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Dr.クォンの反力打法 Vol.11 バックスウィングは欠かせない「カウンター動作」

良いダウンスウィングのためには良いバックスウィングがとても大事になるとクォン教授は言う。今回はバックスウィングの重要性について考えてみよう。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる

【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

前回のお話はこちら

吉田 トップの形がしっかり決まりさえすれば、バックスウィングはどう上げようが関係ない、と言う人もいますが?

クォン とんでもない! バックスウィングは「カウンター動作」として欠かせない動きなんだ。

吉田 カウンター動作とは?

クォン そうだな。ではヒロ、できるだけ高くジャンプしてみてくれ。

吉田 ジャンプですか。では……。

クォン はい、ストップ!

吉田 ちょ……まだ跳んでないですよ。

クォン いま、ひざを曲げているね。なぜ上に跳ぼうとするのに、下に沈む動きをするんだね?

吉田 うーん、このほうが高く跳べる気がします。

クォン このように、ある動作の直前に、その動きと逆向きの動きを入れることを、「カウンター動作」という。カウンター動作を使わないとどうなるか。今度は最初からひざを曲げた状態で跳んでみてくれ。

吉田 ……うまく跳べません。


クォン カウンター動作はいろんなスポーツでも用いられていて、たとえば野球の投手がボールを投げるとき、いったん投げる方向と逆向きに腕を動かしていくね。この動作を使わずに、腕をいきなり前に突き出したら、速い球は投げられないだろう。

吉田 バッターも、バットを振る前に、少し後ろに引く動きをしますね。

クォン それもカウンター動作。そしてゴルフでいうと、バックスウィングがそれにあたる。

吉田 ダウンスウィングは、バックスウィングの反動を利用するということですか。

クォン そのとおり。カウンター動作をすることで、「動きの幅」を大きくすることができる。野球でもそうだが、末端部分のスピードを高めるためには、このカウンター動作がとても重要な役割を果たすんだ。

吉田 ゴルフも末端のヘッドを速く動かしたいわけだから、カウンター動作が大事になるわけですね。

クォン よくトップで「間」を作れ、などと言うが、その必要はまったくないんだ。

吉田 え? どういうことですか?

クォン 間を作るというのは、「止める」ということ。そうすると、最初からひざを曲げた状態でジャンプするのと同じで、スピードを高めることができない。

吉田 せっかくのカウンター動作が生かせないわけですね。

クォン バックスウィングからダウンへのスムーズで連続的な移行こそが、ヘッドスピードのアップには不可欠なんだ。

Vol.12へ続く | 反力打法TOP

Dr. クォン&吉田洋一郎
『驚異の反力打法』

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