【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.911「サイトラインは有効なガイドですが、構え方を誤るとミスを誘発する原因になります」
岡本綾子「ゴルフの、ほんとう。」
米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。
TEXT/M.Matsumoto
>>前回のお話はこちら
- 米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。 TEXT/M.Matsumoto >>前回のお話はこちら 先日、先輩から「苦手な場面が来たら確実に飛ばせる決め球を持っていたほうがいい」と言われました。 一度はクラチャンになりたい52歳……
たいていのパターヘッドにはサイトラインが刻まれていますが、中には白いラインではなくて点(ポイント)のもの、また何もついてないパターもあります。岡本さんはサイトラインに何かこだわりはありますか?(匿名希望)
いつの頃からか、たいていのパターにはヘッド上部にサイトラインと言われるガイドのようなものが刻まれるようになりました。
ヘッドの形状にもよりますが、長さもいろいろありピンポイントで示すドットだけが刻まれているパターもありますね。
ちなみに誰が、そしてどのメーカーが最初に始めたのかしら?
パッティングの際、あのサイトラインがあるとないとでは構えやすさが違うという人は多いかもしれません。
サイトラインについてこだわりがあるかとのご質問ですが、この印やラインに頼っているわけではないので、特にないというのがわたしの答えです。
ただ、いつだったかマレット型のパターを使っていたときに、自分でフェースからヘッドのお尻側までやや長いラインを右上がり気味に描いてみたことがあります。
L字型やピン型などパターヘッドの幅が狭い場合は、サイトラインを描こうにもスペースが限られますが、マレット型などヘッド後方が大きいパターだとサイトラインをある程度長く描くことができます。
これから打っていくパッティングラインに重ねるように構えるには、短いよりは長いほうが合わせやすいはずです。
ここで気を付けなければならないのは、自分がどのような構え方をしているか、という点です。 パットにセオリーなしと言われます。
どんな構え方だろうと自分の一番しっくりする構えでパットすればいいですが、ハンドダウンで構えるか、パターを吊り気味のハンドアップで構えるかでサイトラインの見え方が変わってくることを分かっていない人が多いかと思います。
サイトラインはどのメーカーのパターであれ、おおよそフェースの芯の位置から真っすぐ後方へ延びる直線で示されています。
ただし、その真っすぐというのは、目標に対してライ角どおりにセットされたパターヘッドを見た場合にそうなります。
ハンドダウン、つまりパターヘッドをトウアップ気味に構えた場合、ほんの少し右下がりに見える。 反対にパターを吊り気味に構えると、サイトラインは右上がりに映ります。
そのことに気づいたわたしは、真っすぐになるよう補正した右上がりのサイトラインを自分で描き入れたというわけです。 パターのサイトラインは、あくまでパッティングの際の目標目安のようなものです。
構えて狙いをつけるときのガイドラインですが、やみくもに頼りにするのは考えもの。
自分はかなりハスに(斜めに)構えているのに、「真っすぐ」のラインに合わせて打っても右ばかり行ってしまう、と頭を抱えるのは無理もない。
そういう勘違い、起こるべくして起こるミスもあり得る、ということです。 ゴルフに限らずガイドラインを利用する場合は、そのガイドがどんな仕組みで成り立っているか、自分の利用状況に適しているかをチェックする必要があると思います。
その意味では、たまにドライバーヘッドに三角形ないし矢印などでプリントされているアライメントマーク的なものもそうだと思います。
これは目標に対してスクエアにセットできるように付けてあるものですが、構え方によっては、このマークによってミスショットになる結果を招いてしまうことがあるかもしれません。
普段通りにスウィングしているつもりでも、セットしたときのアライメントマークが思いのほか左を向いている気がして、とっさに右へ押し出してしまう、なんてこともあるかもしれません。
目から入ってくる視覚情報というのは、想像している以上に体の動きに大きな影響を与えます。
昔からわたしは「どうしてこのラインがあるのか」というような、まず真意や本質を考える思考を持っていたような気がします。 たまにくだらな〜いことを深く考えちゃうこともありますけどね(笑)。

「深掘りする習慣をつけることは、わたしは大切なことだと思っています」 Illustration by AYAKO OKAMOTO
週刊ゴルフダイジェスト2026年6月16日号より


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