ツアー)選択肢はあります。難しいというか全然違うとは聞きますが、経験する価値はすごくある」「緊張感のなかで自分のイメージした、計算したプレーができるか。タテ距離もですし、ラフでどれだけボールが食われるか、風に対する計算など、Qスクールに向けて数字で把握していれば何かしらの対策はできると思います」19年、一夜にしてシンデレラとなった渋野日向子は、自らの手で新しい靴を履き、新しいステージに向けて確実に歩んでいく。 優勝し雑音も打ち消した。「新しいスウィングで勝ったとき、あーだこーだ言ってた人を見返したいという気持ちを片隅におきながらやっていました。やってきたことは間違っていなかったと思わざるを得ない結果だと思います」。そして、継続していけば2年前の自分より強くなれると考えている。伊藤園レディスでも朝もやの早朝から黙々と練習する渋野の姿があった 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より
  • スウィングではよく「下半身リード」が大切と言われるが、近年、効果的な下半身の動かし方が変わってきているという。スウィング改造に取り組んでいる渋野日向子も、下半身の使い方を意識したトレーニングを行ってきたという。まずは、渋野日向子の専属トレーナー・斎藤大介氏に話を聞いてみた。 PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki 解説/斎藤大介 16年から米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20年から渋野日向子の専属トレーナーとして活躍中。現在、小誌で『らくトレゆるスト』を連載中 自分の意思をしっかりと体に伝えられることが重要 今季からスウィング改造に着手し、春先はなかなか結果が出なかった渋野日向子だったが、シーズン中盤から本来の飛距離が戻ってきて、10月に2勝。結果に結びついてきた。その陰には、専属トレーナーである斎藤大介氏と取り組んできた下半身強化があるという。 続きを読む 「昨年までは飛距離よりもスウィング作りにフォーカスしてトレーニングしてきました。そして、今年に入りスウィング改造に取り組んだことで、徐々に飛距離を上げていくトレーニングを組み込んでいきました。下半身の強化がメインですが、単にパワーをつけるだけではなく、自分の意思で、部位、特に股関節を動かせる機能性も高めるトレーニングをしています。ゴルフはいかに再現性を高くスウィングできるかが大切です。出力だけではなく、『こうしたらこう動く』という自分の意思を体に伝達させることが重要なポイント。下の写真のような傾斜地でもブレることなくショットができるのも、下半身の強化と使い方が上手くいっている証拠だと思います」(斎藤) ゴムチューブを使って行う練習前の下半身トレーニング 練習前に渋野が行っているウォームアップのひとつ。アドレスの姿勢から左手にゴムチューブを引っかけて、肩甲骨や腹斜筋の動きを確認しながら引っぱる。この動きができるようになってくると、自然と下半身の動きもよくなってくる 渋野日向子がやっている股関節ストレッチ 下半身リードを身につける上で、股関節の動きが非常に重要だという斎藤コーチ。「渋野選手は必ず下記のようなストレッチを行い、股関節周りの筋肉を刺激してからショット練習します。こうすることで、股関節の動きを自分で意識しながら振れるようなってきます」 (1)クラブを担いで股関節から前屈 上体を丸めることなく、股関節からしっかりと前傾させていく (2)足を踏み出して上体を伸ばす 足を前に踏み出す。これも股関節付近の筋肉を刺激する (3)足を左右に踏み込みながら上体を回す 足を閉じた状態から、テークバックとフォローの動きをする >>【後編】現在の下半身リードと以前の下半身リードとの違いとは? 週刊ゴルフダイジェスト2021年11月30日号より 斎藤大介の「らくトレ」バックナンバーはこちら
  • 今季6勝を挙げ、稲見萌寧と激しい賞金女王争いを繰り広げる古江彩佳。安定感抜群のドライバーショットはどのようにして生み出されているのか。最新スウィングを徹底分析! PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa 古江彩佳ふるえあやか。2000年生まれ、兵庫県出身。153センチ。平均飛距離231ヤード。今季6勝を挙げ、獲得賞金2億円を超えた 解説/黒宮幹仁 1991年生まれ。連載「世界基準を追いかけろ」でお馴染みのプロコーチ。松田鈴英、梅山知宏らを指導 再現性が極めて高い“インシャロー” 古江選手はアドレスのフックグリップが特徴的です。いかにもインシャローアタック(インサイド&シャロー軌道の入射角)で打ちます、といったイメージが伝わってきます。始動からトップまで、フックグリップを生かして腕のローテーションを入れずに体重移動も少なめで回転します。いわば、「余計なことは何もしない」テークバックです。だから、フックグリップのとおりフェースが真上を向くシャットなトップになります。 続きを読む 切り返しからクラブを自分の右サイドに落として、右足で地面を蹴りながら小さくスライドし回転し始めます。このバランスが絶妙で体の強さも感じます。結果、アドレス時の印象どおりインシャローからヘッドが入り、ボールを高く打ち出します。ハンドファーストにロフトを立てて強い球を打とうという動きはありません。これも強みです。 見てのとおりフェースローテーションは極めて小さく、インパクト効率を徹底的に究めたスウィング。ミート率で言えば、アベレージで1.5以上あるのではないでしょうか。それが飛距離と安定感を高めています。ローテーションが少なく、手元は何もねじらず打つので、ホールロケーション(景色やハザード)に左右されにくいはず。1打をとにかく丁寧に振ることができるのも強み。体の負担も少ないので調子の波も小さいはず。それらが合わさって古江選手のゴルフを安定させているのだと思います。 左手を上からフックに握る 「フックに握って、いかにも『ゆるやかなアタックアングルで打ちます』といった雰囲気が伝わります」(黒宮)。グリップエンドを余らせて握る フェースが真上を向いたトップ 「フックグリップのとおりに上げれば、このフェース面の向きが正解。ボールをつかまえる体勢がすでに整っています」 フェースローテーションほぼなし 「インシャローの軌道上をヘッドが動いているだけ。フェースの開閉はほぼありません。これがミート率を高め、飛距離と精度を両立させます」 週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より