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【山を動かす】石川遼、30歳からの米ツアー再挑戦。あなたはどう思う?

ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは石川遼が米下部の「コーンフェリーツアー」に挑戦することについて。2013年から米レギュラーツアーに参戦し、18年に日本ツアーに復帰した石川。このタイミングでの米下部ツアー挑戦を、識者やファンはどう感じた?

●今回の石川遼くんのことは、実は僕がけしかけたのが契機になったのかもしれません。ダイヤモンドカップのときに、遼くんと薗田(峻輔)くんが練習していて、松山(英樹)くんがマスターズで優勝したこともあって話をしたんです。「彼が(メジャーで)勝てるんなら、お前が勝っても不思議じゃないよ」と。体の大きさとか、周囲のことを気にしないでいられるとか、いろいろなことは別にして、ゴルフの技術は遼くんのほうが上だと僕は思っていたので、そんな話もしたんです。それで「自分はどう生きて行ったらいいのか」とか考えるようになったのかもしれない。選手会長もやっているし、日本の国内ツアーを盛り上げていかないといけないという気持ちも彼の中にあると思うんですけど、それを考えるのは選手じゃなくて、JGTOでしょ。みんなの人気者で、いつもいい子でいなきゃならなかったじゃないですか、遼くんは。ところが最近は、ちょっと鬱憤がたまっているようにも見えるんです。個人的には、遼くんはゴルフの可能性を追いかけたほうがいいと思うんです。コリン・モリカワくんができて遼くんにできないかな? これまでも苦労してきたけれど、それでももっと遼くんには頑張ってほしいと思っています。(水巻善典/プロゴルファー)

●遼くんの挑戦はいいと思う。しかしながら、石川遼不在の日本男子ツアーがますます心配になる。正直、見たい人が少ないです……いや、いないかも。(40代女性・神奈川県)

●下部ツアー挑戦、大賛成です。石川選手の中で思うところがあったと思います。まず、30歳という年齢。世界を目指すには最後のチャンスと思ったのではないですか。30歳はスポーツ選手としては曲がり角。あと6~7年がゴルファーとしてパフォーマンスを発揮できる年齢です。ツアー最高のステージに再び挑戦するなら今年がリミットでしょう。今年行かなかったら、きっと後悔すると思います。これまで、進学をはじめ多くの選択肢を捨ててゴルフに邁進してきました。そして憧れの米ツアーに臨みましたが、パワーゴルフに打ちのめされ撤退。このままではゴルフ人生に“ケリ”はつけられないでしょう。幸いにも、この間会った石川選手はシャツの上からでもわかる隆とした筋肉の厚い胸板、腕も太くなっていました。相当なトレーニングをして、パワーで太刀打ちできるところにまできたと思ったのではないですかね。来年から世界ランクが制度変更します。日本ツアーではポイント取得がこれまでの半分くらいになる予定です。このことも、石川選手の背中を押したのでは。お金は十分稼いだでしょうから、あとは自分の夢に向かって再挑戦あるのみでしょう。(佐渡充高/テレビ解説者)

十五にして志し、三十にして再び立つ

●もし挑戦が失敗したら、日本でプレーするのかな? で、あっさり勝ったりしたら「日本はやっぱりレベルが低い」ってことにならないか。そっちが心配。(60代男性・千葉県)

●学校の成績じゃ圧倒的に自分より下だった連中がどんどん出世していて、同窓会から足が遠のいている。マスターズチャンプ松山英樹がレギュラーツアーで活躍する状況で、下部ツアーに挑戦するなんてすごいよ、遼くん。私は転職したり独立したりする勇気もなく、イジイジした毎日を過ごしております。(40代男性・埼玉県)

●行って当たり前、行かなくてはだめでしょう。このまま日本にいても、米ツアーへの道はますます狭くなるからです。来年8月から男子ゴルフの公式世界ランキングの仕組みが変わります。結論をいえば日本ツアーの価値が下がり、ポイント取得も難しくなります。世界ランクは日本企業のSONYランキングが元になっていて、日本ツアーには少し甘かった節があります。今までは、日本ツアーで優勝すれば16ポイント(日本オープンは32ポイント)あった。これが、JGTOの試算では7~9ポイントに半減する。これでは日本ツアーでランキングを上げ、メジャーなどにスポット参戦して、突出した結果を残してシード権を得るプランが崩れたことを意味します。座して死ぬより、1年間下積みを経験して自分でたくましく這い上がる道、これを選んだ遼にエールを送ります!(タケ小山/テレビ解説者)

●何かを始めるのに遅すぎることなんてないというし、遼くんはまだ30歳。ゴルフだとシニアで開花するプレーヤーだっているんだし、GOGO!(40代男性・神奈川県)

●プロアスリートはいかにモチベーションを維持するか、それがすべてと言ってもいいくらい大事なことです。そのための目標は人それぞれで、日本を舞台に長く活躍したいという人もいればアメリカに挑戦したいという人もいる。どちらがいいというわけではなく、それぞれ、なんですね。僕がアメリカに挑戦したのは34~35歳のころで、選手寿命を考えたら少し遅いんです。日本のプロ野球からアメリカ球界に挑戦するためにはさまざまなルールがあり、個人では決められないからです。一方、ゴルフは個人の意志が大きいですよね。石川遼くんはちょうど30歳。「三十にして立つ」ですよ。アメリカ挑戦が自分の技術やメンタルの強化につながる、チャレンジになると思ったんでしょう。それについて、どうこう言う人もいると思いますけれど、それだけ注目されているということ。同い年の松山英樹くんはマスターズを制している。そんななか、下部ツアーに挑戦するのは勇気のいることでしょう。泥水を飲むくらいの覚悟があるんだと思います。これまで男子ゴルフ界を背負ってきた遼くん。自由にやってほしい、と思いますね。(小林雅英/元メジャーリーガー)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より


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  • 鋭い視点とマニアックな解説でお馴染みの目利きプロ・佐藤信人が、いま注目しているプレーヤーについて熱く語る連載「うの目、たかの目、さとうの目」。今週は米下部ツアーに挑戦する石川遼に注目。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa 9月のフジサンケイクラシックで、ボクは他人の練習ラウンドに18ホールつくという初の体験をしました。ついた相手は石川遼選手。まず驚かされたのが、その入念な準備と丁寧さでした。遼くんが持ち込んでいたのは、GCクワッドという弾道解析測定器で、標高も勝手に感知する優れもの。ドライバーからウェッジまで普段の飛距離と標高の高い富士桜CCとの差を、キャディと徹底的に確認していました。コースでは、練習で確認したことを淡々とやっている感じ。もともとショートアイアンの距離感は秀逸ですが、裏には入念な準備があることを思い知らされました。実は遼くんの了解を得て、キャディからデータをもらったのですが、これが試合でのラウンドレポートに大いに役立ったこともつけ加えておきましょう。 続きを読む 髪型もよく変える遼くんですが(笑)、同じようにスウィングも、傍目から見てもわかる改造に何度も取り組んできました。あれほど大きな改造をする選手は少ないし、周囲からいろいろな声があったのも事実。実際、今取り組んでいるコンパクトスウィングは、ボクも正直心配したことはあります。ただ今回、久々に遼くんを観察すると、新しいスウィングがようやく自分のものになってきた感じがしました。ドライバーは飛んでいるし、前のように大きく曲げることも減った。力感もバランスもよく、安定感が増したようです。精神的にもさらにひと皮むけたと感じます。以前、インタビューしたとき、遼くんが「すごい」と挙げた選手が、ビリー・ホーシェルとピーター・マルナティ。世界ランク18位、今年WGCデルマッチプレーでPGA6勝目を飾ったホーシェルですが、遼くんが挙げた理由は成績ではなくそのプレーぶり。選手は前の組を後ろから見ていると、だいたいバーディパットなのかパーパットなのか、2打目なのかトラブルがあった後の3打目なのか雰囲気でわかりますが、ホーシェルはそれがまったくわからなかったのがすごいと言っていました。マルナティに至っては、15年にツアー1勝しただけの選手。でも「いつもハッピーなオーラを出していて、テンションがまったく変わらないのがすごい」と言う。そうした選手たちに確実に近づいているのでしょう。かつては遼くんの周囲には、近づきがたいピリピリした雰囲気があったのも事実です。しかし最近では大人としての余裕が生まれてきたというのか……そういう部分がボクがひと皮剥けたと感じる正体かもしれません。それにしても周囲の声に惑わされず、あれだけ急激なスウィング改造に取り組めるのは、すごいという以外ない。成長し続ける強いメンタリティこそが、スーパースターである石川遼の石川遼たる由縁なのでしょう。10月19日から、カリフォルニアで開かれる米下部ツアー、コーンフェリーツアーの出場権を懸けたQスクール2次予選に挑戦。進化したスウィングとメンタルで再びアメリカの舞台で躍動する姿を見たいですね。 超コンパクトなトップとゆるやかな軌道のダウンスウィング 「今のスウィングサイズで打つことを最初にしたときは、30Yのアプローチをするくらいの感覚だったはず。それをこの短時間で結果をある程度出しながらここまで持ってくることは想像以上に難しいことです」 佐藤信人 さとう・のぶひと。1970年生まれ、千葉出身。ツアー9勝。海外経験も豊富。現在はテレビなどで解説者としても活躍中 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より こちらもチェック! 「さとうの目」バックナンバー
  • 本日10月5日より、Myゴルフダイジェスト有料会員に登録すると、タイトリストの「プロV1」ボールがもらえる新キャンペーンがスタート。「プロV1」は世界のトッププロが愛用するNo.1ゴルフボール。ショートゲームでは高いスピン性能を誇りながら、ロングショットでは適度にスピンを抑え、飛距離性能とコントロール性能を高次元で両立。確実にスコアメイクに貢献する高機能ボールだ。 今回は、「Myゴルフダイジェスト」オリジナルロゴ入りの最新「プロV1」ボールを、新規有料登録者・先着100名様に1スリーブ(3個)プレゼント。この機会にぜひ登録しよう! >>詳細&お申し込みはこちらから<<
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマはPGAツアーのプレーオフシステムについて。PGAツアーのプレーオフシリーズが終わり、2020-21シーズンは終了。おなじみ、最終盤の「ポイントドン、ボーナスドーーン」は、盛り上がる? それとも不公平? プレーオフシリーズの仕組み 2020-21シーズンのプレーオフシリーズは全3戦。125人が参加し、総額65億8000万円を争った。通常の3倍のポイントが加算される最初の2試合で70人から30人に絞られ、最終戦のツアー選手権でポイントランク1位が10アンダー、2位が8アンダー、3位が7アンダー……という“ハンディ”をもらってスタートする。このシリーズの優勝者が「年間王者」となり、16億円のビッグボーナスを得る。 ●07年に始まったプレーオフシリーズは、端的に言えば、タイガー・ウッズを米ツアー最終戦まで出場させるための策でした。それまでは「フォールシリーズ」といって次の年のシード選手を決定する試合をやっていましたが、これにはタイガーをはじめ有力選手は出場しません。これではテレビ中継側は困る。そこで最後の3戦(18-19シーズンまでは4戦)を“1つのツアー”として、ビッグマネー(賞金総額6000万ドル)で盛り上げたんです。米テレビ界は、これでゴルフファンを最後の最後まで引きつけ、さらにその後、野球のワールドシリーズ、バスケット、アメフトになだれ込んでいくという寸法です。それで、元々のフォールシリーズはアジアシリーズへとシフトしていったわけです。しかしながら、日本の男子ツアーでのプレーオフシリーズは絶対無理でしょう。レギュラーツアーでもスポンサーがつかず四苦八苦しているぐらいですから。1970年代~バブル期頃まで、日本ツアーも米国に肩を並べかけたことがあったのですが、そのときに先を見据えて手を打っていなかった差ですかね。米ツアー中興の祖、コミッショナーのディーン・ビーマンはPGAとして自前のゴルフコースを所有しました。それが日米ゴルフの差を広げた分水嶺になったと思います。(タケ小山/テレビ解説者)●観るプロスポーツにおいて、大逆転のドラマは面白いですよね。その点でいえばプレーオフシリーズはファンの気持ちをワクワクさせるといっていいでしょう。テレビの視聴率も上げられるでしょうし。ただオールドファンとしては、ツアーに“季節感”がないのが不満です。なんだか、いつまでもダラダラやっている感があります。ツアー終了のお尻を決めて、しばらくオフがあって、新たに幕開け、という形だと開幕を心待ちにするという高揚感が出ますがね。かつては新年のハワイアンオープンが待ち遠しかった記憶があります。日本ツアーでは日本シリーズが掉尾を飾りますが、本来のレギュラーツアーが盛り上がらないことには、掉尾もへったくれもありません。男子ツアーはテレビつけると、ああやってるんだ……とそんな気持ちですね。興味がある選手がいないと、すぐチャンネルを切り替えますしね。女子ツアーはその点、ヒロインは週替わりだし、面白い。日本の女子ツアーでプレーオフシリーズをやったら、さらに盛り上がるのではないでしょうか。(川上貴光/ノンフィクションライター)●優勝ボーナスに16億円出すより、若手の選手の試合を1つでも作ってあげたらいいのにといつも思います。食えないプロゴルファーだらけでしょうに。アメリカンドリームといえばそれまでですが、すごい格差。(40代男性・東京都)●プレーオフシリーズでシーズン終盤は盛り上がるが、逆に序盤の試合に興味が薄れた。しかし、そうこうするうちにメジャーリーグのポストシーズンが始まって夢中になるから、私はアメリカのテレビ局の思うつぼ。(40代男性・埼玉県) 直近の年間王者は、20-21シーズン=パトリック・カントレー(写真:Golffile/アフロ)、19-20シーズン=ダスティン・ジョンソン、18-19シーズン=ローリー・マキロイ ●ゴルフツアーは単なるアスリートスポーツではなくて、やはり興行の側面が大きいから、いかにファンに楽しんでもらうかということは大事です。そのための工夫としてプレーオフシリーズというものもあってもいいんじゃないかと思います。日本のプロ野球のクライマックスシリーズも興行としての工夫だと思います。レギュラーシーズンでは、新人が活躍してもいいですけど、新人はまだ知名度が低いので、なかなか一般のファンに認知されません。事実1勝で消えてしまう選手もいます。それでは興行的に意味がないんですよね。そういう新人が、優勝を重ねて認知度を高めて有名選手へと成長して、ファンを集められれば興行として成功といえるわけです。レギュラーシーズンの終了時点で上位に入って、ファンに認知されている選手がプレーオフシリーズに進出できるわけですから、ファンからすれば見たい選手が揃っています。興行的には、お客に興味を持ってもらわなければならないのですから、僕としては不公平だとは思いませんね。(水巻善典/プロゴルファー)●日本のプロ野球でもクライマックスシリーズがあります。2007年から始まった比較的新しいシステムで、僕は当初“反対派”でした。長いシーズンを戦ってきて、最後の数試合でひっくり返されるのはやりきれないという選手目線でした。それが10年以上たって、今はすっかり定着してきた感がある。すると、これはこれで面白いなと思うようになりました。シーズン終盤のいわゆる消化試合も減り、ファンにとってはドキドキワクワクが持続しますからね。現状、シーズンを1位で終えたチームにはクライマックスシリーズで1勝のアドバンテージが与えられていますが、これもなくていいんじゃないかと思うようになりました。ホームで試合できるというアドバンテージもあるわけですから。上位3チームが同じラインからヨーイドン。これは盛り上がりますよ。PGAツアーのプレーオフでも、最終戦では1位の選手は10アンダーでスタートするなど大きなアドバンテージが与えられているでしょう。あれもなくてもいいと思うんです。あと、プレーオフに出る選手たちはすでに十分稼いでいるので、ボーナス16億円は多すぎるんじゃないかなあ(笑)。(飯田哲也/元プロ野球選手) 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 【現在募集中のテーマはこちら】 ●ゴルフのドレスコード、たとえばウェアにパーカーはあり? なし? ●距離計測器の使用OK。プレーファストは守られている?●石川遼の米下部ツアーへの挑戦、どう思う? 投稿フォームはこちらから こちらもチェック!
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマはかつて一世を風靡したワード「鈍感力」。それが今、またゴルフ界や他のスポーツ界でも聞かれるようになった。しかし、その意味合いはちょっと変わってきているようで……。識者、一般ゴルファーに、ゴルフにおける「鈍感力」について聞いてみた。 ●“鈍感”というとマイナスなイメージもあるかもしれませんが、意味が広く、ポジティブな面もあると思います。それがトップアスリートの場合ならなおさら。周囲の反応にビクビクせず、マイペースを貫けるのもそのひとつ。背景には環境の変化があると思います。僕たちが学生のころは先生や監督、先輩は絶対的な存在。いつも怒られないように気にしていましたし、監督の様子をチラチラ見るのがお決まりでした。でも、今は上下関係のあり方も変わり、のびのび自分のやりたいことに集中できる。集中して、かつ切り替えがうまいから結果的にパフォーマンスが上がる。それがピタリと当てはまるのが大谷翔平選手かもしれませんね。しかし、そういった環境は諸刃の剣でもあります。自分で自分をコントロールして貫ける子はいいけれど、サボろうとすればいくらでもサボれますから。とくにゴルフのような個人競技では差が出やすいように思います。野球のような団体競技だと、鈍感ではなかなか難しい。とくにキャッチャーなんかはそう。逆にピッチャー、特に左のワンポイントリリーフとして出るようなタイプだと鈍感力が生きるケースもありますね。周囲の雰囲気に流されませんから。(小林雅英/元メジャーリーガー)●トップアスリートの鈍感力はけっこうですが、同僚や上司の鈍感力は迷惑の領域に入ります。みんなが納期を守ろうと必死なときにサラッと定時で帰るのは鈍感力なの?(30代女性/東京都)●僕らの時代は、子どもの数も多く周囲と協調して生きるように教育されました。これはアメリカも同じです。しかし、今、ゴルフだけでなくスポーツで活躍している若者の親は50代前後。その世代の親は「周りはいいから自分のことをやるように」と子どもを教育しました。すると子どもは“自分が中心”で生きていけます。大谷翔平がいい例です。自分がやりたいことを100%できる。自分を中心にモノを考えられれば、自分のできることを100%出せます。相手がどんなに強くても、まるでテレビゲームをやっているようにプレーできます。実は僕も当時としては珍しく、そういう考え方をゴルフではしようと思っていました。関東オープン(89年)で青木(功)さんに勝ったときはそうでしたね。でもゴルフ以外ではそうはいきませんでした。親父は怖かったですからね。やっぱり昭和でしたよ。(水巻善典/プロゴルファー)●ゴルフでは平常心を保ち、一喜一憂しないことが重要です。スーパーショットでもOBでも「こんなものか」と思えること。失敗したときには、先のことは考えず、なぜ失敗したかを考えて、次はこうしようと考えていると前向きになります。常にスタートと思ってやっていると余計なことに惑わされずにすむ。これが“科学的な鈍感力”です。(小林弘幸/順天堂大学医学部教授)●プレーの結果は自身の思考回路に大きく影響を受けます。常に安全性を優先するのか攻撃的にチャージするのかなどの判断の際、これまでの結果に一喜一憂する傾向にある人と、あまり神経をとがらせることなく気持ちを平らにマイペースに臨む人がいます。マスターズ優勝の松山英樹プロは後者のお手本。今年のPGAツアーのプレーオフ最終戦でも「ピンしか見ないゴルフを目指した」とのコメントがありました。脳の思考回路を一定に保ち、マイナス思考の入る余地もない。もはや“鈍感力”などは超え、マイナスを次のプラス思考で補う“成熟したゴルファー脳”の持ち主と言えるのでは。(大井静雄/東京慈恵会医科大学脳神経外科前教授)●稲見萌寧の集中しているときの感じ。ほかのことは一切目にも耳にも入らないという雰囲気で、あれも一種の鈍感力? 私は、遠くで聞こえるカラスの鳴き声さえ「私をバカにしている」などと思う。敏感というか集中力のないタイプです。(40代男性・神奈川県) 小祝23歳、稲見22歳、モリカワ24歳。それぞれタイプの違う鈍感力の持ち主のようだ。日本でいう「ゆとり世代」の先の「さとり世代」だが、ひとくくりにできない個性あり ●競技に向き合うときの考え方が昔と今とでは違ってきていますね。大西魁斗も、彼のライバルだったコリン・モリカワも大学は違いますけど、難しい経営学部を卒業していてゴルフ以外のチョイスがある。だからゴルフをしていても“切迫感”のようなものがありません。モリカワなんかメジャーで優勝争いしているのに、ニコニコしていられるのも“余裕”があるからだと思います。僕らの時代はゴルフだけをやっていると「ゴルフで成功しなければならない」という切迫感みたいなものがあった。しかし、今の若い選手は「ゴルフだけが人生じゃない」と考えているようです。僕らの時代は、いかに空気を読めるかが大事でしたが、今は空気なんか読まなくてもよくて、もっと“個” が大事。自分の人生は自分が決める……自分のスタイルを持っています。昔は、試合に出るとビビッてしまって、そのビビリに慣れてきたころから、ようやく自分本来の試合運びができて、成績が出せるようになったものです。しかし、今はビビリなんてなくて、いきなり成績が出せます。モリカワは体も大きくないし、飛距離も出ないし、パターもあまりうまくない。昔なら世界では通用しないと考えられたかもしれませんが、まったく臆することなく、メジャーで戦える。“新鈍感力”とでも言うのかな、時代は変わってきていると思います。(内藤雄士/プロコーチ) 週刊ゴルフダイジェスト2021年9月28日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 【現在募集中のテーマはこちら】 ●ゴルフのドレスコード、たとえばウェアにパーカーはあり? なし? (締め切り未定)●距離計測器の使用OK。プレーファストは守られている?(締め切り未定) 投稿フォームはこちらから こちらもチェック!
  • 【プロスペック】変えたのはスウィングだけじゃない! 47.5インチに7W、キャビティアイアン。石川遼の14本
    プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、ツアー通算17勝、2年ぶりの優勝を狙う石川遼のセッティングに注目。 石川遼 いしかわりょう。1991年生まれ、埼玉県出身。15歳でレギュラーツアーを優勝し、最年少優勝記録を持つ。国内ツアー通算17勝。昨年からスウィング改造に取り組んでいる 目下スウィング改造の真っ只中の石川遼。本人いわくゴールはまだ先とのことだが、それでも徐々に成績も出始めて良い方向に向かっていることは間違いない。石川のドライバーを見るとヘッド後方のウェートがすべて取り除かれているが、これに関してクラブ担当の島田氏に話を聞いた。「シャフトを47.5インチにしているので、ヘッドに重さがあるとどうしてもバランスが出すぎてしまいます。それで重量調整のために鉛を外しています」単純に、長尺にすれば飛距離アップが見込めるが、どうしてもバランスが重くなり、他のクラブとの整合性が取れなくなる。ヘッドの軽量化は単にドライバー単体でみた振りやすさだけでなく、セッティング全体の流れも考慮してのものだ。アイアンに関しても石川は新しいアプローチを試みている。「シャウフェレやラームが使っているのと同じキャビティタイプのモデルを使い始めました。ずっと気になっていたアイアンで、セガサミーの練習日に試して即投入しました」2018年の年末からマッスルバックを使用していた石川だが、30歳を目前にキャビティバックに回帰。クラブもスウィングも新たに、次なるステージへと歩みを進めていく。 47.5インチと長尺化したぶん、ヘッドのウェートを外すことで振り切りやすくしている PGAツアーでの経験や夏の深いラフへの対応を考え、高さでグリーンに止めるために7番ウッドを投入。5番ウッドは以前使っていた2番アイアンと同じキャリーが出るように調整されている ここ数年マッスルバックを使用してきた石川だが、キャビティタイプの「APEX TCB」にチェンジ。もともと曲げることが得意な石川が、曲がりにくいタイプを選択したことの意味は大きい ロフトは48、52、56、59度の4本。最もこだわりが詰まっているのは59度で、通常よりも溝と溝の間隔が狭くなっている 石川遼の14本 週刊ゴルフダイジェスト2021年9月21日号より 「プロスペック」バックナンバー こちらもチェック! https://my-golfdigest.jp/tournament/p27090/ https://my-golfdigest.jp/tournament/p35876/
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは女子プロのウェアについて。スポーツ界でも、さまざまな点で多様性が叫ばれるようになったが、それを地で行くのが女子プロたちのウェア。識者、一般ゴルファーはどう思う? ●ゴルフを始める方は「スポーツにドレスコードがあるの?」と驚かれるかもしれませんが、イギリス発祥と言われると腑に落ちるかもしれませんね。特にテニスのウィンブルドンなんて白のみという厳しい縛りがあるのは有名です。汗染みが目立ちにくいからという理由だそうですが、いかにも貴族社会のイギリスらしい。でも、それによってウィンブルドンは高い“格”をキープしています。ゴルフクラブにドレスコードがあるのも同様の理由だと思います。ただし、プロツアーになると話は変わってきます。たとえば、結婚式に出席する場合のドレスコードを考えてみてください。格式の高いホテルでの式に呼ばれれば、相応のおしゃれをするのがマナー。でも、決して花嫁より目立ってはいけません。それが、女子ツアーの会場では選手全員が花嫁なんです(笑)。ギャラリーや視聴者に自らをアピールしなければなりませんし、ゴルフ人口を増やすというミッションもある。プロは“憧れられる存在”でいなければならないからです。現在の百花繚乱のウェア事情にはそういった背景もあると思います。(大谷奈千代/プロゴルファー) ●ドレスコードが厳しいのは断然男性のほう。プロツアーで短パンがダメだなんて、この酷暑の日本でどうかしている。プロでなくても短パンの場合にロングソックスを合わせるなんて、そもそも足が短い私には似合わなくて、笑っちゃうくらい不格好です。勘弁して。(60代男性・愛知県) ●僕の時代、ウェアで目立っていたのは中島恵利華でしたね。写真週刊誌が、今じゃあ死語でしょうが“パンチラ”を狙ってシャッターを切り、取材が一部規制されたこともありましたね。当の恵利華は「アンダースコートをはいているのにバッカみたい」と笑っていたそうですが。中島千尋が初めてノースリーブを着たときには少し問題になりましたし、へそ出しルックも話題になりました。キンクミこと金田久美子はへそにピアスしたりして……。変遷でいえば、ミニスカート、パンタロン、キュロット、ホットパンツといろいろ出ましたが、有力選手が身につけると右へならえという現象が多かったように思います。問題にされるのは開催コースでの「倶楽部ドレスコード」からアピールされるケースが大半だったのではないですかね。五輪が行われた霞ヶ関CCもドレスコードは厳しいと思いますが、今回は各国の“制服”だったので問題にはなりませんでした。選手が所属するアパレルメーカーのマーケティングに左右される面も否めません。男子のタイガー・ウッズのモックネック、あれは襟ですか? ナイキは旧弊を打破し、スポーツの新たな面を表出させようとマーケティングしているのでミッシェル・ウィのように“過激”になるんですね。(タケ小山/テレビ解説者) ●女子プロゴルフを長く取材してきましたが、印象に残っているのは中島恵利華ですね。それまでなかった“ひらひら”としたウェアでミニスカートが斬新でしたね。(小川淳子/ゴルフライター) 70~80年代の女子プロのウェア。“多様性”は今以上!? 【1979年】懐かしのローラ・ボー(右は冬仕様) 【1977年】樋口久子もミニスカート(左)/【1982年】涂阿玉はパンタロン派(中)/【1989年】中島恵利華は今なら普通!?(右) ●一時のミッシェル・ウィの“攻めたウェア”は、記憶に残っています。あれで、USLPGAがミニスカートの丈など、一部、規制に乗り出したんですよね。校則じゃないんだからー、と思いました。ミッシェル・ウィみたいなアスリートは全然いやらしさは感じなかったけれど、もちろん私は真似しません。心得ております(笑)。(40打女性・神奈川県) ●女子プロのウェアといえば、よく取り上げられるのがスカート丈ですね。1940年代のベーブ・ザハリアスのころはまだロングスカートでした。それが50~60年代、ミッキー・ライトになるとバミューダショーツ(ひざ丈)が主流になり、ナンシー・ロペス、ベッツィ・キング、パティ・シーハン、ベス・ダニエル、岡本綾子らもそうでした。80年代になると、ホットパンツのパク・セリが登場。瞬く間にホットパンツの時代となり、それが今も続いているのではないでしょうか。(川田太三/USGAルールコミッティ) ●プロゴルファーのウェアはクラブなどのギアと同様、商売道具のひとつです。レーシングカーみたいなものですよね。公道でレーシングカーを走らせるのがありえないように、一般のアマチュアがプロのウェアをそのまま真似してしまうのは危険です(笑)。もっとディテールに注目してみてください。たとえば、ウェアの配色や靴と靴下の組み合わせなど。ゴルフだからゴルフウェアメーカーが出しているウェアを買わなければならないかといえば、そうではありません。普段着を組み合わせていいんですよ。そういう意味では、多様性があると言えるでしょうね。それで、コーディネートするときにプロの配色を思い出して一部を真似てみるとか。プロは契約もあるし、目立ってなんぼだけれど、アマチュアはコースのドレスコードもあるし、そのなかでどれだけ工夫できるか。ゴルフウェアは総じて高いので、普段着をうまく織り交ぜ、浮いたお金で靴だけは奮発してみようとか、考え方はいろいろあります。そういう目線でプロのウェアを見るのも、また楽しいと思いますよ。(ドン小西/ファッションデザイナー) 週刊ゴルフダイジェスト2021年9月14日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 【現在募集中のテーマはこちら】 ●ゴルフのドレスコード、たとえばウェアにパーカーはあり? なし? (締め切り未定)●距離計測器の使用OK。プレーファストは守られている?(締め切り未定) 投稿フォームはこちらから こちらもチェック! https://my-golfdigest.jp/tournament/p33548/ https://my-golfdigest.jp/tournament/p31501/