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【クラブ駆け込み寺】Vol.6「ドライバーを12度にしたら球が引っかかるように…いいチューン方法はありますか?」

“頑固オヤジ”が勇退し、あとを継いだのが練習場で小さな工房を営む通称“アニキ”。今回は「ハイロフトのドライバーに変えたら引っかけが出るようになった」という相談が寄せられた。

ILLUST/Kochi Hajime

前回のお話はこちら

Q. ハイロフトドライバーの
つかまりを調整するチューンとは?


この春からロフト角12度のドライバーに替えて調子が良かったんですが、時々つかまりすぎて左の林に。シャフトを硬くする、鉛を貼るといった調整が必要でしょうか。


せっかくのカチャカチャを活用しよう

今年は春になる前から暖かい日が多いですね。異常気象と言えばそれまでですが、影響を受けやすいコースコンディションとか、これからどうなっていくのでしょうか。まあ、ウチの常連さんたちは、今年の暖冬ゴルフを満喫したようですが。

「先月、ゴルフ誌で“ハイロフトドライバー”の特集を読んで、なかなか良さそうだと思ってキャロウェイの『パラダイム Ai スモーク MAX-D』の12度に替えてみたんです。すると、確かに高弾道でキャリーも伸びたんですが、時々つかまりすぎて引っかけのミスが出るように。少し硬いシャフトに交換するとか、トウに鉛を貼るとかしたら、直りますかね?」

昨年還暦を迎えたシングルさん。若い時は飛ばし自慢で、フェード系のライン出しショットが得意なタイプです。

「最近のクラブやボールで、適正な高さを出して飛距離アップを狙うなら、ドライバーのハイロフト化は十分アリだと思います。ですがFWとかと同じで、フェースに乗りやすくなるぶん、つかまりすぎる傾向も出やすくなります。でも、ヘッドのつかまりやすさをシャフト特性で調整するのはオススメしませんね。加減したり、体調の違いでシャフトの挙動が変わると、逆球も出やすくなりますから。鉛貼りはベターですが、ヘッドが重くなってしまうと振り切れなくなるかも」

「じゃ、どうすれば?」

「せっかくホーゼルにカチャカチャ機能が付いているんですから、これを生かしましょう。ロフトを少し、立ててみるんですよ」

「せっかくのハイロフトなのに?」

「カチャカチャ機能でロフトを立てる=フェース向きをオープンにする、ということ。試すのはタダだし、とてもカンタンなので、とりあえず1度変えてみましょうか」


ハイロフトを「立てる」効用とは?

ハイロフトドライバーの魅力は、高弾道化でのキャリーアップと、つかまりの良さ。メーカーの設計にもよりますが、元々12度設定のヘッドなら、つかまりやすい重心位置になっているはずです。

「つかまりやすいということは、ヘッドが返りやすいわけです。フェードヒッターのアナタが、コントロールして置きにいこうとするほど、ヘッドが返ってフックになるんだと思います」

「そう、そのとおりです」

「だから、フェース向きを1度ほど、オープンにしてみるんです。シャフトの入り方でロフト角とフェース角の変化は同じなので、ロフト角は11度になりますが、それでも十分な高さとつかまり具合を得られると思います」

早速、レンチでシャフトを外し、スリーブの向きを調整。そのまま練習場の打席に移動して試打したところ、数発打ち込んで納得したようです。

「構えた感じもあまり気にならないというか、フェースが見えすぎなくて逆にいい感じです。打球の高さも出ているし、実際つかまりすぎる感じはなくなりました。これ、いいですよ」

ヘッドの基本設計や機能を生かしながら、つかまり具合を微調整するなら、ホーゼルのカチャカチャ機能は非常にイージーで効果的です。あまり利用しない人が多いようですが、もったいないですね。

ただ、ロフトの立ったヘッドを寝かせるのはオススメしません。というのも、基本設計がハイロフトと逆で、つかまりやスピン量を抑制したものが多いからです。

こうしたヘッドでロフトを寝かせると、フックフェースになるだけでなく、ヘッド後方が下がりやすくなります。期待ほどつかまりが良くなるわけでもなく、プッシュと低いフックのミスが出やすくなる傾向があります。

ベースとしてつかまりの良いハイロフトのモデルを購入し、調整するほうがやさしくフィッティングできますよ。

月刊ゴルフダイジェスト2024年6月号より