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「ゴルフからしばらく離れる」ミケルソン発言問題でスポンサーぞくぞく撤退

サウジアラビアのオイルマネーを背景にPGAツアーと競合する新リーグ(スーパーゴルフリーグ)出場に前向きな姿勢を示していたフィル・ミケルソンが窮地に陥っている。

ゴルフライターのA・シブナック氏のインタビューで、「トーナメントの放映権を牛耳るPGAツアーが肖像権など、選手が持つべき権利を搾取している」と痛烈に批判したミケルソン。新リーグについても憂慮すべき人権問題が存在すると言及した。それでも新リーグを支持するのは「PGAツアーを改革する最初で最後のチャンスだから」と持論を展開。

これらの発言にツアー関係者が衝撃を受けたのはもちろん、影響はスポンサーにも波及。「自分が間違っていた。本心を十分に伝えられなかった」と謝罪するにいたった。

一連の騒動を受けミケルソンのメインスポンサーであるKPMGが契約解除を決定。Workdayも3月いっぱいでの契約打ち切りを決め、2月25日には用具契約を結ぶキャロウェイが「契約の一時停止」を打ち出した。

ミケルソンは事の重大さから「自分からスポンサーに契約を中断、あるいは終了するよう選択を促した」と言うが、キャロウェイは「ミケルソンの発言は看過できない。我々は失望している」と声明を発表。「いずれまた良好な関係に戻る日が来るだろう」と希望的観測も示したが、現時点では契約停止状態となる。

本人は「ゴルフからしばらく離れる」意向で、契約が24年まで残っているPGAツアー「アメリカン・エキスプレス」のホスト役も辞退。

今季ツアーに出場したのは4試合のみで、最後に出たのは1月末の「ファーマーズインシュランス」。タイガーが事故以来ツアーに復帰できていないなか、今度はミケルソンがトーナメントから姿を消す。もちろん復帰するのだろうが一抹の寂しさは拭えない。

うっかり発言が取り返しのつかない事態に……(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より

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