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開幕迫る! ノーマン率いる「LIVゴルフ」にベテラン勢がぞくぞく。PGAツアーは断固拒否姿勢も…

サウジアラビアのオイルマネーを背景にグレッグ・ノーマン率いる新ゴルフリーグの始動が迫り、ゴルフ界は慌ただしさを増している。

ベテラン勢はPGAツアーに未練はない?

リブゴルフ・インベストメントは、「LIVゴルフ招待シリーズ」と銘打った大会を今年8試合開催する。初戦は6月9日開幕。全米オープンの前週にロンドンで幕を開ける予定だ。

PGAツアーのジェイ・モナハンコミッショナーは「他リーグに出場した選手は即PGAツアーのメンバーシップ剥奪」と断言しており、男子ゴルフ最高峰のメジャー出場を蹴ってまで新シリーズに参戦する選手は限られると推測され、「ノーマンの構想は暗礁に乗り上げた」と報道された。

しかし、ここにきてLIVゴルフ招待シリーズに出場が見込まれる選手の具体的な名前が続々と報じられている。

元世界ランク1位のL・ウエストウッドが新リーグへの出場意思を表明すると、やはり元世界ナンバー1でメジャー2勝のM・カイマーもそれに続き、R・ガリガス、R・ブランドも申請を行った。正式発表はまだだが、ケビン・ナやマスターズ2勝のB・ワトソン、さらにS・ガルシアの名前も挙がっている。

ノーマンに賛同するP・ミケルソンも所属するマネジメント会社が参加意思を表明していたが、つい先日、PGAツアーはLIVゴルフ招待シリーズへの出場許可申請をすべて却下。仮にこの裁定を無視して出場した場合、PGAツアーから何らかの処分が下されることは間違いない。

特にミケルソンは新リーグを巡る騒動で暴言を吐き、スポンサーが次々と撤退。その後、謝罪とともに休養の意向を示して以降は公の場に姿を現していないため、さまざまな憶測が飛び交っている。

世界ランクトップ100中19人、トップ50の6人が参加すると噂される新リーグ。予選落ちなしで1試合賞金総額2500万ドル(約32億円)を出場48名が競い合うのだから、たとえPGAツアーから“出禁”を食らっても、魅力的な数字であることは確かだ。

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より

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  • 全英オープン2勝のグレッグ・ノーマンが今年150回目を迎える同大会に出場する意欲を示したが……。 サウジ新リーグが6月に始動することもあり、何かとメディアに登場する機会が多いノーマン。今回は地元オーストラリアのニュースコープ誌に、13年遠ざかっていた競技への復帰について語り話題に。彼がターゲットにしているのは、7月に聖地セントアンドリュースで行われる全英オープンだ。「出られると思っている。150回大会だし、歴代チャンピオンだしね。セントアンドリュースを愛してやまない。もしこれが最後(の競技)ならそこでティーオフしたい。今エントリーフォームに記入しているところだけれど、出場できる可能性は高い」と語った67歳。だが、R&Aが定める規定では、過去に優勝経験があっても出場できるのは60歳まで。しかし15年には全英5勝のT・ワトソンが65歳で例外的に特別招待されており、ノーマンは自分にも特例が適用されると考えたようだ。しかしR&Aの対応は素早かった。ノーマンを名指ししたわけではないが「大会にエントリーできるのは60歳以下の歴代チャンピオン、あるいは直近の10年以内の優勝者に限られており、150回大会においてもそれ以外の特別免除枠はない」という声明を発表したのだ。ノーマンがPGAツアーや欧州ツアーと競合するライバルリーグを創設したのは周知の事実。彼がCEOを務めるLIVゴルフインベストメンツが昨年秋、アジアンツアーとのパートナーシップ契約を結んだ直後、R&Aは従来同ツアーの賞金王に与えていた全英オープンの出場権を剥奪することを決めた。今回の声明について新リーグやノーマンへの言及はないが、タイミング的にはR&Aが断固として新リーグを認めないという姿勢が表れている。昔から自らを神格化し、何でも許されると思ってきたノーマン。しかし今回の野望は完全に絶たれたようだ。 PHOTO/Kiyoshi Iwai 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月24日号より
  • 日本男子ツアーが試合数減少に苦しんでいるなか、アメリカのPGAツアーは、その規模が拡大の一途を続け、賞金総額もかつてないほどに膨れ上がっている。一体、この差はどこにあるのか。PGAツアーのトーナメント部門トップ、アンディ・パズダー氏に独占インタビューを行った TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、KJR ザ・プレーヤーズ選手権の最終日18番ホール。ギャラリーの多くは優勝争いのキャメロン・スミスを撮ろうとスマホを掲げている。日本ではありえないシーンだ アンディ・パズダー氏 PGAツアーのトーナメント部門責任者、アンディ・パズダー氏。後ろの建物はTPCソーグラスのクラブハウス ――今年3月に開催された、「ザ・プレーヤーズ選手権」の賞金総額は、PGAツアー史上最高額の2000万ドル(約25億6000万円)、優勝したキャメロン・スミスは、たった1試合で360万ドル(約4億6000万円)を手にした。近年、ツアー規模を拡大し続けているPGAツアー。何が、それを可能にしているのだろうか。 近年のPGAツアーの成功には、いくつもの要因がありますが、やはりプレーヤーの充実という点が大きいでしょう。今週(3月7日時点)、世界ランクのトップ50が、すべてPGAツアーのメンバーとなりましたが、これは過去になかったことですし、同時に、トップ5が全員30歳以下のプレーヤーとなったことも、これまでになかったことです。強くて、しかも若いメンバーが毎週、熱戦を繰り広げることで、ツアーの価値を高めてくれているわけです。私たち運営側の仕事は、ビジネスとしてのPGAツアーを拡大して、それをプレーヤーの賞金として還元すること。ツアーは今年、メディア各局と新たに2030年までの契約を結び、これまで同様、アメリカ国内のテレビ中継、日本を含む海外での放送、インターネットを通じた世界への映像配信などを行っていきます。メディアから得られる放映権料に加え、100を超えるタイトルスポンサー、それとは別のカテゴリーの、企業マーケティングパートナーなどの協力を得て、今後もツアーを成長させていける体制が整ったといえるでしょう。さらに忘れてはいけないのが、ツアーの活動を支えてくれる、地域との結びつきです。PGAツアーは、様々な形で地域貢献のためのチャリティを行っていますが、今年はその総額がおよそ36億ドル(約4650億円)になる見込みとなっています。 試合中のスマホ撮影を解禁 ――ツアーの発展には、ファン層の確保と新規獲得が欠かせない。どんな取り組みをしているのか。 ゴルフは長く「富裕層のスポーツ」というイメージがあり、それが足かせとなって、クリエイティブなアイデアを妨げていました。私たちは、そうした見えない壁を取り除いて、「これまでなら気づまりとなった状況もいいと思える」改革を進めています。そのひとつが、ファンによるトーナメント中の写真や映像撮影の解禁です。ただ撮影を許可するだけでなく、撮影した素材を個人のSNSなどで発信することにも制限を設けていません。いわゆる“インフルエンサー”が、映像を拡散することによって、ツアーの認知度がアップするのであれば、そのほうがメリットが大きいからです。日本では、法律的な規制でスマートフォンカメラの撮影音を消すことができないそうですが、その点はとても残念なことだと思います。また、プレーヤーも、トーナメント映像を自由にSNSで発信していいことになっています。これにより、プレーヤー個人が1メディアとなり、新たなファンを獲得するのに貢献しているわけです。ツアー側からは、ロープの内側の発信は当然として、「ロープの外側」のプレーヤーの素顔などを、いかに伝えるかということを考えています。たとえば、隠しカメラ的なものを使って、コース上以外での彼らの日常をファンに発信します。プロゴルファーとしての顔だけでなく、父親だったり、夫だったり、いたずら好きだったりといった顔があって、ファンはそうした側面こそ見たいと思っているはずですから。過去約10年にわたって、「ファンとのつながり」を第一に、様々な取り組みを続けてきました。そのことが、現在の発展のベースとなっていることは間違いありません。 PGAツアー・ユニバーシティ ――今年、マスターズを制したスコッティ・シェフラーはまだ25歳。ここ数年、毎年のように新たな若いスター選手が登場している。これは自然発生的なものなのか、ツアーの戦略なのか。 学生の時点で、才能のあるプレーヤーをアメリカの大学にスカウトする傾向は、強まってきています。ジョン・ラームが最たる例でしょう。彼はスペイン北部の海岸地域出身で、とあるジュニアの試合で、サンフランシスコ大学のコーチに見出されて、最初はそこでプレーするはずでしたが、当時、ASU(アリゾナ州立大学)のコーチだった、ティム・ミケルソン(フィルの弟)が奨学金付きでスカウトして、ASUで活躍しました(在学中、歴代2位の11タイトル)。ビクトール・ホブランがノルウェーからオクラホマ州立大学に入学したのも似た経緯です。オクラホマ州立大といえば、在籍中のプレーヤーに、スペイン出身のユージニオ・シャカラがいて、彼も数年後にはきっとPGAツアーで活躍する逸材です。2020年に、ツアーでは「PGAツアー・ユニバーシティ」制度を創設して、才能ある学生プレーヤーがスムーズにプロツアーに移行できるようにしました。これは、大学で少なくとも4年以上プレーしている学生が対象のランキング制度で、トップ15までに入ったプレーヤーは、すぐに「コーンフェリーツアー」(PGAツアーの下部ツアー)のメンバーになれるというもの。これまでは、学生ゴルフ出身のプレーヤーがプロツアーに出るには、各ツアーのQT(予選トーナメント)を受けて上位に入賞する必要がありましたが、どんなに才能にあふれていても、たった1週間、あるいはたった1ラウンドの不出来で、ツアーデビューが1年以上も先延ばしになるケースが多かったのも事実です。「PGAツアー・ユニバーシティ」は、そうしたタイムラグをなくし、才能あるプレーヤーが、早い段階でプロツアーの経験を積めるようにした仕組みで、ここまで非常によく機能していると思います。 2022年にWMフェニックスオープンで初優勝の後、アーノルド・パーマー招待(写真)、WGCマッチプレー、そしてマスターズにも勝った25歳、スコッティ・シェフラー(左)/試合会場には女の子のギャラリーも多い。手には選手のサインがびっちり入ったキャップ。WGCデルテクノロジーズ・マッチプレーにて(右) 日本は成長戦略の重要な路線 ――PGAツアーには、韓国で開催される「CJカップ」、日本開催の「ZOZO選手権」など、アジア地域での試合も組み込まれている。今後のアジア戦略は、どういったものだろうか。 PGAツアーは、日本の企業のサポートを長年受けているということもあり、日本を含むアジア地域に進出することは、当然、今後の成長戦略の重要な一路線と考えています。今はヒデキ・マツヤマ(松山英樹)が、PGAツアーのメンバーとして活躍してくれていますが、彼がPGAツアーにもたらすものの大きさ、プロモーション効果は計り知れません。過去にはジャンボ・オザキ(尾崎将司)がいて、シゲキ・マルヤマ(丸山茂樹)がいて、リョウ(石川遼)、ヒデキと続き、さらにケイタ(中島啓太)がいる。ケイタにはまだ直接会ったことはないですが、誰に聞いても「ぜひ見るべき逸材だ」というので、実際に会うのが楽しみです。日本1カ国だけで、これだけの才能がいるわけですから、アジア地域全体では、まだまだ優れたプレーヤーがたくさんいるはず。将来的にはそうしたプレーヤーたちの姿を見られる機会を増やすことが、ツアーの成長に直結すると考えています。また、2015年に韓国の仁川(ジャック・ニクラスGCコリア)で開催した、「プレジデンツカップ」(アメリカと、ヨーロッパ以外のインターナショナルプレーヤーの対抗戦)は、大変な成功を収めましたから、近い将来、またアジアで開催できたらと思っています。できれば、私が定年を迎える前に実現したいと思っていますよ(笑)。1998年のプレジデンツカップで、シゲキがただひとり、出場したすべてのマッチで負けなしだったのを、今でも鮮明に覚えています。あれは間違いなく、ゴルフにおける「記憶すべき瞬間」のひとつです。PGAツアーは現在、30年来のパートナーである、「DPワールドツアー」(旧ヨーロッパツアー)とのつながりを、より強化していますが、その先にアジアが地続きになっていると考えています。東京や北京にPGAツアーのオフィスを置いているのはそのためです。PGAツアーの、この先10年の課題は、「ダイバーシティ」(多様性)の重要性を、このスポーツ、あるいはツアーを通じて発信していくことです。そうして、世界中のゴルフ界が発展していかなくてはいけません。そのなかで日本が果たすべき役割は大きいでしょう。 昨年のZOZOチャンピオンシップは松山英樹が優勝。「これから先のツアーの成長にアジアは欠かせない」(パズダー氏)。国内ツアーは連携をより深める必要がありそうだ ツアーメンバーは我々を100%支持している グレッグ・ノーマンが中心となり、新たなツアーとしてスタート予定の「LIVゴルフインビテーショナル」(LIVは「54」の意)だが、PGAツアーはメンバーの出場を認めない方針を明言している。ノーマンは、「法廷で争う準備があり、プレーヤーに対してライバルツアーへの出場を制限する行為は、法廷では認められないだろう」とコメント。これに対し、PGAツアー・コミッショナー、ジェイ・モナハン氏は、「ザ・プレーヤーズ選手権」での記者会見で、次のように語った。「PGAツアーのルールは、プレーヤー自身による、プレーヤーのためのもので、すでに50年以上も存在している。(いかなる訴訟に対しても)PGAツアーの立場が揺らがないことは断言できるし、我々はツアーを前進させることに集中するだけ。この件でもっとも重要なことは、PGAツアーがこの先の10年で、かつて経験したことのない発展の真っただ中にいるということ。プレーヤーの多くが表明している通り、PGAツアーメンバーは100%、我々のツアーを支持してくれている」一方で、LIV側は、先日、今シーズンのスケジュールを発表。全8試合によるツアーで、初戦は6月9~11日に、英国のロンドンで開催される。PGAツアーからの出場希望者には、スポット参戦を認める(全試合への出場義務を課さない)方針。プレーヤー囲い込みの綱引きは続くだろうが、前述のモナハン氏の言葉には、揺るぎない自信がみなぎっていた。 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月10・17日合併号より
  • サウジアラビアのオイルマネーを背景にグレッグ・ノーマン主導で設立された“スーパーゴルフリーグ”がいよいよ始動する。 ノーマンがCEOを務めるLIVゴルフインベストメンツの発表によると、22年に新リーグ(LIVゴルフ招待)が開催を予定しているのは8試合。各試合48名が54ホールを戦い、予選カットなし。個人戦とチーム戦を併用し、48名を各4名の12チームに分けて競うスタイルだ。賞金総額は2億5000万ドル(約304億円)で、個人戦に1試合当たり2000万ドル(約24億円)、チーム戦上位3チームに500万ドル(約6億830万円)が分配される。開幕戦は6月9日スタートで、コースはロンドンのセンチュリオンGC。7月にアメリカで2試合(3日開幕@パンプキンリッジGC/29日開幕@トランプナショナルGCベッドミンスター)、9月もやはりアメリカで2試合(2日開幕@ザ・インターナショナル/16日開幕@リッチハーベストファーム)。10月は舞台をタイに移したあと、14日からサウジアラビアのロイヤルグリーンズで7戦目を開催予定だ。なお、最終戦は10月28日から30日まで個人戦なしのチーム戦のみが行われる。開幕3試合はPGAツアーの「カナディアンオープン」「ジョンディアクラシック」「ロケットモーゲージクラシック」と同週開催だが、リリースでは「個人事業主である選手はどこでプレーするか選択することができる」とうたっている。現在PGAツアーは新リーグに参戦した選手のツアー出場停止、メンバー資格剥奪という厳しい措置を予定しているが、業界関係者はこれに対し、新リーグ側は法的な異議申し立てをする準備をしているのではないかと指摘する。「新リーグはまだ始まったばかり。我々は長期的展望を持って成長を目指している」とノーマンは自信をのぞかせる。出場選手については未だ発表はない。 かつて同じコンセプトを持つ「ワールドゴルフツアー」構想でPGAツアーと対立したノーマン。次は上手くいく? 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より こちらもチェック!
  • サウジアラビアのオイルマネーを背景にPGAツアーと競合する新リーグ(スーパーゴルフリーグ)出場に前向きな姿勢を示していたフィル・ミケルソンが窮地に陥っている。 ゴルフライターのA・シブナック氏のインタビューで、「トーナメントの放映権を牛耳るPGAツアーが肖像権など、選手が持つべき権利を搾取している」と痛烈に批判したミケルソン。新リーグについても憂慮すべき人権問題が存在すると言及した。それでも新リーグを支持するのは「PGAツアーを改革する最初で最後のチャンスだから」と持論を展開。これらの発言にツアー関係者が衝撃を受けたのはもちろん、影響はスポンサーにも波及。「自分が間違っていた。本心を十分に伝えられなかった」と謝罪するにいたった。一連の騒動を受けミケルソンのメインスポンサーであるKPMGが契約解除を決定。Workdayも3月いっぱいでの契約打ち切りを決め、2月25日には用具契約を結ぶキャロウェイが「契約の一時停止」を打ち出した。ミケルソンは事の重大さから「自分からスポンサーに契約を中断、あるいは終了するよう選択を促した」と言うが、キャロウェイは「ミケルソンの発言は看過できない。我々は失望している」と声明を発表。「いずれまた良好な関係に戻る日が来るだろう」と希望的観測も示したが、現時点では契約停止状態となる。本人は「ゴルフからしばらく離れる」意向で、契約が24年まで残っているPGAツアー「アメリカン・エキスプレス」のホスト役も辞退。今季ツアーに出場したのは4試合のみで、最後に出たのは1月末の「ファーマーズインシュランス」。タイガーが事故以来ツアーに復帰できていないなか、今度はミケルソンがトーナメントから姿を消す。もちろん復帰するのだろうが一抹の寂しさは拭えない。 うっかり発言が取り返しのつかない事態に……(PHOTO/Tadashi Anezaki) 週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より こちらもチェック!