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【PGAツアーエキスプレス】Vol.11 スコッティ・シェフラー「優勝は“副産物”。プレーすること自体が好きなんだ」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第11回は、2022年のマスターズを制したスコッティ・シェフラーを取り上げる。

PHOTO/Blue Sky Photos

スコッティ・シェフラー
1996年6月21日生まれ。アメリカ出身。今年のフェニックスオープンでツアー初優勝。その後立て続けに勝利を挙げ、悲願のマスターズも制覇した

前回のお話はこちら

ただただゴルフが好き

世界ランク1位として乗り込んだマスターズ。2日目に首位に立つと独走し、そのまま初めてのグリーンジャケットを手にしたスコッティ・シェフラー。今年に入ってマスターズを含めすでに4勝。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだが、彼はまだ25歳。17年に全米ローアマ、19年にルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞している実力者だが、もう少し、マスターズチャンピオンについて知っておくべきだろう。

WGCデル・マッチプレーで優勝を勝ち取った後、世界ランク1位になった。しかし彼は「そこまでは夢に描いていなかった」と発言した。PGAツアーで戦う以上、世界ランク1位は誰もが目標にするところであり、そこを意識しない者はいない。だが、シェフラーは世界ランクよりもゴルフ自体を楽しんでいた。

「僕は負けず嫌いだ。だから、ここで戦って勝つのはある意味では目標。でも、戦うことが好きだし、プレーすること自体が大好きなんだ。優勝は“副産物”のようなものさ」(シェフラー)

世界ランク1位に上り詰めると、そこから下降線をたどる選手は少なくない。例えばジェイソン・デイは2016年にマッチプレーで優勝した後、1年間ランキングトップに君臨していたが、その後成績が振るわず118位まで落ちていってしまった……。しかしこれは、シェフラーには当てはまらないような気がする。その理由は彼が「世界ランク1位を目標としていなかった」というマインドを持っているからだ。

同じダラス出身のジョーダン・スピースは「すごく明るくて楽天的。ゴルフが大好きなゴルファーがたまたま世界ランク1位になっただけ」と話す。仲のいいサム・バーンズはいい意味で“おちゃらけ”と表現する。

「彼は人生をあまり真剣にとらえていないのかな。あっけらかんとしている彼のような性格のほうがゴルフに向いているかもしれないね。でも、今まで出会ったなかで、彼が一番負けず嫌いなのは間違いないよ」

これに対してシェフラーも同意見のようで「物事をあまり真剣に考えすぎないことが大切だと思っているからね。ちょっとおちゃらけているのかもしれない」と語る。

とは言いつつ、マスターズでは「ストレスでいっぱいになってどうすればいいかわからなかった」と話した。グリーンジャケットを目の前にし、初めて味わった重圧。これからは“マスターズ王者”という重圧を常に感じながらの戦いが待っている。果たして“大のゴルフ好き”は乗り越えられるのか。今後に注目したい。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より

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  • 今年のマスターズを制したスコッティ・シェフラー。身長191センチ、テキサス育ちの25歳のゴルフを黒宮幹仁コーチの分析とともに緊急特集。まずは気になる使用クラブをチェック! PHOTO/Blue Sky Photos、KJR 「ドライバーのベンタスブラック7Xのシャフトは、シェフラーの力からすればアンダースペック気味。飛ばそうとすればもっと硬いフレックスになるはず。そうしないところにも彼の強さを感じます」(黒宮) スコッティ・シェフラーの14本 1W テーラーメイド ステルス プラス(8度/ベンタスブラック7X)3W ナイキ VRプロ(15度/アルディラ ローグ)3W テーラーメイド ステルス 3HL(16.5度/ベンタスブラック8X)3U スリクソン Z U85(20度/モーダス3 HB ツアーX)4U スリクソン Z U85(23度/モーダス3 HB ツアーX)5I~PW テーラーメイド P7TW(DGツアーイシューX100)50・56・60° タイトリスト ボーケイSM8(DGツアーイシューS400)パター スコッティキャメロン タイムレス ツアータイプ GSSプロトボール タイトリスト プロV1 ※マスターズではナイキの3Wを抜いてプレー 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より
  • 初優勝から5試合で3勝を挙げ、世界ランク1位に上り詰めたスコッティ・シェフラーが、マスターズでメジャー初優勝を飾った。 「トーナメントをリードして18番のグリーンに上がる光景を夢見てきた。ジョーダン(・スピース)が大量リードしてグリーンに上がったようにね」。最後は4パットのダブルボギーだったが、それもご愛嬌。3打差の勝利に「言葉がない」と、25歳は喜びを爆発させた。2日目に5打、3日目を終えて3打リードし首位に立ったが、決して楽な戦いではなかった。土曜日は一緒に家を借りていたS・バーンズが予選落ちしたため、メレディス夫人と2人だけの静かな夜を過ごしたという。「車で夕食を買いに行った帰り、車内で食事をこぼしてしまってムカついた。彼女はそれがおかしかったと笑い続けたけど、釈然としなかったよ。そのあと2人でテレビを見た」そこまでは普段と変わらない週末の過ごし方。しかし一夜明け最終日の朝を迎えたシェフラーは、妻の前で「赤ん坊みたいに泣きじゃくった」という。「まだこの状況に耐える準備ができていない。どうしていいかわからないと泣きつくと、『それは神様が決めること、あなたが心配することじゃないわ』と言われた。そうか、今日が自分の日ならそのような結果が出るだろうし、82を打てばそれは神様の思し召し。そう思って朝食をたっぷり食べた。2日連続でお腹が痛かったけれど、食べたらなんとか落ち着いた」そしてコースに着き、1番のティーショットを打った瞬間、「すべてから解放されたように自分のゴルフに集中できた」とチャンピオン。鍵になったのは3番のチップインバーディ。そこで流れをつかみ、一度も首位の座を明け渡すことなく勝ち切った。「初めてマスターズの招待状を受け取ったときも泣いた。ここで勝つことができたなんて夢みたいだ」。王者は感慨深げに呟いた。 週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より
  • ゴルフにまつわる様々なデータや記録をランキング形式で紹介する本連載。今回は、マスターズの出場回数トップ10をご紹介! 73歳で出場した最後のマスターズ。最後の18番でグリーンに向かって感謝の意を表するプレーヤー(PHOTO/Tadashi Anezaki) 今年のマスターズではトム・ワトソンが初めて名誉スターターを務めた。72歳のワトソンはスタンフォード大在学中の1970年に全米アマ5位の資格でマスターズに初出場。77年、81年に優勝し、2位が3回などトップ10入りは15回。2016年までに43回出場しており、これは歴代9位の記録。では出場回数トップは誰か? ワトソンとともに名誉スターターを務めたゲーリー・プレーヤーが最も多く52回。1957年に21歳で初出場すると、61年に25歳でマスターズを初制覇。74年、78年にも勝利し、マスターズ3勝。73年こそ手術からの回復が間に合わず欠場しているが、2009年まで52回も出場している。出場回数2位はアーノルド・パーマーの50回。1955年に前年の全米アマ優勝の資格で初出場すると、2004年まで4度の優勝を含む50年連続でマスターズに出場した。マスターズで優勝すれば、その後ずっと招待されるため、出場回数を増やすには若いうちに歴代優勝者となることが求められる。今年で9年連続11回目の出場となった松山英樹は31歳。72歳まで出場し続ければパーマーの記録50回連続に並び、さらに53回目の出場となりプレーヤーの記録も抜くことになる。 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より 「なんでもランキング」バックナンバー こちらもチェック!
  • 2022年のマスターズを制したのは、25歳のスコッティ・シェフラー。その急成長ぶりを間近で見てきた記者が、強さの秘密をレポート。 PHOTO/Blue Sky Photos PGAツアーの取材のため、この約1カ月間アメリカに来ていたが、私はこの25歳の急成長ぶりを目の当たりにすることとなった。アーノルド・パーマー招待の優勝を見て、「シェフラー、最近強いなぁ」と思っていたら、WGCデルマッチプレーでは準決勝でダスティンを撃破すると、決勝戦では“マッチプレーの鬼”であるケビン・キズナーをまったく寄せ付けない圧巻のプレーで優勝。今季3勝を挙げ、気づけば世界ランキング1位となり、その勢いのままオーガスタに乗り込んできた。 2022年シェフラーの世界ランク推移 1月23日15位ザ・アメリカンエキスプレス 25位タイ1月30日14位ファーマーズインシュランス 20位タイ2月13日9位フェニックスオープン 優勝2月20日6位ジェネシス招待 7位タイ3月6日5位アーノルド・パーマー招待 優勝3月13日5位ザ・プレーヤーズ選手権 55位タイ3月27日1位WGCデルマッチプレー 優勝4月10日1位マスターズ 優勝 首位で迎えた最終日、この男にメジャーの緊張感はなかった。スコアを崩す様子がまったくなく、むしろ前半で2つスコアを伸ばして後半へ。同組で競っていたキャメロン・スミスにじりじりと焦りが出てきて、スミスは11番でトリプルボギー。ここでシェフラーと6打差になり万事休す。最後は18番で4パットがあったが、それでも2位のマキロイに3打差をつけてのメジャー初制覇だった。でもシェフラーはいったい何が上手いのか? ここ数週間何度も彼のプレーを見てきた答えが、「全部がそつなく上手いオールラウンダー」ということ。ドライバーの飛距離は平均310ヤード。身長が高くアップライトにクラブを振れてアイアンも上手い。テキサス出身で風にも強いし、アプローチの技も多彩で、何よりパットが極上に上手い(4パットしたけど!)。そして今どきの大学ゴルファーはマネジメントのレッスンも受けているので、とにかく隙がない。キャディのテッド・スコットはバッバ・ワトソンの元キャディで、マスターズ2勝を陰で支えた男だ。しばらく彼の勢いは止められないだろう。ひょっとしたら年間グランドスラムも……、まだ気が早いか。 ドライバーは平均310ヤード 古風なスタイルながら高身長を活かしたスウィングで飛距離も十分 パットが抜群に上手い 長い距離は確実に寄せきり、短い距離も確実に沈める。パットの上手さも卓越している バッバのマスターズ優勝キャディとタッグ キャディのテッド・スコットとコンビを結成してから、その才能が一気に開花した 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より こちらもチェック!
  • ザ・プレーヤーズ選手権の開幕前日、米フロリダで世界ゴルフ殿堂の式典が開催され、タイガー・ウッズら4人が新たに殿堂入りを果たした。週刊ゴルフダイジェストの記者が現地レポート。 PHOTO/Tadashi Anezaki 「ゴルフは個人スポーツですが私はひとりでここにたどり着いたのではない。苦しいときに私を支えてくれた素晴らしい両親、指導者、友人たちに恵まれた。これは個人の賞ですが、チームで得た賞です。心からありがとうと言いたい」(タイガー・ウッズ) ザ・プレーヤーズ選手権が開かれたTPCソーグラスのすぐ隣にはPGAツアーの本部があります。まさにPGAツアーの総本山なんですね。ここで開幕前夜に世界ゴルフ殿堂入りのセレモニーが行われ、タイガー・ウッズら4人が新たに殿堂入り。タイガーの殿堂入りは2020年3月に発表されていましたが、コロナにより式典が延期されていたんです。夜の7時から開催されたセレモニーに招待されたのは、ほんのひと握りの人のみ。記者では長年PGAツアーを取材している人しか入れず、交渉しましたが、そこに入ることはできませんでした。参加する栄誉を得た人たちは、みんなスーツを着たり、かしこまった服に着替えて向かっていました。ちょっとうらやましかったですね。僕はホテルに戻りテレビ中継で授賞式を見ました。 15分を超えるタイガーのスピーチは感動的でしたね。母親や娘のサムさん、息子のチャーリーくんも一緒にいて、家族の絆の深さを感じました。世界ゴルフ殿堂(World Golf Hall of Fame)はTPCソーグラスのあるジャクソンビルから南に車で1時間ほどのセントオーガスティンという町にあります。顕著な活躍をした選手や、ゴルフの発展に大きく寄与した人物を称えるために設立され、1998年にこの地に移転してきました。館内にはボビー・ジョーンズ、ベン・ホーガン、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマーなど殿堂入りした人たちのグッズがところ狭しと飾られています。日本人では、青木功、尾崎将司、岡本綾子、樋口久子の4人が殿堂入りしています。偉大なゴルファーたちの足跡だけでなく、ゴルフにまつわる貴重な展示物も見学できて、ゴルフの歴史が学べます。食事や買い物も楽しめ、屋外には浮島グリーンを狙って打てるホールまで作られ、訪れた人が楽しめるようになっています。今年もザ・プレーヤーズ選手権が終わったら、ここに立ち寄り、殿堂入りしたばかりのタイガーのグッズを見てこようと思っています。 こちらがセントオーガスティンにある「世界ゴルフ殿堂」。これまで顕彰者には往年のスター選手がずらり。貴重なグッズがところ狭しと展示されている 週刊ゴルフダイジェスト2022年3月29日号より こちらもチェック!