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「アメリカのことを聞くならアメリカに来るのが一番早い」松山英樹が若手プロ&ジュニアからの質問を一刀両断!

世界のトップで戦い続け、日本のゴルフ界をリードする松山英樹。そんな松山に、将来有望なアマチュアや若手プロからの質問をぶつけた。すると、松山らしい厳しくも愛のある答えがたくさん返ってきた!

PHOTO/Takanori Miki

強い覚悟がない者は
アメリカに来る資格なし

松山英樹に若手からの質問状を渡すと、じーっと見つめた後、開口一番「男子プロの質問には厳しく答えるよ(笑)」と不敵な笑みを浮かべた。香妻陣一朗や出水田大二郎からはアメリカで戦うための質問があった。その質問に対する松山の答えは言葉通り辛辣なものだった。

「アメリカのことを質問するなら、自分がアメリカに来ればいい。それが一番手っ取り早いのに(笑)。その覚悟がないからこういう質問になるんだと思う。自分は覚悟を持ってアメリカに来ている。そういう選手でないとダメですよね」

男子プロからの質問

Q. 緊張をほぐす方法を教えてください(香妻陣一朗)

A. 自分の方法を見つけていくしかない
「誰だって緊張するし、それをどうするかは経験を積んでいくしかないと思う」

Q. PGAツアーで戦うために食事面で大事なことは?(出水田大二郎)

A. 実際に来て確かめればいい(笑)
「男子には少し厳しくなるけど、アメリカに来て自分自身で確かめるのがいい」

Q. アイアンでゆるむことがあるんですが……(稲森佑貴)

A. 曲がらないんだからライン出す必要ないじゃん(笑)
「ゆるむなら、ゆるまないような練習をすればいい。それしか解決方法はないかな」

最強アマ・中島啓太からの質問

Q. マスターズの最終ホール何を考えていましたか?

A.ドローかフェードどちらでいくか考えていた
「一番思っていたのは『あとひとホールだ』ということ(笑)。同時に、どっちの球筋でいこうか考えていた。初日と2日目、フェードで失敗して、3日目はドローで失敗したから、どうしよっかと。17番をドローで打って成功したから、『よし、ドローでいこう!』と考えていた」

Q. 最終ホール、ティーアップした後目を閉じたと思うのですがあのときは何を考えていましたか?

A. 球筋のイメージが出なくて無意識に閉じたんだと思う
「ドローでいこうと決めていたけど、ティーアップして景色を見た途端にイメージが出なくなった。そこでなかなか切り替えられなくて無意識に取った行動だと思う。結果フェードでいったんだけど、イメージが明確にできているときはそういう行動にならないと思う」

女子プロからの質問

Q. 昔からやっている練習はありますか?(三ヶ島かな)

A. 飽き性だからコロコロ変えている
「毎日同じ練習をしていたら飽きてしまう。変えながら飽きないように工夫している」

Q. 好きなお酒、なんですか?(山路晶)

A. 一緒に飲んだとき教えます(笑)

Q. スイッチの入れ方を教えてください(原英莉花)

A. 勝手に入るくらい練習が必要だと思う
「練習からプレッシャーをかけることが大事。そういった場面をイメージして練習している」

Q. 英語はどれくらいか必要ですか?(勝みなみ)

A. 必要だけど絶対条件ではないと思う
「“何をしに”アメリカに来たかが重要。もちろんできたほうがいいけど、絶対条件ではない」

松山の大ファン! ジュニア2人からの質問

Q. スコアが悪かったときどう切り替えていますか?(萩生田みらんさん・中3)

A. 切り替える必要はないと思っています
「すべてが自分の経験だから記憶に残しておく。失敗の経験も受け入れて、それを積み重ねて強くなっていくもの」

Q. スウィングでもっとも大切にしていることは何ですか?(萩生田さん)

A. これは絶対! アドレスですね
「同じようにやっているつもりでも変わる。だからこそ、常にチェックする。構えがよくなればスウィングもよくなるはず」

Q. 飛距離と方向性どっちが大事ですか?(黒田裕稀くん・高2)

A. どっちも大事。もっと大事なのは飛距離を知ること
「両方あるに越したことはない。でも、飛距離を正確に知るほうが大事。ただ、まだ高校生なら飛ばして(笑)」

Q. アイアンの落下角度気にしていますか?(黒田くん)

A. 気にしてないけど意識することは大事
「細かく知る必要はないけど、意識は大事。グリーンをどう使うかに関わってくるから、弾道のイメージも変わる」

松山の言葉から思考を分析
「口数は少ないですが、他のトップアスリートと似た思考を持っています」
(作新学院大学・笠原彰教授)

「多くのアスリートの言葉を分析していますが、松山選手は極めて分析が難しい選手のひとりです。コメントが少なく真意が読み取りにくい。その中で印象的だったのは『緊張を受け入れる』という言葉です。『緊張は誰でもする』という考えを持っていて、これは『マインドフルネス』と呼ばれる思考。簡単に言うと、『今やるべきことに集中する』こと。つまり、緊張したときでも、その緊張を抑えようとしたりせずに緊張している状態に気づき、受け入れながらプレーしている。そうすることで、ベストパフォーマンスを引き出せるのです。この発想は、オリンピック選手やトップアスリートに共通する部分ですね」

月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より

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