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【芯を食うボール位置】#5 日々のボール位置チェックが初優勝につながった

ボール位置は、プロでも常に気を付けている基本中の基本。昨年初優勝を遂げた木村彩子もまた、日ごろのボール位置チェックが優勝につながったという。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos THANKS/朝霧ジャンボリーGC、志度CC、丸山ゴルフセンター

試合ごとにボール位置は気づかぬうちにズレていく。そのため木村彩子プロは、南秀樹コーチとのチェック作業は毎回行う。「ボール位置がズレたままスウィングを直すのはキケンなんです」(木村)

解説/南秀樹

みなみひでき。木村彩子や岡山絵里などを教えるプロコーチ。プロだけでなく、アマチュアからの信頼も厚い。

木村彩子

きむらあやこ。1995年生まれ、大阪府出身。2022年のアース・モンダミンカップで悲願の初優勝を挙げる

●CONTENTS●
#1 ミスの原因は「ボール位置」
#2 「ニュートラルな構え」を身につけよう
#3 「最下点」を見つける簡単チェック法
#4 アドレスの体重配分は右6:左4
#5 日々のボール位置チェックが優勝につながった
#6 ボール位置のズレを矯正するドリル
#7 毎回同じ位置で構えらえるルーティン

右を向いたときに
狙った方向に打ち出せるか

22年シーズン、待望の初優勝を手にした木村彩子プロ。歓喜の裏には、徹底したボール位置の管理があった。

「技術的な部分で、最も大切にしているのがボール位置です。なぜかというと、いいスウィングをしても、ボール位置がほんの少しズレただけで、インパクトの入射角やフェースの向きが変わり、自分が思っている球とは違う球が出てしまうからです。ボール位置のズレに気付かずに、スウィングのほうをいじってしまうのが最悪で、そうなると、理由もわからないまま、不調から抜け出せなくなるんです。


ツアーを転戦していると、毎週違うコースで、違う環境で、ティーイングエリアからの景色も違いますから、ボール位置が『ずらされる』要素がたくさんあります。だからこそ、日々、ボール位置のチェックが欠かせません。練習場では、真っすぐ狙うときだけでなく、左右に目標(スタンス)を変えたときにも、ボール位置がズレていないか確認しています。私の場合、とくに右を向いて右に打ち出そうとしたときに、ボールを右に置きすぎて、逆球の引っかけが出ることが多いんです。だから、右を向いたときに、きちんと狙ったところに打ち出せるということが、自分の中で、ボール位置が正しいかどうかのひとつの目安になっています。

正しい基準のボール位置で構えられると、インパクト効率が上がって、飛んで曲がらないのが最大のメリット。それ以外にも、基準の位置からの応用で、球を曲げたり、低く打てるのが、実戦的なメリットです。私が優勝した『アース・モンダミンカップ』の決勝2ラウンドは、かなりの強風で、低い球だけでなく、いろいろな球筋を求められましたが、普段から練習しているおかげですんなり対応できました」

Point1
自分の基準を明確にする

木村プロのドライバーのボール位置は、ぴったり「左足かかと線上」。目標方向への意識が強くなりすぎると、それより左にズレることが多いという。「基準」があれば、ズレたときも気付きやすい。

Point 2
いつも同じ“手順”で構える

(1)ボールに正対 (2)左足を半歩開く (3)右足を肩まで開く
セットアップに入るルーティンを一定にするというのも、ボール位置を整えるのに有効。自分なりのセットアップ手順を確立するのが望ましいが、最初は誰かプロのやり方を真似するのでもいい。

月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より