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【ギア選びのウソホント】Vol.85「シューズも大切なギア。タイガーの復活で改めて実感」

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

PHOTO/Blue Sky Photos

前回のお話はこちら

さて、先週は体が硬いゴルファーの話をしましたが、何があっても飛ばしたいと思うゴルファーはアッパーが柔らかいシューズを選ぶことをオススメします。PGAツアーでも見られるように、B・デシャンボーなどの飛ばし屋は左足がめくれることが多いですが、そのようなスウィングでアッパーが硬いと遊びがなくなり、足首や股関節に負担がかかり、怪我に繋がるからです。

少しタイミングが遅くなりましたが、今年のマスターズが盛り上がった理由のひとつは、右足の切断もありえた自動車事故から復帰したタイガー・ウッズの活躍があったからでしょう。そして、復帰戦にもかかわらず、アップダウンの厳しいオーガスタナショナルGCでしっかり予選を通過し、4日間を完走したのは感動を覚えました。そんなタイガーの足元は契約のナイキではなく、契約外のフットジョイのシューズ。スウィングのサポートおよび足に負担をかけず72ホールをラウンドするために最適なシューズを選んだ結果だと思います。ゴルファーにとってシューズはやはり大切なギアなんだと再確認しました。

ゴルファーによって合うシューズは異なるので、デザインだけでなく、吟味して選んでくださいね。

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より

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  • オーガスタは、左ドッグレッグのホールが多く、ドローヒッターが有利とされる。しかし、今年の覇者はフェードヒッターのスコッティ・シェフラー。いったいなぜ、シェフラーはマスターズを制することができたのか。レックス倉本氏と目澤秀憲コーチに分析してもらった。 PHOTO/Blue Sky Photos ILLUST/Sadahiro Abiko 必ずしもドロー有利とは限らない マスターズの舞台、オーガスタナショナルGCは、ドロー有利という定説があった。しかし、今回マスターズを制したのはフェードを持ち球とするスコッティ・シェフラー。その理由をレックス倉本プロに聞いた。「確かに以前はドロー有利のコースでした。しかし、何度も改修が行われ、今はドロー有利とは言えなくなってきている部分もあると思います。例えば15番。今年は20ヤード後方にティーイングエリアが下がったことでドローだと落ち際が左に傾斜しているため、林まで転がるリスクが高まり、攻略するのが難しくなりました。つまり、ドローヒッターにも攻略するのが不利になるホールが増えてきたということです。 この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です 一方で、フェード打ちにとって鬼門となるのが13番のパー5。右へミスをすると、林があるため2打目は出すだけになり、3打目も距離が残ってしまい、ボギー以上を覚悟しなくてはなりません。しかし、シェフラーは4日間、しのぐどころかスコアを伸ばし、勢いをつけたんです。ティーショットでは、打ちにくそうにしてミスをしていたものの、その後のマネジメント力とタテ距離のズレないショット力でフェードヒッターが不利なホールを見事に乗り切りました。シェフラーの強さがにじみ出たホールですね。特にアイアンの精度は抜群。ツアーイチとも言われる高弾道で、オーガスタのグリーンでもビシビシ止めていました。マスターズ優勝という偉業も納得できますよね」 ショットの精度の高さでボギー以上はなし 13番パー5は、左ドッグレッグの2番、5番、9番、10番、13番のなかで、フェードが持ち球の選手にとってもっとも難しいホール。右サイドが狭く、少しでも右へ打ち出してしまうと、林へ入りボギーもあり得る。シェフラーは、13番はノーボギー。その他の左ドッグレッグのホールも4日間でボギーはわずか1つ アイアンの上手さが光るシェフラー。高いトップから鋭角に下ろしていくことで、高弾道のショットが打てるため、タテ距離が合いやすく、マスターズの速いグリーンでも止められる。また随所にアイアンでのスーパーリカバリーを披露 左サイドを完全に消すスウィング マスターズ制覇の為には、当然飛距離も重要だ。シェフラーの4日間の平均飛距離は298.5ヤード。そのスウィングの特徴について目澤秀憲プロコーチに話を聞いた。「シェフラーは、ヘッドの開閉を積極的に使い、高いトップからヘッドをやや鋭角に入れてV字を描くように振ることでフェードを打っています。最も特徴的なのは、右足の動きです。切り返し直後から、右足を背中側に引くように動かしていますよね。この動きは、右足で腰が回る方向と反対方向に力のベクトルを向けることで腰の回りすぎを抑えるため。これにより右サイドにクラブの通り道ができて、自然なフェースターンを生む効果があります。つまり、フェースの無理な開閉がなくなり、球のつかまりすぎを防ぐことができるということです。フェードヒッターのシェフラーにとって左(逆球)のミスは絶対に嫌。その意思が右足の動きに表れていますね。この動きがあるからこそ逆球の不安がなく、どんな場面でも振り切れるのだと思います。これも平均300ヤード近い飛距離を出し、マスターズ制覇できた要因だと思います」 【トップ】手元が頭の上に来るくらい高いトップを作ることで、ヘッドを上から入れる準備をする。左肩がアゴの下に来るくらい捻転も深い【ダウン】トップからループを描くようにクラブを寝かせるのではなく、肩口から鋭角にクラブを下ろしてくる。その際に右足を前に出さず、クラブの通り道を作る【フォロー】インパクトからフォローにかけて右足を背中側に引くように動かす。腰の回転が弱まるため、右サイドにクラブの通り道ができて自然なフェースターンができる。すると、無理な開閉がなくなりつかまりすぎを防げる 月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より
  • マスターズを制し、目下絶好調のスコッティ・シェフラー。その活躍の陰に、2人の名キャディの存在があったことをご存じだろうか? PHOTO/Blue Sky Photos 1人は昨シーズンまで15年間、B・ワトソンのキャディを務めていた48歳のテッド・スコット。ワトソンの12年、14年のマスターズ優勝を含め、PGAツアー12勝すべてでバッグを担いできた。別れた理由については明らかにされていないが、スコットはキャディ業と並行してオンラインで学生ゴルファーにコーチングをしていたため、キャディを引退し、フルタイムでコーチに専念する心づもりがあったのだろう。そしてコンビ解消の報を受け、シェフラーがスコットに「クリスチャンと仕事がしたい」と連絡。PGAツアーの選手たちは試合のため、キリスト教の日曜礼拝に参加できないため、普段から“聖書研究”という形で集まっているが、2人はそこでの顔見知りということもあり、悩んだ末、この話を受け入れた。しかし、いきなり若い選手のキャディをするのは楽ではない。「キャディ人生で一番苦労した」とスコットが語るのは、昨年11月のザ・RSMクラシック。初日「63」でロケットスタートするも、2日目に失速。「2日目は強風が吹き荒れた。私は彼の性格をまだわかっていなかったし、打開策が見当たらなかった」と振り返る。一方シェフラーは、「彼を人間として尊敬している」と先のマスターズで語っている。2人の歯車が噛み合うようになってからの快進撃は、ご存じの通り。もう一人のキャディは、84年から95年まではB・クレンショーのバッグを、計54年間マスターズで担いできたオーガスタのハウスキャディ、カール・ジャクソン。「シェフラー本人がキャディの控え室までやってきて、“オーガスタの秘密”について教えを請うてきたんだ。スピースが初優勝したときもアドバイスしたけど、そのときより詳しく教えたよ」。シェフラーの大活躍は、彼一人の力ではない。 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より
  • マスターズ最終日、もっともパトロンを沸かせたのは、ローリー・マキロイとコリン・モリカワが2人揃って18番のバンカーからチップインバーディを決めたシーンだった。 まるで地鳴りのような歓声に迎えられホールアウトしたマキロイも、「こんな歓声はじめて」と最高の笑顔で4日間を締めくくった。毎年マスターズがやってくると話題になるのが、彼のキャリアグランドスラム達成について。結果的には今回も偉業達成はお預けとなったが、最終日8アンダー「64」の猛チャージで単独2位に食い込み、「オーガスタでこういうプレーをするのが夢だった。自分史上最高のゴルフができた」と達成感をにじませた。11年前、21歳だったマキロイはサンデーバックナインに入るまで単独トップ。“ポストタイガー”の旗手にとってメジャー初制覇は手の届くところにあった。だが10番でティーショットを大きく曲げトリプルボギー。そこから坂を転げ落ちるようにスコアを落とし15位タイに甘んじた。苦い敗戦を糧に、その年の全米オープンで優勝し、他のメジャーも立て続けに獲り(4勝)、グランドスラムに王手をかけたのが8年前。だが期待されながら毎年不発に終わり、今回の2位がマスターズでの自己ベスト。「ペアリングに恵まれた」とマキロイ。モリカワとの相乗効果で「2人とも素晴らしいゴルフができて最高の気分だった。僕らはライバルだけれど毎週一緒に旅をする友人。コリンはナイスガイだし、一緒に最高のゴルフができてとても幸せ」ここのところ不調だったマキロイだが、久々に晴れ晴れとした表情で「今回は(グランドスラムまで)少し足りなかったけれど、来年もまたここに戻って挑戦を続けるよ」と決意を新たにした。ツアー20勝で永久シードを持ち2度の年間王者に輝いたマキロイに足りないのはグリーンジャケットだけだ。 4日間の平均飛距離は1位。来年こそリベンジを期待したい(PHOTO/Blue Sky Photos) 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より こちらもチェック!
  • ゴルフの最高峰の試合「マスターズ」。この夢の試合を観戦するためにオーガスタを訪れた4人のゴルファーに、オーガスタでの出会い、気づき、旅の思い出を聞いた。第4弾は、2002年のマスターズを観戦した中野龍之さんの観戦記。 PHOTO/ご本人提供、Kiyoshi Iwai 2002年のマスターズはタイガー・ウッズが史上3人目の連覇を達成した 機内での出会いが奇跡を生んだ 中野龍之さん(69歳・HC14・ゴルフ歴42年) マスターズ観戦は長年の夢でした。観戦が実現してみてあらためて思うのは、夢は心に思っているだけではなく、実際に行動に移すための第一歩を踏み出すことが大切だということです。2002年のマスターズ開催2週間前のことでした。私が経営する会社の社員から、「来週のマスターズ、社長は見に行かないんですか?」と軽く言われたのです。「チケットを取るのは極めて困難なのに、来週に行けるはずないだろう! 簡単に言うな」と。翌朝、本社のある福岡から東京へと出張している最中に、その社員から電話が。「3人キャンセル待ちの後に、申し込み枠がありますよ!」。その旅行代理店の住所を聞くと、まさに今、自分がいる日本橋の、行きつけのカフェの2階だったんです(笑)。旅行代理店へ行き、その場で交渉をしてチケットを譲っていただきました。アトランタ行きの飛行機では、日本人女性と隣席でした。どこへ行くのか聞かれ、心を弾ませている私は「マスターズトーナメントへ行くんですよ!」と意気揚々と答えました。そこからは、詰め込んだ豆知識やオーガスタの歴史などを得意げに話しました。会話が弾んで気づけば10時間ほども女性と話しっぱなしでした。するとアトランタへ降りたとき「実は私もオーガスタに少し関わっているの。何か困ったことがあったらお電話ください」と渡された名刺を見ると、『オーガスタインターナショナル日本代表』の肩書きが! まさに釈迦に説法でした(笑)。私はタイガー・ウッズさんの大ファンで、ぜひ現地ではロープぎりぎりのところで見たいと思っていました。でも実際には、大ギャラリーの中では前になどとても行けませんでした。しかも向こうの中学生ほどの背丈しかない私には選手がよく見えず、あきらめようとしていました。すると、観客のみなさんが察してくれて、みなさんで前へ前へと押し出してくれたのです。目の前には、ウッズさんが! これには感激しました。また、各ホールのスタンドは一度座ると、なかなか移動できません。私はのどが渇き、お腹もすいてきましたが我慢していました。すると横に座っていた家族が、ジュースとサンドイッチをどうぞと、笑顔で差し出してくれました。「パトロン」と呼ばれる観客たちの心の広さや思いやりに触れました。 タイガーのプレーぶりへの感想は「Next is best!」という中野さん。憧れの人がマスターズで優勝する姿を目の前で見られるとは、強運の持ち主だ! 撮影が許可されている練習日、美しいコースやそこでプレーするタイガーの写真を多く撮った。「パトロンの皆さんも本当に親切でした」 私には福岡から大切に持参してきた荷物がありました。それは、第14代柿右衛門の絵皿2枚です。ウッズさんが優勝するたびにお母さんとハグをしている場面を見て、母子家庭で育った私も母への愛情はとても深く、気持ちが伝わってきました。そこで、ウッズさんのお母さんへのお土産として、日本の伝統文化である絵皿に、英文・和文のメッセージを添えて持ってきたのです。しかし、前年の9・11の同時多発テロの影響で、手荷物制限が厳しく、絵皿はセキュリティに預けることに。これではお土産を手渡すことは難しい、そう思ったとき、あの機内で出会った女性を思い出したのです。電話をして事情を告げると、「ああ、機内で大事に持っていたのはそれだったんですね、わかりました。ゲートへお越しください」と。ガードマンと一緒に現れた女性に、「破損してはいけないので2枚お預けします」と言うと、「直接お渡しできないので、支配人に私がお渡しします。支配人から渡してもらい、そしてもう1枚を支配人にあげてもいいですか?」と。お願いしますと告げて、私はオーガスタに別れを告げて帰国しました。帰国後、私はマスターズでの思い出にふけりながら、日常を過ごしていました。あの女性からは、「支配人がウッズさんに渡せるかわからないですが、それでもいいですか?」とも聞かれていたので、絵皿のことは、渡っていればいいなというぐらいに思っていました。ところが、ニューヨークの支店のスタッフから、驚きの電話が飛び込んできました。「タイガー・ウッズという差出人から手紙が届いています!」と。スタッフに日本へ届けてもらって開封すると、それはウッズさんからの感謝のお手紙でした。あの絵皿が、ウッズさんのお母さんに、しっかりと手渡されていたのです。ウッズさんがご自宅からわざわざ送ってくださったお手紙には、ウッズさんのサインもしたためてありました。しかも、それだけではありません。オーガスタナショナルの支配人からも、お礼のお手紙と、そして、ウッズさんがマスターズで初優勝されたときにパーティで使用されたオーガスタの美しい絵皿を贈っていただきました。絵皿の返礼が絵皿だなんて、なんて粋なことをされるのかと感服しました。そのウッズさんのお手紙と、オーガスタの絵皿とを、私は額装して会社のラウンジの壁に今でも飾っています。それを目にするたびに、マスターズ観戦という夢の旅で出会った、素敵な人々のことを思い出します。 日頃から出会いを大事にするからこそ、新しい出会いをつかめるのだろう。「お手紙はもちろん、絵皿の返礼が絵皿だなんて。とても粋ですよね」会社のラウンジに飾っているタイガーからの絵皿と手紙。見るたび夢の旅を思い出す こちらもチェック! 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より