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「始まりにすぎない」ノーマンの新会社がアジアンツアーに2億ドル投資。新ツアー構想との関係は?

グレッグ・ノーマンが新たな会社のトップになり、アジアンツアーに2億ドル(約226億円)以上を投資。今後10年間で10試合の新規大会を開催予定だという。

「ゴルフを世界的な規模での発展させるために、まだまだ未開発であるアジアの可能性を広げる」というのが、サウジアラビアがバックについた新会社『LIVゴルフインベストメンツ社』が発表した声明だ。これだけなら、アジアンツアーが盛り上がるグッドニュースだろう。しかしノーマンに言わせると「これは始まりにすぎない」ということで、まだまだ先がある話なのだ。

ノーマンが30年前に企画した、少人数のスター選手による新ツアー構想が復活し、そのコミッショナーにノーマンが就任するという噂も流れている。

実際、英ガーディアン紙は先のライダーカップに出場したアメリカチームのメンバーの1人が、3年契約の1億5000万ドル(約170億円)で新ツアーへの参戦の提示がなされたという話を伝えている。

これに対して、スター選手を失いかねないPGAツアーは警戒感を強めている。昨今の賞金やボーナスの大盤振る舞いもさることながら、新ツアーに参戦すれば、PGAツアーのメンバー資格を剥奪する措置も辞さない構えだ。ただ、新しいサウジアラビアの試合がアジアンツアーの一環として開催されることになれば、簡単には批判ができなくなる可能性もある。加えて、ツアープロは個人事業者なので、PGAツアー側が選手の行動を縛ることについて、法的な問題もないことはない。

一方、サウジアラビアを批判していたワシントンポスト紙の記者殺害を支持したと言われるサウジアラビアの王子が、くだんの新会社にも関与しているとされ、人権擁護団体がサウジアラビア主催の試合に出場しないよう呼びかけている。

一体どうなるのか? 今後の展開が見逃ごせない。

いったい何をもくろんでいる……?(PHOTO/Kiyoshi Iwai)

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より