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ガルシアにウエストウッド…もしかしたら、先日の全米プロが最後のメジャーだったかもしれない男たち

憶測や仮定でものを語るのは良くない。だが、もしLIVゴルフ招待シリーズに参加した選手が、PGAツアーはもとより、メジャーから締め出されるとしたら、全米プロがキャリア最後のメジャーになる可能性があるトッププロがいる。

たとえばL・ウエストウッド。間もなく開幕する「LIV招待」に参戦すれば、PGAツアーはメンバー資格剥奪も辞さないなどとしているが、ウエストウッドは新リーグ移籍の可能性を示唆しており、全米プロが最後のメジャーになる可能性がある。

彼は26年のキャリアで90回メジャーに出場、何度も優勝争いを演じ、ベスト3入りが9回。しかし優勝はなく、“メジャー無冠最強”と呼ばれている。だが本人は「長い間第一線でプレーしてきた証拠」と、未勝利に後悔はないという。

かつて欧州ツアーで8回賞金王に輝いたC・モンゴメリーもメジャーに縁がなかったが、P・ミケルソンが昨年全米プロを50歳で制したのだから、49歳のウエストウッドにもメジャーVのチャンスはゼロではないが、今後は出場すら叶わないかも……。

S・ガルシアも全米プロが最後のメジャー組のひとりか。99年の同大会でタイガーと優勝争いし、2位に入って旋風を巻き起こした“神の子”は、17年のマスターズでメジャー74試合目にして、ついに栄冠に輝いた。だがその勇姿も今後はメジャーで見られない?

「(LIV招待は)大きな魅力があり、たくさんのプラスをもたらす」と語るI・ポールターも、移籍すればメジャー出場記録は「68」で途切れることに。ちなみに3人は、ともに最後だったかもしれないメジャー=全米プロで予選落ちに終わっている。

ここ数カ月、公の場に登場していないP・ミケルソンは連覇がかかった全米プロも欠場。このままメジャーから姿を消す可能性だってある。

もちろん今後ツアー側が他リーグ出場を認める可能性もあり、すべては流動的。しかしゴルフ界が揺れていることだけは確かなようだ。

こんなシーンはもう見られない?(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月14日号より

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  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは6月9日に始動する「LIVゴルフ招待シリーズ」について。グレッグ・ノーマン率いる新リーグには、リー・ウエストウッドやフィル・ミケルソンらが参加表明し話題になっているが、PGAツアーは同リーグに出場する選手に何らかの処分を下すとしており、波乱必至。識者やファンに新リーグの是非について聞いた。 ●プロが高い賞金を求めて試合に出るのは当然だと思います。その意味ではノーマンのLIVゴルフにPGAツアーの選手が出場したいと思うのは自然でしょうね。ところが、PGAツアーはそれに出るなら資格剥奪との姿勢。それって自由の国、米国の競争精神を毀損していませんか? 米大リーグの“賃金闘争”を見ても、選手と球団側は対等の立場だから争えるので、今回のPGAツアーのやり方はそうは見えず、選手の選択権を奪っているように思います。旗振り役のノーマンや、出場が噂されている選手らがカネの亡者だとか非難されていますが、これは僕はおかしいと思います。プロなら当たり前だろうって感じ。ノーマンはさまざまなビジネスを手がけ、もともと“お金好き”だろうし、自由市場ではそれが成功者。非難しているのはPGAツアー贔屓の人でしょうね。ツアー側は恐れているんでしょう。これまでも中東オイルマネーの単発の試合にPGAツアーの選手も出場していましたが、やはりシリーズとなると自分たちの利益が失われる危機だと思うんでしょうね。(タケ小山/解説者)●ちょっと前にガルシアが裁定についてPGAツアーと揉めていたニュースを見たが、絶対に謝らないPGAツアー、なんか傲慢だなあと思った。そんな姿勢では反発する人が出るのも仕方ないのでは。(50代男性・東京都)●1977年、ノーマンが初来日して「くずは国際」に勝った次の試合からキャディを務めました。そのとき印象に残っているのは「ゴルフはHC1の母親から手ほどきを受け、15歳から始め1年でシングルになった」ということ。ゴルフでも研究熱心で、その頃からマルチな才能を持っているという感じを受けました。後にクラブメーカー、ワインセラーを経営し、ゴルフ場設計などビジネスでも成功を収め巨万の富を得ています。ユダヤ系で金融関係の知識も豊富で、現在話題になっているサウジアラビア資本と関わり合いになったのも、その興味からだろうと思っています。ただ、そのゴルフツアーもやたらビッグマネーのことばかりメディアでは取り上げ、「ノーマンはカネで世界を牛耳ろうとしている」と評判が悪いですが、僕はそうは思っていません。お金ならすでにたくさん持っているし、ツアーも彼の“アジア愛”から来ていると思うからです。ノーマンは白人ながら、豪州は“アジアのくくり”と思っています。米国対国際選抜のプレジデンツカップを推奨したのもノーマンです。1998年、その大会がロイヤルメルボルンGCで開催されたときのこと。タイガー・ウッズの父親アールも来ていて、ノーマンと「近いうちにアジアの時代が来る」と話していたのを覚えています。アールの妻、つまりウッズの母親はタイ人。それからタイはゴルフ場が見る間に増え、いまや400コース、アジアのゴルフキャピタル的存在です。ともかくノーマンはアジアを中心にしたツアーを展開しようとしているんだと思います。日本ツアーもこれに乗り遅れることなく、コミットしていくほうが日本のためになるのではないでしょうか。ノーマンは友情厚い男でもあります。倉本昌弘が心臓の手術をした折、手書きの激励の手紙を僕に託しました。倉本と僕とノーマンは同い年。それをいつまでも忘れないナイスガイなんです。(ハル常住/マルチプロデューサー) 果たしてノーマンの構想は結実するのか ●私はサッカーファンで、一番好きなのは英国のプレミアリーグ。でも、日本のJリーグでは地元チームのサポーターで、試合観戦にも行きます。2つのリーグは全然別物だけど、両方いいんですよ。ファンにとっては選択肢が増えるのはウェルカムです。(40代男性・神奈川県)●タイガーもマキロイも出ない新リーグ。ならば、思い切った選手の人選があってもいいのでは。ほかのスポーツの選手でゴルフの名手、マイケル・ジョーダンとか、水泳のマイケル・フェルプスとか。リー・ウエストウッドの相手にはならないだろうけど……。(50代男性・千葉県)●グレッグ・ノーマンにはずっと一種の違和感を持ち続けています。米ツアーで何度も顔を合わせ、日本でも倉本昌弘とテレビマッチの司会をやったりしましたが、いつも打ち解けないというか、妙によそよそしいんです。ツアーで顔を合わせると、ほかの選手なら「やぁ」とか「ハーイ」とか声をかけ合うのですが、ノーマンはない。ほかの選手に聞いてもそんなふうなことを言います。仲間意識や連帯というような雰囲気がないというのです。独りよがりというか……。全米オープン中継がNBCからフォックスに移ったとき、解説にノーマンが起用されましたが、1年間でクビになりました。普通、そんなことは考えられないんですがね。今度の新リーグのLIVゴルフ、来月の第1戦のことを記者発表していましたが、その言葉の内容も攻撃的で自己弁護的、信がないというか、つまり“カラ自信”じゃないかと思って首をかしげています。むしろ、この件はノーマン以外の者がやったほうがスムーズにいったのではとさえ思っている次第です……。(川田太三/USGAレフェリー、テレビ解説者)●ツアー現場で確認したところ、日本の男子ツアーの選手数名にも招待状は届いているようです。「参加する」という話は聞こえてきませんが、「出場するだけでも高額な賞金が入るので、気になっています」という声も。JGTOに確認したところ、LIVゴルフに参加しても、日本のツアー競技に出場できないということはないそうです。(小誌ツアー担当) 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 投稿フォームはこちらから こちらもチェック!
  • 2021-22シーズンのPGAツアーはレギュラーシーズン45試合、プレーオフ3試合の計48試合。初めてフロリダにPGAツアーのオフィスができた1979年は44試合と、あまり変わっていないように見えるが、実は当時とは比べものにならないほど規模が拡大している。 PHOTO/KJR フロリダにオフィスを構えて43年 もともとはPGAオブアメリカの一部門として作られたが、1968年に独立して正式に「PGAツアー」という組織が設立された。ワシントンDCにオフィスを構えていた設立当初、スタッフ数はわずか12名でのスタートだった。その後、ジャック・ニクラスの活躍やテレビ放映の影響もあり、ツアー人気が高まっていくと、80年にはスタッフ数100名にまで増え、1979年に本部をフロリダ州ポンテベドラビーチへと移転した。PGAツアーはトーナメント運営だけではなく、ゴルフ場運営やeスポーツ、映像制作会社なども手掛け、ゴルフでの影響力とツアーのブランド力を拡大していく。そしてタイガー・ウッズの活躍により、莫大な放映権料やスポンサー料が入るようになると、1980年の年間賞金総額約1270万ドルから、昨シーズンは約4億8100万ドル(現在のレートで約622億円)にまで上昇。名実ともに世界最高峰のゴルフツアーとして、世界中のプロゴルファーが参戦を目指している。最近では欧州ツアーと提携したり、東京や北京にオフィスを構えるなど、世界進出にも積極的で、まだまだ成長し続けるPGAツアー。いったいどこまで大きくなるのか⁉ トーナメントの運営 【PGAツアー】世界からトッププレーヤーが集い、今シーズンはアメリカ以外からも29カ国90名の選手が在籍。日本など米国外で開催される試合も複数ある。 PGAツアーはココが凄い!●21-22年シーズン賞金総額……4億8105万ドル(約622億2000万円)●充実した年金制度……10年シード維持で数十億円!?●15試合出場でボーナス発生……一律5万ドル(約650万円)●地域貢献やチャリティに積極的……累計33.7億ドル(約4400億円)以上●ShotLinkで全ショット計測●561項目ものスタッツを掲載 【PGAツアーチャンピオンズ】(シニアツアー)1980年から開催され、50歳以上の選手が対象。今季は28試合開催。ベルンハルト・ランガーが史上最多11度の賞金王に輝いている 【コーンフェリーツアー】(下部ツアー)1990年に始まった下部ツアー。Qスクールに合格後、まず参加することになるのがこのツアー。19年から現在の名称に。年間ランク上位25名は自動的にPGAツアーに昇格。75位までは入れ替え戦に進むことができる。 【PGAツアーラテンアメリカ】2012年から開催。22年シーズンは12戦で賞金総額210万ドル。マスターズに出場したハリー・ヒッグスも在籍した。 【PGAツアーカナダ】前身となるカナダツアーを2012年にPGAツアーが買収。コロナ禍の影響で20年シーズンは中止された。 【PGAツアーチャイナ】2014年から開催。シーズン上位5名がコーンフェリーツアーへ。18年小斉平優和が4位となって、翌年コーンフェリーツアーに挑戦した。 【プレジデンツカップ】(世界対米国の対抗戦)ライダーカップが行われない年に開催される、米国選抜と世界選抜の対抗戦。1994年初開催。2015年に韓国で開催されるなど、世界規模のゴルフイベントとして年々注目が高まっている トーナメントコースの運営 TPCソーグラスをはじめ世界に30コースを展開「TPC」はトーナメント・プレーヤーズ・クラブの略で、1980年開場のTPCソーグラスから始まり、現在世界に14のパブリックコースと16のプライベートコースがある。ここのプレーフィーなどもPGAツアーの収入源。日本にもかつてTPCの名を冠したコースがあった。 トーナメント放映 ディスカバリー社と12年20億ドルで契約公式メディア「GOLFTV」創設米国を除いた世界中でライブ配信を進めるため、米メディア大手のディスカバリー社と契約し、「GOLFTV」が誕生。日本では19年に始まり、順次展開中で2024年にはフランスでも配信予定。世界中のどこでもライブ配信が視聴可能になる。またディスカバリー社は19年に米国ゴルフダイジェスト社も買収。コンテンツの充実と発信力を強化し、新しいファン層を獲得している 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より こちらもチェック!
  • グレッグ・ノーマン率いるLIVゴルフ招待シリーズ(サウジゴルフリーグ)の開幕まで2週間。PGAツアーは全面抗戦の姿勢だが、不調でも人気抜群のリッキー・ファウラーが新リーグへの興味を語り話題に。 PGAツアーの人気者はどのような結論を下す?(写真は2021年アーノルド・パーマー招待。PHOTO/KJR) 全米プロゴルフ選手権開幕前のインタビューで、ファウラーは他の35歳未満の選手たちとは違い、PGAツアーへの忠誠を誓わず、新リーグに参戦する可能性を示唆した。「出る、出ないを決めたわけではありません。ただビジネスでもスポーツでも競争があるのは良いこと。自分も人と競い合うことに生き甲斐を感じてここまで来ました。PGAツアーと競合するリーグができることは、ゴルフ界が活性化するチャンス。とても面白い時期だと思っています」ファウラーのプロポーズに立ち会った親友J・トーマスは、断固として新リーグを認めないスタンス。「サウジ(リーグ)へ行きたい人はどうぞ行って。ゴー、ゴー」と、つい先日も厳しい口調で語っていた。しかし、ファウラーは競争によって「新しいチャンスが生まれる」というのだ。「どちらにも忠誠は誓っていない。PGAツアーが他リーグへの参戦を認めないことはわかっています。初戦のロンドンは国外なので、猶予はあるかもしれないけれど、2戦目からはアメリカ開催なので、もっと締めつけが厳しくなるでしょう。しかるべきときに結論を出します」(ファウラー)ここ3シーズン不調のファウラーは、現在世界ランク129位でポイントランク111位。果たしてどんな結論を出すのか。 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より こちらもチェック!
  • 審判の裁定は絶対とはいえ、これはちょっと違うような……。先の「ウェルズファーゴ選手権」初日、10番ホールでセルヒオ・ガルシアが起こした事件のことである。 事件とは、ガルシアが「このツアーから早くおさらばしたい。ここから出るのをもう待てない。数週間後には、もう君たちとやり合う必要がなくなるんだ」という“ぼやき”がマイクに拾われたこと。英国メディアはこれを、「LIVゴルフ招待シリーズへの参戦を検討」と報じ、一躍注目を浴びることとなった。ことの発端は、ウェルズファーゴ選手権初日の10番パー5で、PGAツアーのルール委員が誤った裁定を下し、それに怒ったガルシアが口走ったこと。ルール裁定の誤りは、ツアー側も認めている。PGAツアーが公表した裁定の説明によれば、赤杭のペナルティーエリアに打ち込んだガルシアが現場近くに来た瞬間、ルール委員が時間計測を始めたのだが、ボールはクリークを挟んで反対側にあるというTVクルーの指摘があり、実際にボールを捜し始めたのはその後。少なくともその時点で計測を中断させる必要があったが、ガルシアがボールを見つけたときには3分を超え、結果、罰打が科せられた。ガルシアが怒るのも無理はない。この説明があったにもかかわらず「ルールに従ってガルシアのスコアが変わることはない」という声明が発表されたのだ。初日こそ「67」でラウンドしたガルシアだったが、2日目以降は振るわず、結局21位タイ。裁定が覆ることがないのは致し方ないが、謝罪することなく、あくまで“エラー”ということで押し切っていることには違和感がある。にもかかわらず、「LIVゴルフ」発言の問題ばかりが取りざたされるのは、さすがにちょっとかわいそう? メジャーでガルシアの雄姿が見られるのは全米プロが最後になる?(PHOTO/Blue Sky Photos) 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より こちらもチェック!
  • サウジアラビアのオイルマネーを背景にグレッグ・ノーマン率いる新ゴルフリーグの始動が迫り、ゴルフ界は慌ただしさを増している。 ベテラン勢はPGAツアーに未練はない? リブゴルフ・インベストメントは、「LIVゴルフ招待シリーズ」と銘打った大会を今年8試合開催する。初戦は6月9日開幕。全米オープンの前週にロンドンで幕を開ける予定だ。PGAツアーのジェイ・モナハンコミッショナーは「他リーグに出場した選手は即PGAツアーのメンバーシップ剥奪」と断言しており、男子ゴルフ最高峰のメジャー出場を蹴ってまで新シリーズに参戦する選手は限られると推測され、「ノーマンの構想は暗礁に乗り上げた」と報道された。しかし、ここにきてLIVゴルフ招待シリーズに出場が見込まれる選手の具体的な名前が続々と報じられている。元世界ランク1位のL・ウエストウッドが新リーグへの出場意思を表明すると、やはり元世界ナンバー1でメジャー2勝のM・カイマーもそれに続き、R・ガリガス、R・ブランドも申請を行った。正式発表はまだだが、ケビン・ナやマスターズ2勝のB・ワトソン、さらにS・ガルシアの名前も挙がっている。ノーマンに賛同するP・ミケルソンも所属するマネジメント会社が参加意思を表明していたが、つい先日、PGAツアーはLIVゴルフ招待シリーズへの出場許可申請をすべて却下。仮にこの裁定を無視して出場した場合、PGAツアーから何らかの処分が下されることは間違いない。特にミケルソンは新リーグを巡る騒動で暴言を吐き、スポンサーが次々と撤退。その後、謝罪とともに休養の意向を示して以降は公の場に姿を現していないため、さまざまな憶測が飛び交っている。世界ランクトップ100中19人、トップ50の6人が参加すると噂される新リーグ。予選落ちなしで1試合賞金総額2500万ドル(約32億円)を出場48名が競い合うのだから、たとえPGAツアーから“出禁”を食らっても、魅力的な数字であることは確かだ。 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より こちらもチェック!