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日本選手18人が出場できず。SMBCシンガポールオープンで何が起こった?

社会経済活動と感染症拡大防止策のどちらを優先するか、再び感染者増のカーブを描き始めた新型コロナウイルス。今後も各国政府は大きなイベントのたびに決断を迫られるのだろうか。

1月20~23日に開催された国内男子ツアー開幕戦(アジアンツアーとJGTO共催)の「SMBCシンガポールオープン」。開幕直前の17日になってJGTOはメディア向けに通達を出した。内容は、従来の開催概要を変更し、同大会の賞金を日本ツアーの賞金ランキングに加算せず、かつ優勝しても日本ツアーの“2年シード”は得られないというもの。ただし、オフィシャルワールドランキングへのポイント加算と、大会上位成績4名の22年全英オープン出場資格はそのまま付与されるという。

実は開幕直前になってシンガポール政府の通達により、同大会出場を予定していた日本選手18名に特別ビザが発給されず、出場できなくなるという事態が発生していた。というのも、その前にアジアンツアーとして開催された「ザ・シンガポール インターナショナル」において、特別ビザで入国した外国人選手が、政府の定めた隔離措置や行動規範に違反した事例が発生。これを重く見た政府は今回の「SMBC」への出場予定選手に対しても特別ビザの発給を停止する通達を出したのだ。

選手にとっては、とんだトバッチリといったところだが、JGTO全メンバーを対象に考えると、すでにシンガポールに入国済みで同大会に出場した選手と、直前に特別ビザが発給されず、出場が不可能となった選手の間に不公平感が生じるのは自明の理。JGTOが不利益、不平等を最小限に抑える目的で、開催概要を変更したことは、やむなしといえるだろう。

それにしても同大会は昨年がコロナで中止。2年ぶりの開催で、賞金総額も100万ドルから125万ドルにアップしていただけに、スポンサー、アジアンツアー、JGTOの3者とも出鼻をくじかれた格好になってしまった。

来年こそは通常通りの開催となってほしい!(写真は2019年大会。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月8日号より

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