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【青木翔のコーチング現場に密着】「言いたいことが10見つかっても伝えるのは“1つ”だけ」

渋野日向子との“再タッグ”が話題となっている青木翔コーチ。その指導を求め門を叩くプロはほかにもいる。あるトーナメントの練習日、野澤真央、新垣比菜、田中瑞希の3人を指導する青木コーチに密着した。

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント

青木翔 1983年生まれ。ジュニアを中心に「自立」をテーマにした育成を行う傍ら、渋野日向子をはじめとするプロへのコーチングにも力を注ぐ

●CONTENTS●
#1 伝えるのは“1つ”だけ
#2 新垣比菜編「どんな球を打ちたいか」
#3 野澤真央編「ミスの原因は自分で考える」
#4 田中瑞希編「気分を乗せて盛り上げる」

思っていることの全部は伝えない

ジュニアからシード選手まで、年齢・性別・ゴルフのレベルを問わず幅広い層の教え子を持つ青木翔コーチ。実際の練習ではどんな指導をしているのか。今回は女子プロ3人の練習ラウンドに密着した。

一度に3人を見るとなると、かなりバタバタと大変なのかと思いきや、個別に話しかける機会は思っていたよりも少ない。

「選手をチェックしていて言いたいことが10見つかったとしたら、実際に伝えるのは1、いや0.8くらいかも。なぜなら、情報が多いと“言っても伝わらない状態”になってしまうからです。また、すべて伝えてしまうとその中での優先順位付けが難しい。1つ1つがぼやけてしまうんです。だから、コレだ! っていう1つだけに絞っています」

さらにはその1つの伝え方もポイントがあるという。

「僕が気をつけているのは、タイミングです。例えばアドレスが左を向く癖があるとします。皆さんは同伴者に伝えるとしたらいつ教えますか? ショットをする前、ショットの後。場合によってはお昼休憩やプレー後の更衣室かもしれない。結論を言うと、これには正解がありません。相手によって違うので、どのタイミングで伝えるのが最も効果的かを考えるんです」

さらにその効果を最大化させるのが言葉のチョイスだという。

「僕はなるべく選手自身に気づいてほしいので、たいていの場合ド直球に『左向いてるよ』とは言いません。『どこ向いてる?』とか、『なんか忘れてない?』とか。選手との関係が構築できていれば『ちゃんとやってや~』、『1万回目なんですけど』みたいな言い方になることもあります。ちょっと脱線しますが、よく『何回言わすの!』っていう親や上司がいるでしょ。それは伝えている側に問題がある。同じ言い方をしてできないなら、言い方を変えるべきです。僕は同じ内容でも、できるだけ言葉は変えるようにしています」

数ホール見ていると、3人の女子プロはそれぞれ全くタイプが違うということが分かる。そして青木コーチは彼女たちの性格に合わせて、会話の量やトーンを変えて接していた。このコミュニケーション能力がアマチュアからプロまで広い層に信頼されている理由なのだ。

新垣比菜への伝え方
「『なぜ』の理屈を丁寧に説明する

「自分自身が納得したうえで1つずつステップを進めていくタイプ」という新垣には、技術や考え方を伝える際、その理由や原因といった背景も丁寧に伝えるようにしている

>>新垣比菜編はこちら

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野澤真央への伝え方
静観して選手からの問いを待つ

青木との関係が長い野澤へは、具体的なアドバイスは少なめ。「自立の度合いが高い選手には、こちらから伝えることを減らします」。あえて伝えないのもコーチの役目

>>野澤真央編はこちら

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田中瑞希の伝え方
楽しく指摘し乗せて盛り上げる

田中は「明るくゴルフを楽しむタイプ」。指摘するポイントがあっても、ユーモアやアクションを交えながら伝える。テンションを高く保っていたほうがコミュニケーションがスムーズだと言う

>>田中瑞希編はこちら

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週刊ゴルフダイジェスト2023年4月18日号より

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