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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.110「風が強い日の強い味方! “ロースライス”打ってみよう」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ゴルフは雨より風が苦手という人は多い。飛ばないし、止まらないし、寒いし、目に砂が入るし……小雨なら雨のほうがまだましだ。それなのに雨でラウンドが流れることはあっても「風だから中止にしよう」という人はいないよね。不思議。

ま、それはともかく。ボクは雨でも風でも、ぜんぜん気にならない。スコアもぜんぜん変わらない。むしろ好きかも。とくに風はスコアを崩す人が多いから、試合だと「よしよし」と心の中でガッツポーズするくらいだ。

風の日には、よく「風に負けない球を打つことが必要だ」と言うけど、みなさんの風に負けない球ってどんなイメージ?

アゲンストなら普通は「低い球」だよね。ただし、ボクの場合は低い球は低い球でも「低いスライス」。ハイドロー的な言い方をすれば、ロースライス(豚肉とご飯じゃないよ)である。

イメージ湧かないって?

そりゃそうだ。今、巷で売っているのは、つかまりやすいクラブが多いので、低いドローはそれほど苦労せずに打てる。であるがゆえに、低いスライスを打つのは結構難しいのだ。

でも極めるとかなり使える。例えば、木や池を避けるとき。もちろんフックで避ける場面もあるが、個人的にはスライスで避ける場面のほうが多い気がする。あとはカップが右奥に切られているとき。ティショットが左右OBのときもいいよね。フックはランが出るので、スライスのほうがセーフの確率が高い。覚えておいて絶対損はないはずだ。

問題はつかまるクラブで、どうやって打つか。普通に打つと、普通につかまってしまうのでかなり意図的に逃がす努力が必要だ。普段はこすりたくないけど、この場合は最大限にこすっちゃって!

鉄則はフェースローテーションをしないこと。フェースを開いて上げ、ロフトを立てながら左手甲が絶対に返らないようにインパクトする。軌道はアウトサイドインのカット打ち。左わきが開くのでカッコ良くはないけど、気にしない気にしない。ボールを右に置き、上からボールをつぶすように打つという人もいるけど、ボクはちょっと違う。そうだな、ドライバーで110Y(女性なら60Y)を打つイメージかな。ヘッドスピードを上げないようにゆっくり振るんだけど、インパクトはしっかり当てる。言葉にするとそんな感じ。

もちろんスライスは飛距離が出ないので、アイアンで届かせたい場合は2番手上げて打つのも鉄則だね。
スライスということはスピンが多いわけだから意図的に打つことをマスターすれば、バンカーもロブも止めるアプローチも上達すると思うよ。低弾道が難しければ最初は中弾道でもいい。

もともとドローヒッターだと、180度イメージを変えなければいけないのでかなり難しいと思うけど、風が苦手という人はスウィングを壊さない程度に練習してみて。

低いスライスを打つには、フェースローテーションをせずにアウトサイドインのカット打ちをすること。そのままだと吹き上がってしまうのでロフトを立てながら当てるのを忘れずに


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年5月28日号より