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トーナメントの運営だけじゃない!「PGAツアー」の活動内容とは?

2021-22シーズンのPGAツアーはレギュラーシーズン45試合、プレーオフ3試合の計48試合。初めてフロリダにPGAツアーのオフィスができた1979年は44試合と、あまり変わっていないように見えるが、実は当時とは比べものにならないほど規模が拡大している。

PHOTO/KJR

フロリダにオフィスを構えて43年

もともとはPGAオブアメリカの一部門として作られたが、1968年に独立して正式に「PGAツアー」という組織が設立された。ワシントンDCにオフィスを構えていた設立当初、スタッフ数はわずか12名でのスタートだった。その後、ジャック・ニクラスの活躍やテレビ放映の影響もあり、ツアー人気が高まっていくと、80年にはスタッフ数100名にまで増え、1979年に本部をフロリダ州ポンテベドラビーチへと移転した。

PGAツアーはトーナメント運営だけではなく、ゴルフ場運営やeスポーツ、映像制作会社なども手掛け、ゴルフでの影響力とツアーのブランド力を拡大していく。そしてタイガー・ウッズの活躍により、莫大な放映権料やスポンサー料が入るようになると、1980年の年間賞金総額約1270万ドルから、昨シーズンは約4億8100万ドル(現在のレートで約622億円)にまで上昇。名実ともに世界最高峰のゴルフツアーとして、世界中のプロゴルファーが参戦を目指している。最近では欧州ツアーと提携したり、東京や北京にオフィスを構えるなど、世界進出にも積極的で、まだまだ成長し続けるPGAツアー。いったいどこまで大きくなるのか⁉

トーナメントの運営

PGAツアー
世界からトッププレーヤーが集い、今シーズンはアメリカ以外からも29カ国90名の選手が在籍。日本など米国外で開催される試合も複数ある。

PGAツアーはココが凄い!
21-22年シーズン賞金総額……4億8105万ドル(約622億2000万円)
●充実した年金制度……10年シード維持で数十億円!?
●15試合出場でボーナス発生……一律5万ドル(約650万円)
地域貢献やチャリティに積極的……累計33.7億ドル(約4400億円)以上
●ShotLinkで全ショット計測
●561項目ものスタッツを掲載

【PGAツアーチャンピオンズ】(シニアツアー)
1980年から開催され、50歳以上の選手が対象。今季は28試合開催。ベルンハルト・ランガーが史上最多11度の賞金王に輝いている

【コーンフェリーツアー】(下部ツアー)
1990年に始まった下部ツアー。Qスクールに合格後、まず参加することになるのがこのツアー。19年から現在の名称に。年間ランク上位25名は自動的にPGAツアーに昇格。75位までは入れ替え戦に進むことができる。

【PGAツアーラテンアメリカ】
2012年から開催。22年シーズンは12戦で賞金総額210万ドル。マスターズに出場したハリー・ヒッグスも在籍した。

【PGAツアーカナダ】
前身となるカナダツアーを2012年にPGAツアーが買収。コロナ禍の影響で20年シーズンは中止された。

【PGAツアーチャイナ】
2014年から開催。シーズン上位5名がコーンフェリーツアーへ。18年小斉平優和が4位となって、翌年コーンフェリーツアーに挑戦した。

【プレジデンツカップ】(世界対米国の対抗戦)
ライダーカップが行われない年に開催される、米国選抜と世界選抜の対抗戦。1994年初開催。2015年に韓国で開催されるなど、世界規模のゴルフイベントとして年々注目が高まっている

トーナメントコースの運営

TPCソーグラスをはじめ世界に30コースを展開
「TPC」はトーナメント・プレーヤーズ・クラブの略で、1980年開場のTPCソーグラスから始まり、現在世界に14のパブリックコースと16のプライベートコースがある。ここのプレーフィーなどもPGAツアーの収入源。日本にもかつてTPCの名を冠したコースがあった。

  • ザ・プレーヤーズ選手権の舞台、TPCソーグラスをはじめ、先週チューリッヒクラシックが開かれたTPCルイジアナなど、PGAツアーを開催するコースには「TPC」の名が付くコースが多いが、かつては日本にも「TPC」の名を冠したコースがあった。 米国以外で初のTPCコースだった 「TPC」とは「トーナメント・プレーヤーズ・クラブ」の略称で、PGAツアーが運営しているゴルフ場。全米とプエルトリコ、マレーシアに14のパブリックコースと、16のプライベートコースがあり、トーナメント開催を前提として設計され、距離や難易度だけでなく、観戦のしやすさ、広大な駐車場なども考慮されている。最も歴史があるのがザ・プレーヤーズ選手権が開かれるTPCソーグラスのスタジアムコースで、ピート・ダイ設計で1982年に完成した。それから7年後の1989年1月。このスタジアムコースをコンセプトにPGAツアーと協力し、TPC公認コースを日本全国に開発、PGAツアーを開催できるレベルの本格的コースを造ろうと契約したのが当時の後楽園(現・東京ドーム)。その第1号として選ばれたのが栃木のTPC馬頭後楽園ゴルフコース&ホテルで、PGAツアーがコースの設計・監修にあたり、トーナメント会場としての機能を持たせて1989年5月にオープンした。 「TPC」の名を冠するコースということで当時話題に。写真は「週刊ゴルフダイジェスト」に掲載された当時の広告 日本初のTPC冠コースの誕生は、当時はかなりの話題になった。ただし、宿泊施設が併設されているとはいえ、東北道、常磐道のどちらからも1時間以上という立地。国内男子下部ツアーは開催されたが、この地でPGAツアーが開催されることはなかった。その後、同じ東京ドーム系列のTPC水戸後楽園カントリークラブ、TPC市原後楽園ゴルフコースと、3つのTPCコースが日本にできたが、2004年には、TPCの契約を解除。東京ドームは2007年にゴルフ場経営から撤退している。 2004年からはTPCの冠が外れ、2007年にはモルガン・スタンレー・グループが取得し「セントレジャーゴルフクラブ馬頭」に。2010年から現在の名称「うぐいすの森ゴルフクラブ&ホテル馬頭」になっている 週刊ゴルフダイジェスト2021年5月11・18日合併号より

トーナメント放映

ディスカバリー社と12年20億ドルで契約
公式メディア「GOLFTV」創設
米国を除いた世界中でライブ配信を進めるため、米メディア大手のディスカバリー社と契約し、「GOLFTV」が誕生。日本では19年に始まり、順次展開中で2024年にはフランスでも配信予定。世界中のどこでもライブ配信が視聴可能になる。またディスカバリー社は19年に米国ゴルフダイジェスト社も買収。コンテンツの充実と発信力を強化し、新しいファン層を獲得している

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より

こちらもチェック!

  • 昨年の2月に完成したPGAツアーの新本部ビル。ガラス張りの3階建てで近代的な白亜の建物だが、実はこのビル、TPCソーグラスに隣接し、あの17番から320メートルほどの距離にある。 PHOTO/KJR 四方を池に囲まれた白を基調とした外観。屋上にはソーラーパネルが配置され、環境にも配慮されている。全面ガラス張りで、まるで美術館のような趣だ こちらもチェック! 12名から始まり今では750名以上に 設立当初は12名だったが、現在では750名を超えるまでに成長したPGAツアー本部。旧本部時代は、9つのサテライトオフィスを造って、人員の増加に対応していた。しかし、さすがにそれでは仕事効率が悪いと、18年から新本部ビルの建設に着手し、昨年2月に完成。「PGAツアー グローバル・ホーム」と名付けられた。今回、ザ・プレーヤーズ選手権を現地で取材していたところ、小誌連載「PGAツアーHOTLINE」でお馴染み、PGAツアージャパンのディレクター、コーリー・ヨシムラさんに遭遇。「せっかくだから外見だけでも見てみたいのですが……」と相談したところ、「いいですよ。ご案内します」とありがたいお言葉。喜び勇んで新本部へ向かった。有名なTPCソーグラス・スタジアムコースの17番ティーからわずか320メートル。林の中を抜けると、まるでアイランドグリーンのように、大きな池に浮かぶ白亜の豪華な建物が現れた。1100名程度が働けるように設計されているという新本部ビル。現在のスタッフ数から見れば、いささか大きすぎる気もするが「これからもっと大きくなるので、さらに多くのスタッフが必要なんです」とコーリーさん。建物の中にはオフィスだけでなく、食堂や休憩室などの施設が充実し、快適な職場環境が整っているという。「せっかくですから中もご案内しましょう」 ●総工費約67億円 ●3階建 ●総面積約5300坪 ●21年2月完成 18年に施工され、コロナ禍の影響で開場が少し遅れたものの、昨年2月に完成した。サッカーコート約2.5倍の面積の建物には、90を超えるミーティングルームやシミュレーションゴルフなどが設置されているという タイガー・ウッズの殿堂入り式典もここで行われた 世界ゴルフ殿堂は、ここから車で約1時間のところにあるが、式典をするには手狭なため、ザ・プレーヤーズ選手権開幕前日に執り行われた殿堂入り式典は、この本部ビルで開かれた PGAツアーのヘッドクオーターに潜入! 入口のガラス張りのドアを開け、一歩中に入ると、そこには明るく開放的な空間が広がっていた。テレワークのスタッフが多く人影はまばら。遠慮なく内部を探検させてもらうことに。 この記事は会員限定です続きを読むには会員登録が必要です 開放感のあるロビーには天井から自然光が降り注ぐ。この建物内には100室以上のミーティングルームがあり、まるでショッピングモールのよう。コーリー・ヨシムラさん(左)とPGAツアー職員のカースティンさん(右) 純白の受付にはお馴染みのロゴマーク (左)受付の奥には、さりげなくPGAツアーのシンボルマークが。ここで入館パスを発行してもらう/(右)待合室には大きなディスプレーがあり、ツアーの名シーンが流れている。これを見ているだけでも飽きない 充実した職場環境 (左上)テラスミーティングなどにも使用されるが、ザ・プレーヤーズ選手権など試合中は選手がプレー後に訪れることもあるという/(左下)偉い人が使うという会議室は、他の部屋よりゆったりして椅子や机もちょっと豪華/(右)電動で机の高さが調整可能なので、誰が使っても快適 体を動かしてリフレッシュヨガ&フィットネススタジオ ここで体を動かしてから仕事を始めるスタッフも。テラス同様、選手が利用することも もちろん“社食”も完備「ツアーカフェ」 (左)カフェとなっているが肉料理やヴィーガン料理など、様々な料理が選べる。専用窯で焼いたピザも食べられ、毎日来ても飽きない/(右)コーヒー、スムージーなど飲み物だけでなく軽食も用意され、キャッシュレスで購入可能 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より
  • このたび発表されたプロアスリートの年収ランキング。トップはNBAのレブロン・ジェームズの1億2690万ドル(約164億円)で、2位がサッカーのリオネル・メッシの1億2200万ドル。ゴルフ界のトップはタイガー・ウッズで、7350万ドルの10位だった。 驚くべきは、交通事故で瀕死の重傷を負い、先のマスターズで復帰したものの、試合にはほとんど出場していなかったにもかかわらず10位にランクインしたということ。ゴルフ界ではR・マキロイが3840万ドルでタイガーに続いたが、大きく水をあけられている。ちなみにP・ミケルソンは、先日PGAツアー批判をしたことでスポンサーの大半を失い、昨年の33位から44位に後退して3710万ドル。発表されたトップ100には、もう1人、J・スピース(3130万ドル:85位)が入った。このデータは、米メディア「スポルティコ」が昨年6月から今年5月までの収入をまとめたもの。稼ぎ頭のトップ10には、バスケット選手が4名、サッカー選手が3名、テニスとボクシング、そしてゴルフが1名ずつとなっている。サッカー選手の年収は年棒が大半を占め、バスケット選手はスポンサー契約などボーナスのほうが大きいそう。テニスとゴルフはスポンサー収入がほとんどと言われている。もしかすると、バスケット選手などのエクストラ収入は、非代替性トークンと呼ばれる“NFT”の存在があるのかもしれない。NFTでは動画などに肖像権をつけ、これを売り買いすることもできる。NBAはこれにより、一時は年間7億ドルの収入を得ており、これが選手に還元されているという。PGAツアーでも今年から導入されているものの、ちょっと時機を逸した感がある。かつては、年収といえば上位にゴルファーが名を連ねたものだが、これも時代の流れなのだろうか。もっともゴルフは競技人生が長いので、生涯所得は高いという特徴はあるが。 ちなみにタイガーの生涯所得は現在2000億円超(PHOTO/Blue Sky Photos) 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より こちらもチェック!
  • 世界で最も高額な中古アイアンセットは、515万6162ドル! 1ドル128円で換算すると、日本円にしてなんと約6億6000万円だ。 もちろん、ただの中古クラブではない。タイガーが00年から01年にかけ、4大メジャーを連続制覇したときに使用していた本物のアイアンセットなのだ。構成は、タイトリストの名器「681-T」の2番からPWに、若きタイガーの小技を支えたボーケイの58度(実際は56度)と60度のウェッジ2本からなる11本。出品したゴールデン・エージ・オークションズ社によれば、同社では昨年、02年にタイガーが使用したスコッティキャメロン・ニューポートIIが、39万3000ドルで落札されている。1本のクラブでは、これが過去最高金額ということだが、実はこのとき売り出されたパターはバックアップ用で、実際に使用されたわけではない。それを考えれば、“タイガースラム”達成時に使用していた11本の値段としては、決して高くはないのかもしれない。なにしろ素性がはっきりしている。タイガーが01年のマスターズに勝った後、タイトリストが新しいアイアンを見せに行ったとき、タイガーは「すぐに試合に使いたい」と、そのとき使用していたクラブをタイガー担当だったスティーブ・マタ氏にプレゼント。それを10年にヒューストンのビジネスマン、トッド・ブロック氏へ5万7242ドルで売却していたのだ(マタ氏はその際、嘘発見器までかけて本物であることを証明したそう)。買い受けたブロック氏は、「12年間このアイアンを持っていたが、誰にも話しておらず、ほとんど誰も見ていないんだ。レンブラントの絵が誰にも見られず、どこかに眠っているようなもの」と言い、皆に見てもらいたいと売却することに。「投資のつもりで買ったわけではない」とはいえ、12年間で100倍近い値上がり? とんでもない投資対効果であることは間違いない。 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月10・17日合併号より こちらもチェック!