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Dr.クォンの反力打法 Vol.12「止める」意識は必要ない! “間”は自然とできる

トップで「間」を作る必要はないとクォン教授は言うが、日本のトッププレーヤー、松山英樹のスウィングを見るとトップでピタッと止まっているように見える。ということは、松山のスウィングは反力が使えてないということ?

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる

【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

前回のお話はこちら

吉田 前回、先生はトップで「間」を作ってはいけないとおっしゃっていました。

クォン そうだね。トップで「間」を作ると、バックスウィングの意味がなくなってしまう。

吉田 そうなると、われらが松山英樹選手のスウィングは、反力打法的にはあまりよろしくないということでしょうか。

クォン そんなことはない。マツヤマのスウィングは、反力打法的にもとても良いと思う。

吉田 でも、松山選手はトップで止まっているように見えます。

クォン マツヤマの場合は、リズムがゆっくりだから止まって見えるが、私はあれを「止まっている」とは考えない。トップに到達する直前に、左足を踏み込み、体重がしっかりと左に移動している。上半身と下半身がセパレートされている証拠だね。

吉田 上半身と下半身がセパレート?

クォン そう。これも、スウィングスピードを効率的に高めるには不可欠なポイントなんだ。「Xファクター」という言葉は知っているね。


吉田 ええ。スウィングを頭の上から見たときに、トップで腰が回る角度と、肩が回る角度では肩のほうが大きい。このとき、腰の線と肩の線が「X」状に交差するから、「Xファクター」。このXファクターが大きいほど、上半身と下半身の捻転差が大きくなる……あ、これがセパレートということですね。

真上から見ると、トップで腰のラインと肩のラインが「X」状に交差することから、上半身と下半身の捻転差のことを「Xファクター」と呼ぶ。切り返しで腰が肩より先に逆回転を始めることで、捻転差はより大きくなり、Xファクターが強くなる

クォン うむ。バックスウィングがまだ続いている段階で、下半身が逆向きに動き始めることで、より捻転が強くなる。トップでクラブが止まって見える瞬間があるが、このときにはすでにセパレートされた下半身が動き始めているから、「止まっている」わけではないんだ。

吉田 なるほど。逆に「止まって見える」見た目だけを真似ようとして、意識してトップで止まろうとするのは、本末転倒というわけですね。

クォン そのとおり。前回話したように、それではカウンター動作が使えないから、せっかくのバックスウィングが無駄になってしまう。

吉田 上半身と下半身がセパレートされていれば、「間」は意識して作らなくても、自然とできるものなんですね。

Vol.13へ続く | 反力打法TOP

Dr. クォン&吉田洋一郎
『驚異の反力打法』

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