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【青木翔のコーチング現場に密着】野澤真央編「ミスの原因は自分で考えさせる」

渋野日向子との“再タッグ”が話題となっている青木翔コーチの、教え子3人との練習ラウンドに密着。3年以上指導する野澤真央へはどのようなのコーチングを行っているのか?

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント

青木翔 1983年生まれ。ジュニアを中心に「自立」をテーマにした育成を行う傍ら、渋野日向子をはじめとするプロへのコーチングにも力を注ぐ
野澤真央 1997年生まれ。2020-21年シーズンで賞金ランク28位に入りシード権を獲得。昨年は4度のトップ10入りを果たすなど初優勝が待たれる

●CONTENTS●
#1 伝えるのは“1つ”だけ
#2 新垣比菜編「どんな球を打ちたいか」
#3 野澤真央編「ミスの原因は自分で考える」
#4 田中瑞希編「気分を乗せて盛り上げる」

答えを言い続けると
“依存”になってしまう

3人の中で、もっとも会話の量が少なかったのが野澤真央だ。

「彼女との関係は3年超と長いため、かなり自立できています。自分で考えてチャレンジするタイプの選手ということもあり、まずはその取り組みを見守るというスタンスでいます」

選手の自立は青木コーチが目指すところではあるが、そうなると具体的にはどのような指導をしていくのだろうか。

「ミスが出たときに『なんでだっけ?』と振り返ります。彼女は要因と対処法を用意できる選手。返答がもし間違っていたとしても否定はしません。まずはやらせてみる。そしてミスが出てまた考えるというサイクルに乗ってほしいんです」

答えを教えないだけで、青木コーチの中では結論が出ている。それを伝えないもどかしさのようなものはないのだろうか。


「僕自身へのもどかしさを感じることはありますが、彼女の成長をサポートする存在なので主役はあくまで選手。試合のラウンドまで僕が付いて行けるわけじゃないですからね。例えば最終日、優勝がかかった場面で決断しなきゃいけない状況がきたとき、普段答えを待っている選手は自分で腹を決められない。だから、練習ラウンドでも『どこ向いてるの?』とは聞くけど、『あそこを狙うべき』はなるべく言いたくないんです」

考えさせるため、掛ける言葉も抽象的で短い。冒頭で紹介した「ちゃんとやってや~」というのは野澤に向けられた言葉だ。

「アドレスで左を向く傾向があり、さらに長いクラブではハンドレイトになるクセもある。それは彼女も自覚しているので、具体的には言いません。修正するポイントを言い続けると『青木さんがいるから安心』というマインドになってしまう。それは信頼関係ではなくただの依存だと思います」

ちょっとドライに見えるが、実はこれが青木コーチの求める理想形に近いカタチなのだ。

プロだからこそ
一番大切なアドレスにこだわる

アドレス時に頻繁に声掛けを行っていた青木コーチ。しつこいくらいに聞かれることで、その事の重要性を選手が理解していく。

野澤流アドレスの作り方


普段のフィジカルトレーニングにも力を入れている野澤。変化する体に対応するため、練習場での姿勢の確認に時間をかけていた。

パッティングでも姿勢の維持をアドバイス

ラウンド後のパッティンググリーンでは、アドレスの姿勢を維持したままストロークする練習を繰り返していた。

普段の取り組みもヒアリングして把握する

選手が何にチャレンジしているか、極力コーチは理解しておくべきという青木コーチ。普段のトレーニングなどについても話し込む。

野澤真央の1Wスウィング

週刊ゴルフダイジェスト2023年4月18日号より

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