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【名手の名言】バラク・オバマ「その時だけ、屋外にいられる。まるで箱の中から出られたような感じなんだ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、米国第44代大統領バラク・オバマ氏の言葉をご紹介!


その時だけ、屋外にいられる
まるで箱の中から
出られたような感じなんだ

バラク・オバマ


この言葉の主は、米国第44代大統領バラク・オバマ氏。彼は在任中、夏休みの多くをゴルフをして過ごし、中国の習近平国家主席との外交会談の前後でさえ、クラブを握っていた。そのときの心境を、まるで檻から解き放たれたようなこの比喩で表現したのだ。

外交や安全保障の最前線で常に判断を求められる立場にある彼にとって、ゴルフはただの趣味ではない。むしろ、外に出て心身をリセットする貴重な「時間」なのだろう。国際情勢が緊迫するなかでも、彼はメディアの批判に動じることなく、休暇としてのゴルフを楽しんだ。

側近のひとりが「休暇(ゴルフ)を満喫したクリーンな頭脳と、欲求不満なそれと、どちらが良い判断ができるか」と記者に問い返したというエピソードは、ゴルフが思考をクリアにし、冷静な決断をもたらすという信頼を物語っている。

アメリカでは歴代大統領の多くがゴルフを愛してきた。ケネディは最も上手く、アイゼンハワーは最も情熱的だったと言われる。フォード、ブッシュ親子、クリントンといった近年の大統領もみなゴルフ愛好家であり、オバマもまた、在任期間中に300ラウンド以上をこなしたという。

一方、日本ではまだ「首相がゴルフとはけしからん」といった声も根強い。たとえば、安倍元首相が夏休みにゴルフを楽しんだ際にも、その事実をあえて大きく発信することはなかった。そこには、リーダーは常に緊張感を持つべきだという社会的な価値観が背景にある。

だが、果たしてそれが最善だろうか。時にリーダーが意図的に「箱の外」へ出て、自らをリフレッシュする時間を持つことは、国にとっても良い選択を導く要素になるのではないか。

「ゴルフをする」という行為が、ただの遊びではなく、“整えるための時間”として、もっと認められてもいい――。オバマの一言は、そんな気づきを私たちに与えてくれている。

■バラク・オバマ(1961~)

ハワイ州生まれ。ハーバード大学ロースクール修了後、弁護士。民主党所属。イリノイ州上院議員を経て、09年第44代アメリカ合衆国大統領就任。大統領として09年、ノーベル平和賞受賞。スポーツ好きとして知られ、大学時代はバスケットに興じ、在任当時はゴルフ。就任以来ラウンド数は100回を超え、夏休みも休暇のほとんどをコースで過ごしたと言われていた。