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【山を動かす】石川遼、30歳からの米ツアー再挑戦。あなたはどう思う?

ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは石川遼が米下部の「コーンフェリーツアー」に挑戦することについて。2013年から米レギュラーツアーに参戦し、18年に日本ツアーに復帰した石川。このタイミングでの米下部ツアー挑戦を、識者やファンはどう感じた?

●今回の石川遼くんのことは、実は僕がけしかけたのが契機になったのかもしれません。ダイヤモンドカップのときに、遼くんと薗田(峻輔)くんが練習していて、松山(英樹)くんがマスターズで優勝したこともあって話をしたんです。「彼が(メジャーで)勝てるんなら、お前が勝っても不思議じゃないよ」と。体の大きさとか、周囲のことを気にしないでいられるとか、いろいろなことは別にして、ゴルフの技術は遼くんのほうが上だと僕は思っていたので、そんな話もしたんです。それで「自分はどう生きて行ったらいいのか」とか考えるようになったのかもしれない。選手会長もやっているし、日本の国内ツアーを盛り上げていかないといけないという気持ちも彼の中にあると思うんですけど、それを考えるのは選手じゃなくて、JGTOでしょ。みんなの人気者で、いつもいい子でいなきゃならなかったじゃないですか、遼くんは。ところが最近は、ちょっと鬱憤がたまっているようにも見えるんです。個人的には、遼くんはゴルフの可能性を追いかけたほうがいいと思うんです。コリン・モリカワくんができて遼くんにできないかな? これまでも苦労してきたけれど、それでももっと遼くんには頑張ってほしいと思っています。(水巻善典/プロゴルファー)

●遼くんの挑戦はいいと思う。しかしながら、石川遼不在の日本男子ツアーがますます心配になる。正直、見たい人が少ないです……いや、いないかも。(40代女性・神奈川県)

●下部ツアー挑戦、大賛成です。石川選手の中で思うところがあったと思います。まず、30歳という年齢。世界を目指すには最後のチャンスと思ったのではないですか。30歳はスポーツ選手としては曲がり角。あと6~7年がゴルファーとしてパフォーマンスを発揮できる年齢です。ツアー最高のステージに再び挑戦するなら今年がリミットでしょう。今年行かなかったら、きっと後悔すると思います。これまで、進学をはじめ多くの選択肢を捨ててゴルフに邁進してきました。そして憧れの米ツアーに臨みましたが、パワーゴルフに打ちのめされ撤退。このままではゴルフ人生に“ケリ”はつけられないでしょう。幸いにも、この間会った石川選手はシャツの上からでもわかる隆とした筋肉の厚い胸板、腕も太くなっていました。相当なトレーニングをして、パワーで太刀打ちできるところにまできたと思ったのではないですかね。来年から世界ランクが制度変更します。日本ツアーではポイント取得がこれまでの半分くらいになる予定です。このことも、石川選手の背中を押したのでは。お金は十分稼いだでしょうから、あとは自分の夢に向かって再挑戦あるのみでしょう。(佐渡充高/テレビ解説者)

十五にして志し、三十にして再び立つ

●もし挑戦が失敗したら、日本でプレーするのかな? で、あっさり勝ったりしたら「日本はやっぱりレベルが低い」ってことにならないか。そっちが心配。(60代男性・千葉県)

●学校の成績じゃ圧倒的に自分より下だった連中がどんどん出世していて、同窓会から足が遠のいている。マスターズチャンプ松山英樹がレギュラーツアーで活躍する状況で、下部ツアーに挑戦するなんてすごいよ、遼くん。私は転職したり独立したりする勇気もなく、イジイジした毎日を過ごしております。(40代男性・埼玉県)

●行って当たり前、行かなくてはだめでしょう。このまま日本にいても、米ツアーへの道はますます狭くなるからです。来年8月から男子ゴルフの公式世界ランキングの仕組みが変わります。結論をいえば日本ツアーの価値が下がり、ポイント取得も難しくなります。世界ランクは日本企業のSONYランキングが元になっていて、日本ツアーには少し甘かった節があります。今までは、日本ツアーで優勝すれば16ポイント(日本オープンは32ポイント)あった。これが、JGTOの試算では7~9ポイントに半減する。これでは日本ツアーでランキングを上げ、メジャーなどにスポット参戦して、突出した結果を残してシード権を得るプランが崩れたことを意味します。座して死ぬより、1年間下積みを経験して自分でたくましく這い上がる道、これを選んだ遼にエールを送ります!(タケ小山/テレビ解説者)

●何かを始めるのに遅すぎることなんてないというし、遼くんはまだ30歳。ゴルフだとシニアで開花するプレーヤーだっているんだし、GOGO!(40代男性・神奈川県)

●プロアスリートはいかにモチベーションを維持するか、それがすべてと言ってもいいくらい大事なことです。そのための目標は人それぞれで、日本を舞台に長く活躍したいという人もいればアメリカに挑戦したいという人もいる。どちらがいいというわけではなく、それぞれ、なんですね。僕がアメリカに挑戦したのは34~35歳のころで、選手寿命を考えたら少し遅いんです。日本のプロ野球からアメリカ球界に挑戦するためにはさまざまなルールがあり、個人では決められないからです。一方、ゴルフは個人の意志が大きいですよね。石川遼くんはちょうど30歳。「三十にして立つ」ですよ。アメリカ挑戦が自分の技術やメンタルの強化につながる、チャレンジになると思ったんでしょう。それについて、どうこう言う人もいると思いますけれど、それだけ注目されているということ。同い年の松山英樹くんはマスターズを制している。そんななか、下部ツアーに挑戦するのは勇気のいることでしょう。泥水を飲むくらいの覚悟があるんだと思います。これまで男子ゴルフ界を背負ってきた遼くん。自由にやってほしい、と思いますね。(小林雅英/元メジャーリーガー)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より


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