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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.141「スライスだって磨けば最高の武器になる!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ゴルフを始めて間もないうちはスライスに悩まされる。上手になってくると球がつかまってくるのでフック回転になる。ドローのほうが飛距離が出るし、みな、そこを目指し練習を重ねる。

先日、うちの練習場に来た青年が「ドローが打ちたいんですけど、どうすればいいですか?」と言った。スウィングを見たらレイドオフのスライス打ちだった。

「今のままでええやん」「えっ!?」「無理にドローにするより、スライスを極めたほうがいいよ」「いや、ドローが打ちたいんです」「なんで?」「ドローのほうが飛ぶし」

ほらきた。彼に限らず、ドロー至上主義の人は多い。でもボクはこう思う。人には元々の球筋というのがある。それが、骨格なのか筋力なのかわからないけど。とにかく、初めて球を打ったときの球筋が、その人の持ち球。まぁ、大抵はゴロだと思うけど、それが右回転のゴロだったらスライスが持ち球、反対に左回転のゴロだったらフックが持ち球である。初心者=スライスというのは、数的にスライスが持ち球の人が多いだけで、最初からフック打ちの人もいるのだ。ボクの妻や妹の歌奈子がそれ。彼女たちは、何の意識もなくフェースローテーションして、インサイドインの軌道で打つ、天性のフック打ちなのだ。

反対に、ボクは生まれ持ってのスライス打ち。それが、ドローを打とうとすると、辛い。無理くりフェースローテーションをしなければならないからね。定着させようとしたら、相当時間もかかるだろう。
だったら、自分の持ち味を生かしたほうが楽だし、結果もいい、というのがボクの意見。だから、前出の彼にも言った。

「君は生まれ持ってのスライス打ちだから、スライスを極めろ!」

黙っている彼にさらに言った。「ドローのほうが飛ぶと思っているかもしれないけど、フェードで飛んだら、そっちのほうがかっこいいぜ」と。

ドローで飛ぶのは当たり前。というか、飛距離を求めるなら自分に合ったスウィングで気持ちよく振る。それに限る、とボクは思う。「なんでドローにしないの?」と、回りからワチャワチャ言われたら「ドローにすると飛びすぎて距離感が合わないのでフェードにしてます」と言ってやったらいいさ(笑)。

問題は、いろんな知識が折り重なって、本来の自分の持ち球がわからないという人。そういうときは、思い切ってすべてをリセット! 一度、まっさらの状態でスウィングしてみて、自分の持ち球を再確認してみるのもありかもね。

あとは、もし自分の子どもにゴルフをさせる場合は、“初めての球”を見ておくと、のちのち何かのヒントになるかもね。

とにかく、自分の持ち味は無理に変えるのではなく、磨いて光らせるべし。前出の彼もそっちに方向転換したら、めっちゃかっこいいフェードヒッターになったよ!

自分の持ち球がスライスならば、フェードボールを極めるべき。無理やりドローに変えようとすると、かえって上達の妨げになる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年1月28日号より