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【ゴルフの急所】Vol.39「フィニッシュでピタッと止まる」必要はありません

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部

前回のお話はこちら

上手くなりたかったらしっかりフィニッシュを取りなさいとか、形を気にする必要はないと言う人がいますが、寺西プロはどう思いますか? 私はキレイなフィニッシュが取れずに悩んでいます(青木孝介さん・42歳・HC20)


まず、ボクはフィニッシュの位置や形を意識する必要はないと考えています。

基本的に、フィニッシュは球筋によって自然に変わります。ドロー、フェード、高い球、低い球を打ち分ければ、それによってフィニッシュは勝手に変わっていく。だから、「キレイなフィニッシュ」というひとつの形を目指すことには、あまり意味がありません。

また、どんな形であれ、フィニッシュでピタリと止まる必要もないと、ボクは考えています。

実際、ボクはフィニッシュで止まることはまずないし、止めようとしたこともありません。フィニッシュのポジションから、クラブを体の正面に振り戻し、脱力して飛んでいく球を見送る。そこまでがボクの一連の流れなのです。


もちろん、バランスよく振り切ったらフィニッシュで止まれることはわかっています。けれど、それはあくまで平らなライでの話。ライが悪ければ、どんなプロでもフィニッシュで止まることはないし、止めようとも思わない。であるなら、普段から無理に止める必要はないはずです。

さらに、若い女性のように柔軟性が高い人であればともかく、シニアの硬い体で無理にフィニッシュを止めれば、腰に負担をかけてしまいかねないわけです。

ピタリと止まるフィニッシュに憧れる気持ちはわからないでもありません。でも、もしフィニッシュを意識するのであれば、形や止めることより、飛んでいくボールを見送ることを意識してみてはいかがでしょう? 打つ前に打ちたい球筋(高さや弾道など)をイメージしたら、そこに目線を合わせ、球を打ち出し、飛んでいく球を見送るクセをつけるのです。

昔、私がアマチュアだった頃、ある人に、「ゴルフが上手くなりたかったら、ひとつのクラブで3段階の高さを打ち分けなさい」と言われたことがあります。当時は、その意味がよくわからなかったのですが、それができるようになると、フェースをコントロールする力が付き、結果としてボールを操れるようになるのです。

ゴルフは、目標にボールを運び、1打でも少ない打数で回ったプレーヤーが勝つゲーム。その目的を果たすためには、高さを打ち分け、その球を見送るという練習は、非常に効果的と言えるでしょう。

キレイなフィニッシュを取ったからと言って、ボールを思い通りにコントロールできる保証はありません。それよりも、ボールをコントロールする意識を持ってスウィングする(=球筋をイメージして、球を見送る)。それがゴルフの上達につながるのだと、ボクは思います。

3段階の高さを打ち分けよう

7~9番を使って3段階の高さを打ち分ける。低い球を打つときは目線を下げて構え、低い目線で球を見送る。高い球を打つときは目線を上げて構え、高い目線で球を見送る。自分の打ちたい球筋をイメージし、そこに球を乗せる訓練をすることで、ボールコントロール力がアップしてくる

●「低い球」目線を低く
●「高い球」目線を高く

フィニッシュで大切なのは、形や止まることではなく、イメージした高さに球を打ち出し、そこに飛んでいく球を見送ることだと寺西は言う

フィニッシュでふらつく人
>>連続素振りでバランス力アップ

フィニッシュのポジションでバランスを崩す人は、連続素振りをすることで、バランスを崩さない体の使い方を覚えるといい

フィニッシュで振り切れない人
>>両ひじを下に向けて構える

フィニッシュまで自然に振り抜けない人は、アドレスをチェック。ひじが外を向いていると、スムーズに振り抜けない。両ひじを下に向けた状態で、クラブを持つクセをつけよう

月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より

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