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【渋野も実践】朝イチからナイスショット! スタート前の5分で差がつく冬のウォームアップメニュー10

ただでさえ体が回りにくい冬ゴルフ。朝の練習場でいきなりフルスウィングはケガのもと。しっかりと体を温め、スタートホールから最高のパフォーマンスを発揮するためのウォーミングアップ法を、渋野日向子のトレーナーを務める斎藤大介氏に聞いた。

TEXT/Tomohide Yasui PHOTO/Akira Kato、Shinji Osawa THNAKS/ムーンレイクGC鶴舞C MODEL/Nanoka Hagiwara(GOLULU)

解説/斎藤大介
柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。16年より米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20年から渋野日向子の専属トレーナーとして活動。週刊ゴルフダイジェストで「らくトレゆるスト」を連載中

朝イチショットの成功率が
格段によくなる!

冬は寒くて体が動かないから、体を温めるために練習しているゴルファーの姿をよく見かける。あるいは寒いから練習をスキップし、そのままティーイングエリアへ向かうゴルファーも。だが、それでは本来のスウィングはできないし、好スコアも見込めない。

渋野日向子の専属トレーナーを務める斎藤大介氏によると、練習前かスタート前に5分だけでいいからウォームアップを行ってほしいとアマチュアに提案する。

「渋野選手は朝起きてからホテルで10分間ストレッチを行い、コースに着いてから練習前に10分間ウォームアップを行います。アマチュアの方はスタート前の準備にそこまで時間をかけるのは難しいでしょうから、せめてショットを打つ前に5分でいいからウォームアップを行ってほしいですね」

ウォームアップを推奨する一番の理由はケガの防止だ。

「体が温まっていない状態でボールを打つと、寝ている間に固まった筋肉をいきなり動かすことになるのでケガの原因になります」

また、体が温まっていないのにボールを打つと、本来使うべき部位が適切に使えなくなり、練習と本番で体の動きが微妙に変わってしまうと忠告する。

「スタート前に練習するのはラウンドでいいショットを打つためですよね。それであれば、練習前にラウンドと同じ体の状態を作る必要があります」

これはショットに限らずアプローチやパターも同じだという。

「小さい動きだからといってウォームアップをしなくていいわけではありません。むしろ小さい動きこそ、体がしっかり温まっていないと使うべき場所が使えず数センチのズレで思わぬミスが出やすくなります」

斎藤トレーナーによると、ゴルフのウォームアップで大事なのは使いたい部位を少し大げさに動かして刺激を与えることだという。使いたい部分とは、股関節と肩周りだ。渋野本人も練習前のウォームアップを取り入れたことで「練習の1球目からクラブが振り切れるようになった」と語っている。

「渋野選手のメニューは少しハードな内容も含まれていますから、アマチュア向けに5分で終わるウォームアップメニューを考案しました。次のラウンドからぜひ取り入れてみてください」


ウォームアップの目的
筋肉を温めることでケガを防止
練習やラウンドの前にウォームアップをしたほうがいい一番の理由はケガの防止。とくに冬場は体が冷え切っているので、いきなり動かすとケガの原因になる。筋肉を温めると1球目から体が動く

【ウォームアップの方法】
スクワットやツイストなど動的ストレッチが有効

渋野選手の場合、朝起きてからホテルで静的ストレッチ(反動を使わない)を行い、コースに着いてから練習前のウォームアップで体をダイナミックに動かす(動的ストレッチ)。真冬でも10分やるだけで体がじんわり温まる

【温めるべき部位】
股関節と肩周りを重点的に

ゴルフのウォームアップでポイントとなるのが股関節と肩周りをしっかりと動かし刺激を与えることだ。筋肉を伸ばすだけでなく、どんどん使っていくようなイメージで行おう。前屈や側屈、スクワットなどが効果的だという


渋野日向子はチューブの負荷でさらに筋温を上げている

渋野は練習前のウォームアップの仕上げにゴムチューブを使う。ゴムチューブを使うことで体の奥まで温めることができるので、小さい動きでも使うべき筋肉をしっかりと使えるようになるという

斎藤トレーナーおすすめ
ウォームアップメニュー10

ウォームアップを行うタイミングについて、斎藤トレーナーは次のように指摘する。

「スタート前の練習でボールを打ち始める直前が理想ですが、練習する時間がない場合は朝イチショットの待ち時間でも構いません。とにかく1球目のショットを打つ前に体に刺激を入れて筋肉を温めることがケガの防止とスムーズなスウィングにつながります」

メニューは1から10まで番号をつけているものの、順番が前後してもとくに問題はない。

「大事なのは股関節と肩周りに刺激を入れ筋肉をしっかりと温め、1球目のショットから体が動く状態に持っていくことです。写真と同じポーズを作れない場合は、似たポーズで構いません。少し大げさな動きで刺激を入れてあげると、使いたい筋肉の動きがよりスムーズになるはずです」

1つのメニューは30秒以内でOK。テンポよく繰り返すうちにすべてのメニューを自然と覚えるはず。さっそく試してみよう。

Menu 1【股関節】
股関節から体を折るように前屈(3回)


アイアンを両手で持って肩に乗せ、股関節から体を折り曲げるように前屈する。股関節はちょうつがいのような形状をしているので、ひざを曲げたり、背中を丸めたりせず、股関節だけをしっかり折り曲げるのがポイント

Menu 2【股関節】
重量挙げのイメージでバックスクワット(3回)

アイアンを両手で持って頭上に掲げ、重量挙げのイメージでスクワットを行う。深くかがみ込むことよりも、股関節から体を折り曲げることのほうが大事だ。ひざがつま先よりも前に出ないのが理想

Menu 3【肩周り】
水平ツイストで肩甲骨の筋肉を刺激(左右各3回)

アイアンを体の正面で水平に持って片足を前に出し、足を出した方向にクラブを90度回す。クラブが斜めに傾かないように水平をキープしながら回すと、肩甲骨周辺の筋肉に適度な刺激が入る

Menu 4【体幹】
逆C字ポーズで体を反り腹筋を伸ばす(3回)

アイアンを体の正面で持って片足を前に出し、クラブを背中側に回すようにしながら逆C字ポーズで体を反るように伸ばしていく。股関節と肩周りだけでなく、腹筋や背筋など体幹にも刺激が入る

Menu 5【肩周り】
体をねじって肩の柔軟性を高める(左右各3回)

アイアンを両手で持って頭上に掲げ、上半身を前に倒しながら横にねじり、クラブがタテ向きになるようにツイストする。クラブが垂直になるのが理想だが、キツイ人は可能な範囲で体をねじる

Menu 6【体幹】
側屈はクラブが垂直になるのが理想(左右各3回)

アイアンを両手で持って頭上に掲げた姿勢から、上半身を真横に倒す(側屈)。写真の場合、右わき腹が思いきり縮んで左わき腹が伸びる。クラブが垂直になるまで倒すのが理想だが、キツイ人は可能な範囲で体を倒せばOKだ

Menu 7【股関節】
股割り&肩入れで股関節の可動域を広げる(5秒キープ)

股割りの姿勢からひざに手をつき、まずは左肩を入れて5秒キープ。その後、左右の肩を入れ替えて同じく5秒キープ。股関節の可動域を広げながら肩甲骨周りの筋肉にもしっかりと刺激が入れば理想的だ

Menu 8【股関節】
片足蹴り上げで股関節の動きを滑らかに(前後3回・左右3回)

直立してアイアンを杖のようについた姿勢からスタート。まずはクラブを持っているほうの足を勢いよく前後に3回蹴り上げる。その後、クラブを体の正面に置き替えて同じ足を左右に3回蹴り上げる。逆の足を行うときはクラブを逆の手に持ち替える

Menu 9【股関節と肩周り】
6時から12時で前屈ツイスト(左右各3回)

足を肩幅に広げ、前屈した姿勢からスタート。片手を床についたまま、もう片方の手を真上に上げ、時計の6時のポーズで上下に伸ばすイメージで肩周りに刺激を入れる。3回行ったら上下の手を入れ替え、同じく3回行う。腕の向きは多少斜めでもOK

Menu 10【仕上げ】
9時から3時で仮想スウィング(3回)

右手を上に伸ばしながら左手を後方に伸ばし、時計の9時のポーズを作った後、左手を上に伸ばしながら右手を前方に伸ばし、時計の3時のポーズを作る。仕上げはテークバックとフォローの動きを繰り返すイメージ。これで1球目からナイスショット!

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より

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