【イザワの法則】Vol.68 風で番手を替えるのは3メートル以上から!
伊澤利光「イザワの法則」
球筋に影響しそうな強さの風が吹いていたとしても、それにどう対処すればいいのかわからないというアマチュアは多い。プロは風をどう読み、どういう戦略で風を攻略しているのだろうか?
TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

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前後の風には
持つクラブを替えて
対処するのが基本
風にどう対処するかというのは、ゴルフにおける戦略の中でもとくに重要な部分です。アゲンスト、フォローの風に対しては、番手を上げ下げするというのが基本的な考え方で、状況によっては弾道の高低を打ち分けることで対処する場合もあります。たとえば、グリーンの手前にハザードがなく、花道から転がし上げる狙い方ができるような状況であれば、低くてランの出る球でアゲンストをかいくぐることができるかもしれません。もちろん、残りの距離と使う番手、それにライも考慮に入れる必要がありますから、その時々の判断とはなりますが。
番手を上げ下げする風の強さの目安としては、大体、風速3メートル(m/s。以下同)くらいじゃないかと思います。風にも種類があって、海が近いコースの海風だと、1メートルでも「重い」という場合もありますが、通常であれば1〜2メートルの風なら、スウィングの強弱で対応可能です。3メートルの風がどのくらいかというと、林間コースであれば木の小枝や葉っぱが揺れるくらい、もし煙が出ている煙突があるとしたら、煙が斜めにたなびくくらいと考えればいいでしょう。ただし、3メートルの風はずっと一定の強さで吹いているわけではなく、瞬間的に強くなったり弱くなったりするので、風の「呼吸」のようなものを見定める力も必要です。
左右から吹く風は
球筋によって止まりやすさが変わる
では、左右の風に対してはどうするかというと、基本的には風に「乗せる」のか、「ぶつける」のかという2択になります。これも単に残り距離だけで考えるのではなく、コースの状況やピンの位置、自分の持ち球によって適切に判断する必要があります。持つ番手が6、7番くらいまで長くなると、風に乗せるのはグリーンの奥に行くのを少し警戒する必要があるでしょう。とくにドローが持ち球の人の場合、右からの風に乗せて打つと、ボールが空中にある段階でもう「大きい」とわかるくらい、グリーンをオーバーしてしまうことがあるので要注意です。
私はフェード打ちなので、左からの風には「乗せる」、右からの風には「ぶつける」というのが基本戦略になりますが、風にぶつけるほうが球は止まりやすいので、グリーンの硬さによって打つ球を変えています。左からの風でも、グリーンが硬くて、それでも止めたい状況のときは、少しドロー目のボールで風にぶつけていくこともあるわけです。フェード打ちとして一番気を使うのが、11時方向(ピン方向が12時)からのサイドアゲンストです。この風に対しては、打ち出しの狙い目を少し左に取ってしっかりフェードで打っていきますが、少しでも当たりが薄くなるとどこまでも風に流されてしまうからです。
また、風の強い日にラウンドしていると、知らず知らずのうちに左足体重が強くなっていて、クラブが上から入りすぎていることがあります。そうなるとスピン量が増えて吹き上がる球になり、思った以上に風の影響を受けてしまうので注意しましょう。

風と“自分”を理解しよう
左右からの風は、風の強さに応じて狙い目を左右にずらすのが基本。ただし、持ち球で飛距離や止まりやすさが変わることに注意。たとえばスライス系の人は、右からの風だと飛距離が出にくくなるものの、ボールは止まりやすくなる

伊澤利光
1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中
月刊ゴルフダイジェスト2026年7月号より


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