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シェフラーのマスターズ制覇を支えた“2人のキャディ”とは?

マスターズを制し、目下絶好調のスコッティ・シェフラー。その活躍の陰に、2人の名キャディの存在があったことをご存じだろうか?

PHOTO/Blue Sky Photos

1人は昨シーズンまで15年間、B・ワトソンのキャディを務めていた48歳のテッド・スコット。ワトソンの12年、14年のマスターズ優勝を含め、PGAツアー12勝すべてでバッグを担いできた。別れた理由については明らかにされていないが、スコットはキャディ業と並行してオンラインで学生ゴルファーにコーチングをしていたため、キャディを引退し、フルタイムでコーチに専念する心づもりがあったのだろう。

そしてコンビ解消の報を受け、シェフラーがスコットに「クリスチャンと仕事がしたい」と連絡。PGAツアーの選手たちは試合のため、キリスト教の日曜礼拝に参加できないため、普段から“聖書研究”という形で集まっているが、2人はそこでの顔見知りということもあり、悩んだ末、この話を受け入れた。

しかし、いきなり若い選手のキャディをするのは楽ではない。「キャディ人生で一番苦労した」とスコットが語るのは、昨年11月のザ・RSMクラシック。初日「63」でロケットスタートするも、2日目に失速。「2日目は強風が吹き荒れた。私は彼の性格をまだわかっていなかったし、打開策が見当たらなかった」と振り返る。一方シェフラーは、「彼を人間として尊敬している」と先のマスターズで語っている。2人の歯車が噛み合うようになってからの快進撃は、ご存じの通り。

もう一人のキャディは、84年から95年まではB・クレンショーのバッグを、計54年間マスターズで担いできたオーガスタのハウスキャディ、カール・ジャクソン。「シェフラー本人がキャディの控え室までやってきて、“オーガスタの秘密”について教えを請うてきたんだ。スピースが初優勝したときもアドバイスしたけど、そのときより詳しく教えたよ」。

シェフラーの大活躍は、彼一人の力ではない。

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より