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松山英樹、コリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレ。マスターズ優勝候補3人の独占インタビュー!

まもなく開幕する2022マスターズ。優勝候補と目される松山英樹、コリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレのロングインタビューを再録!

松山英樹

  • マスターズ優勝後、7月にコロナ感染、病み上がりで出場した東京五輪でメダル争い。そして10月のZOZOチャンピオンシップでツアー7勝目を挙げるなど、激動の1年間を走り抜けた松山英樹。まもなく30歳になる彼は、いま何を考え、そしてどこに向かっているのか? 心の内をじっくりと語ってもらった。 PHOTO/Takanori Miki、Taku Miyamoto 松山英樹1992年2月25日生まれの29歳。2010年のアジアアマで優勝し、11年のマスターズでローアマに輝く。13年にプロ転向し、国内ツアー賞金王に。14年から米ツアーに本格参戦し、メモリアルトーナメントで初優勝。21年のマスターズで日本人初のメジャー制覇を遂げ、同年10月、日本開催のZOZOチャンピオンシップを制して、米ツアー7勝目を挙げた 「ああ、もう勝てないのかな」正直そう思っていました GD 2017年以降、4年近く勝利がないなかで、4月のマスターズで悲願のメジャー優勝、そして10月にZOZOチャンピオンシップでも優勝し、ツアー7勝目を挙げました。いろんなことがあった1年だったと思いますが、それまで勝てなかった日々を振り返ってみて、いまどんな心境ですか?松山 勝てない時期の最初の1、2年は正直「まあ勝てるだろう」って高をくくっていて、楽観的に考えていました。でも19年、20年になってもなかなか思うような成績が出なくて、コロナ禍になる前、2週連続トップ10に入ったのに(20年3月)、そこで勝てなかった時点で、「あぁ、もう勝てなくなるのかな」と思っている自分がいました。それはコロナ中断明けの試合でも続いて、BMW選手権(20年8月)で上位争いしましたが、そのときも優勝争いをしている感覚はあまりなかった。必死につないで、つないで、なんとか優勝争いしている状態で、ただそこにいるお客さんのような感じでした。GD その「勝てない感覚」に、いつ変化が訪れたのですか?松山 ヒューストンオープン(20年11月)で2位になったときに、「まだ気持ち的に争っている」というのを久しぶりに体感しました。まだ勝てる可能性があるなと。でもその後21年になっても、状態が悪くないのに予選も落ちるし、トップ10にも入れないのが続いて、「なんでだろう」ってすごく考えていました。GD 4月のマスターズ前にそこに変化が訪れたということですか? この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です 松山 そうですね。オーガスタに入って、前の週にやっていたことと、その前の週にやっていたことがすごくマッチしたんです。オーガスタで練習をしていくなかで、頭の中がすごくクリアになってきて、自分への期待度もどんどん上がっていたんです。「勝てるかもしれない、勝てなくても絶対に上位にいる、優勝は争える」って。いつもなら練習ラウンドも1.5や2ラウンドはするんですが、試合前日も練習ラウンドはしないで練習だけで終わりにしたんです。コースも知っているし、自分の状態を上げることに専念しようって思いました。それが結果的に良かったですね。 オーガスタに移動した瞬間全部がつながった GD 優勝を狙えると思えるようになったのは、スウィングが安定してきたということですか?松山 そうですね、考えることが少なくなったというのがいちばん大きいですね。今までだったらスウィングのことを考えるだけでなく、そこにプラスして球筋を考えていたんですが、あの週は考えることが本当に少なくなっていました。GD 具体的にどのぐらいクリアになっていたんですか。松山 昨年から目澤さん( コーチ)と一緒にやり始めて、目澤さんの言っていることもすごくよくわかりますし、そこに取り組んできたんですけど、一方で自分をなくしている部分もあるのかなとも思っていたんです。それが何の拍子かわからないですが、マスターズ前週のテキサスオープンで時間をかけて練習をしていたら、なんかいい感じだなというのを見つけて。その試合はダメでしたけど、オーガスタに移動した瞬間に、「ああ、だからこうなるんだ」とパターまで含めて全部がつながっていく感じがあったんです。だから、「あ、戦えるな」って。GD 目澤さんが話すようなGC4(弾道解析器)などで測っているデータと、スウィングがマッチしてきたということですか?松山 そうですね。取り組んできたことと自分がやっていることがすごくハマったというか。頭で考えていることを体でうまく表現できるようになって、クラブを上手く扱えるようになったんです。 GD そうなると、マスターズの4日間は、スウィングをシンプルに考えていたということですか?松山 そうですね、けっこうシンプルでした。クラブを上げるときは、ここ(テークバック)とリズムだけという感じでした。意識していたとしても、1カ所、2カ所……、あっても3カ所ぐらい。GD ちなみに普段はどれぐらい考えているんですか?松山 んー、何個かな。アドレスだけで多分4つぐらいある(笑)。GD そんなにあるんですか。松山 まぁでも、それがどんどん減っていけばいくほどやっぱり調子が良くなるんです。考えることが1、2個だったら、すごくシンプルですから、それは調子がいいって発言になると思います。なかなかそういうふうにはならないですけどね。GD ZOZOチャンピオンシップのときは、調子が良くないと言っていましたが、そのときは考えることがいっぱいあったと。松山 いっぱいありましたね(笑)。でも、考えることがあるなかでも、最終日に向けて徐々に減りつつあったかなとは思います。 「良かった、腹が立つんだ」 GD マスターズに勝って、自分の中で心境は変わりましたか?松山 うーん、どうですかね。変わったと言えば変わったかな。3週間クラブ握らないとか今までなかったですからね。今回もZOZOで優勝してからまだ1回もクラブ触っていないですし、そういうことが平気でできるようになっています(取材はZOZOから2週間後)。GD それはプラスなことですか?松山 絶対マイナスでしょ。体を休めるには必要な時期だと思っていますが、でもさすがにちょっとやばいかなと。GD 目標だったメジャー優勝を遂げて、燃え尽きてしまったような感覚はありますか?松山 そうなるんじゃないかと、自分でも心配していました。でも、マスターズ優勝後、最初に出場した試合で(AT&T)、結果が出なくて腹立っている自分がいて、「ああ良かった、自分は変わってなかった、腹が立つんだ。やっぱりゴルフが好きなんだ」と思ったんです。そこで「勝ったからいいや」って思うようだったら多分ゴルフをやらなくなっていたはず。でも本当に腹が立って、イライラしながら練習もしていたし、その姿を客観的に考えて、「ああ良かった」と思いました。GD それまで「メジャー優勝」だった目標は、その後どう変わりましたか?松山 ツアー6勝目をマスターズで挙げて、ZOZOで7勝目も挙げたので、K・J(チョイ)さんに並ぶ8勝目を挙げることが、いまは一番近い目標だと思っています。丸山(茂樹)さんが持つツアー3勝という数字を抜いたときに、「早くK・Jさんの数字を抜けよ」って言われていたので、すごく意識していました。無理じゃないかと思うこともありましたが、あと1勝で並ぶところまできたので、それを早く遂げたいなと。 GD 22年はマスターズのV2もありますが、どんな戦い方を考えていますか。松山 早いうちにもう1勝して、シーズンを楽にプレーしたいですね。もちろんオーガスタでもう一回勝ちたいですし、それに向けてどういうスケジュールを組むか考えなきゃいけないと思っています。GD マスターズに向けてピークを作っていくと。松山 毎試合、山のてっぺんだったらいいんですけど、「ピークから下がったときどこにいるか」がすごく大事なので、そこの基準が上がれば、調子が悪くてもパーッと勝てるかもしれないと思っています。GD マスターズの勝算は?松山 正直ないですね。そこはコンディション次第で、すごく変わると思っています。それこそ一昨年のマスターズ(20年11月)みたいに20アンダー出るセッティングだと、僕にとってはしんどい。10アンダーから15アンダーぐらいのセッティングだったら勝負できるかなと思っています。13番ホールは距離が延びると思うし、天気次第でスコアがどれぐらい伸びなくなるかも変わりますからね。でも、たとえどんな天候だとしても、20アンダーの世界になったとしても、そこについていけるようなプレーはしたいと思っています。 週刊ゴルフダイジェスト2022年1月11・18日合併号より こちらもチェック!

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コリン・モリカワ

  • 初出場の2020年全米プロでいきなり優勝し、2021年これまた初出場の全英オープンも優勝。プロになって出場したメジャー6試合のうちの2つに勝った驚異の25歳。まだ少年っぽさが残る日系アメリカ人プレーヤー、コリン・モリカワに、自身の強みやマスターズでの戦い方、日本人の血を引くルーツについて、いろいろと聞いてみた。 取材・撮影/田邉安啓 コリン・モリカワ1997年、アメリカ・カリフォルニア生まれ。大学時代は世界アマランク1位。プロ転向3年にしてPGAツアー5勝。メジャーは2020年全米プロと2021年全英オープンの2勝。マスターズでメジャー3勝目を狙う >>マスターズへ挑む14本はこちら どんな試合でも勝つための準備をしています GD プロ転向後、メジャーに6試合出場したうち、20年全米プロ、21年全英オープンと2勝を挙げました。勝率でいえば3割3分3厘です。このことについてどう思いますか?モリカワ 言葉にすると大変なことですね。ただ、メジャーでもそれ以外の試合でも、どんな試合でも勝とうと思ってプレーしています。練習の仕方やゲームの運び方、気持ちの面でもすべて勝つために準備しています。GD 2020年の全米プロは、出場する前に勝てると予想していましたか?モリカワ いい準備はできていました。その前のWGCでパッティングを調整できていたし、ハーディングパーク(全米プロの開催コース)は何度もプレーしてよく知っているコースでしたから、気持ちの面でプラスに作用したことは間違いないです。GD プロ転向してまだ3年ですが、これまでの成績を自分ではどう評価していますか?モリカワ 達成できなくはないと信じていましたし、可能だとも思っていました。GD なぜそんなに信じることができるのでしょうか?モリカワ 狙い通りのショットが打てた、というほんの小さな一歩から始まって、もう少し大きなことができた達成感を感じ、次にアマチュアや大学の試合で優勝できたということなどを味わって、仲間うちやプロの試合で勝つというステップを踏んでいくと、ほかの人ができることは自分にもできるはずだと感じるようになるんです。自分は人よりゴルフが好きでちょっと上手かっただけです。 この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です ジェネシス招待の水曜日、プロアマの後、ゴルフダイジェストのインタビューを終え、クラブハウスに引き上げるコリン・モリカワ。マスターズに向けて、ショットの調子も上がってきているようで、この試合でも最終日に猛チャージをかけ、2位タイでフィニッシュした 子供の頃からアイアンで球を操るのが好きだった GD 昨シーズンのデータを見ると、パーオン率はツアーでほぼトップ。ドライバーの平均飛距離は112位です。ということは、アイアンショットが武器だということになりますね。モリカワ 確かにそうですね。アイアンショットなら、ほかの選手よりもピンに寄せられる自信があります。ミスの幅も小さいかもしれない。飛距離は平均的。でも、もっと飛距離を伸ばそうとは思っていないです。いまの僕が無理に飛距離を伸ばしても害悪しかないと思います。GD なぜそんなにアイアンが得意になったんですか?モリカワ 昔からアイアンショットが上手かったといえばそれまでですが、小さい頃からアイアンの打ち方を研究するのが好きで、そうやってアイアンで遊びながらゴルフを覚えたんでしょうね。コースに出ても、いかにアイアンショットを狙い通りに打つかということに楽しみを感じてプレーしていました。練習場でも、ドライバーをずっと打ち続けることはなくて、アイアンで木を避けるようにフェードを打ったりドローを打ったり、球筋を操作することばかりやっていました。GD でも、子供の頃って、やっぱりドライバーで引っ叩くのが好きだったりしません?モリカワ もちろん僕もドライバーショットは好きでしたよ。子供ならドライバーを打つのが好きでいいんですよ。ただ、僕はドライバーでハデに飛ばすよりも、木の下を抜くショットや上を越していくようなアイアンショットを打てるようになりたいと思っていました。いつもプレーしていたコースにたまたま木がたくさんあって、そういうショットを上手く打てないと、いいスコアが出ないということもあったかもしれませんね。 モリカワはPGAツアー屈指のアイアンの名手。最新のデータで見ると、パーオン率は75.00%で3位(3月15日現在)。写真はジェネシス招待の2日目、11番パー5でピンまで225ヤードの右ラフから2オンを狙った1打 オーガスタでも得意のカットショットを貫く GD マスターズは3回目の出場ですね。今年グリーンジャケットを着るには、何が必要だと思いますか?モリカワ マスターズに出ると、打つ必要のないショットを打って失敗しています。「オーガスタはドローが打てないとダメだ」とか、そんな意見に流されるんです。今年は得意なカットショット(フェード)をブレることなく打ち続けようと思っています。カットショットで攻めることが、自分にとってベストな攻略法だと過去2回の経験でようやく気づいたんです。GD 具体的にどんな練習をやっているのでしょうか?モリカワ それぞれのホールで必要なショットを練習しています。10番では木を回り込むようにドローを打つ、13番もドローを打つ、でも18番はカットを打つ、などですかね。練習では、必ずホールを思い浮かべてショットをしていますよ。GD 好きなホールはどこですか?モリカワ カットが打てるホールです! 池の位置や木の張り出し方などで、どうしてもカットが打てないホールもありますが、気持ちよくカットを打てるホールが好きです。GD キーになるショットは?モリカワ カットショットです(笑)。オーガスタでは本当にたくさんカットショットを打ちますよ。GD 好きな番手は?モリカワ 8番アイアンです。構えたときに、いちばんしっくりくるんです。好きになった明確な理由はわかりません。 ジェネシス招待、2日目11番パー5のティーショット。構えからすると、カット気味の弾道をイメージしているのか? 結果は341ヤードのビッグドライブ。モリカワは、このホールで4日間とも300ヤード超えのショットを披露 飛距離が出るのは“彼ら”のゴルフ自分とは関係ない GD 日本人のルーツについてお聞きします。お父さんが日本人なんですよね。モリカワ はい、父が日本人で、母が中国人です。GD 家庭では両親が英語で話していたので、日本語も中国語も覚えなかった?モリカワ そうです。中国語も話せません。GD それでもモリカワは日本の名字ですし、日本に行けばモリカワと日本語でも書ける。モリカワ モリカワのどこかに“River(川)”って意味が入ってるんですよね。漢字でどう書くかまではわかりませんが……。GD なにかご自身の中に日本人的な部分は感じますか?モリカワ 日本に行って、日本の歴史や文化に触れ、日本のファンに出会ったりすると、プラスのパワーをもらえる感じがするのが不思議です。日本の子供が僕のプレーを見て、その子がいつか僕のようになるかもしれないと思うと楽しみですね。GD ダスティン・ジョンソンやデシャンボーと違って、あなたの体型は日本人っぽい!モリカワ そうですね、普通の“人”ですもんね(笑)。GD そんな普通の人であるあなたが、体格の違うプレーヤーに勝てる点に関してはどう思いますか?モリカワ ゴルフだけではなく、どんなスポーツにおいても、ベストな方法はひとつじゃない。僕にとっては、フェアウェイをとらえて、いいアイアンショットを打つこと、パーオンすることです。自分の強みに徹することができれば、勝つチャンスはあると考えています。GD 長距離ヒッターがパワーでコースをねじ伏せるゴルフを見て、どう思いますか?モリカワ まったく気にしません。飛距離が出るのは彼らのゴルフで、自分のゴルフとは関係ありません。ジェネシス招待の予選ラウンドも、ツアー1の飛ばし屋のキャメロン・チャンプと同組でしたが、いったんコースに出たら自分のゴルフに徹するのみ。コースを研究し、どこにティーショットを置き、そこからどんなショットで攻めるべきかに集中する。それだけです。 2021年の全米プロ初日、モリカワと松山は同組で回った。「ヒデキの一部分は真似できても、全部を真似することはできない。きっとヒデキだって、僕の全部は真似できないはずだ。自分のスタイルを確立することがPGAで戦うには必要なことなんだ」 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より こちらもチェック!

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ザンダー・シャウフェレ

  • 2021年のマスターズで松山に惜しくも敗れ、東京五輪ではその借りを返すかのごとく金メダルに輝いた。日本育ちの台湾人の母親とドイツとフランスのハーフの父親の間に生まれ、実は本人以外、家族全員が日本語を話せるという、おそらくPGAツアーいちの日本びいき。そんなちょっと不思議なアメリカ人プレーヤーが、メジャーのこと、日本のこと、松山のこと、いろいろと話してくれた。 取材・撮影/田邉安啓 ザンダー・シャウフェレPGAツアー4勝。1993年生まれの28歳。アメリカ代表として出場した東京五輪で金メダルに輝いた GD これまでPGAツアーで4勝して、昨年は東京五輪で金メダルも獲りました。次の目標は、いよいよメジャーですね。シャウフェレ そうですね。マスターズは同じコースですし、全米オープンはボストン近郊のブルックライン(ザ・カントリークラブ)、全米アマでプレーしたコースです。全英オープンはゴルフの聖地セントアンドリュースですね。実はまだ1度もプレーしたことがないんですけど、現地に行ったことはあります。カーヌスティの大会の後、セントアンドリュースまで行って、何ホールか歩いてみました。全米プロはオクラホマのサザンヒルズですね。あそこは、ジュニアの試合で行く予定だったんですが、大会が中止になったので、プレー経験はゼロです。マスターズと全英オープンは伝統的なコース、全米オープンと全米プロは長くてタフなコースでプレーするということになりますね。GD 勝つチャンスが高いのはどのメジャーでしょうか?シャウフェレ 数字だけ見れば、マスターズがこれまでいちばんいい成績なんです。全英オープンでも2位タイになっていますし、全米オープンもそれほど悪くはありません。全米プロだけはあまりいい記憶はありませんが……。マスターズは何度か優勝争いをしているので、チャンスがあるかもしれませんね。GD マスターズと相性がいい理由はなんでしょうか?シャウフェレ 自分のゲームプランにマッチしているのだと思います。ティーショットの精度、コースマネジメント、そして、パッティングが重要なことです。何度かいいプレーができたことで「やればできる!」と思い込めるのも大きな理由かも(笑)。GD マスターズで勝つには何が必要だと思いますか?シャウフェレ どの大会でも同じですが、たった1ストロークが勝敗を分けるんです。だから、いまやっていることをやり続けるだけです。何かを変えようとは考えていません。いままで、このプレースタイルを貫いて、優勝してきたわけですから。GD ツアーのデータを見ると、年々、飛距離アップしていますが、自分では飛ぶようになったという実感はありますか?シャウフェレ 今年のニューモデルのドライバーがとても調子よく振れるので、そのぶん飛んでいるのかなとは思っています。GD スウィングで何か取り組んでいることはありますか? この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です シャウフェレ つねに何か取り組んでいますね(笑)。アプローチなどはいつもいろいろと試してみてはいますが、スウィングにおいて何かを変えると他の部分に影響が出てしまうので変えることは難しいんです。けっこうトリッキーなんですよ。GD 昨シーズンのデータを見ると、ストローク・ゲインド・パット(パットの選手平均値に対して、何打優れているかを示す)の数値がいいですね。シャウフェレ パッティングはここ最近とても安定しています。グリーン形状や芝の違いに対応できていて、好不調の波を小さく抑えられていることが成績にも表れています。たとえば、スクランブル率(パーセーブ率)は、いい年と悪い年が交互に来るような波がありました。でも昨年は、アプローチが過去最高によかったと思います。そんな好不調の波のいい波がハマれば、今年はもっと勝てると思います。“トリガースタット(Trigger Stat=キーになる統計)”がよければ勝てる、という言い方をするんですが、僕の場合はアプローチがよければ勝てるんです。 (左)フェニックスオープン初日12番のバンカーショット。「アプローチがいいときはいいゴルフができている」という言葉どおり、このホールも難なくパーをセーブ。シャウフェレのサンドセーブ率は高く、今シーズンも72.73%でツアー全体の2位/(右)フェニックスオープン最終日。「パッティングは、僕のゴルフのなかでもっとも安定しているもの」と言うシャウフェレだが、この日ばかりは惜しいパットを決め切れず、1ストローク足りず、3位タイでフィニッシュ ヒデキは無敵のプレーヤーになるかもしれない GD なるほど。統計や数字だけで見れば、松山プロのパッテングはパーフェクトとは言えませんがマスターズに勝てた。何が勝敗を左右したと思いますか?シャウフェレ 昨年のマスターズの週だけ見れば、ヒデキのパッティングは最高でした。さらにスクランブリングもとてもよかったですし、ボギーもほとんど打たなかった。そしてバーディをたくさん取った。それに、ヒデキのパッティングは決して悪いわけではない。今年のソニーオープンのプレーを見れば一目瞭然です。彼のキャリアで、もっともパッティング率がよかった週だったのではないでしょうか。だからこそ勝てたんです。パットが入れば、ヒデキはすぐ優勝ですよ。トリガースタットは、僕でいえばスクランブリング、ヒデキの場合はパット。トリガースタットがいい週は、勝つチャンスがやってくるんです。GD 松山プロのことを、選手として、友人としてどのように思っていますか?シャウフェレ 大変なリスペクトを持って見ています。ヒデキほどよく練習する選手は他にいませんし、彼のチームはいい人ばかり。キャディのショータも友だちです。おもしろいヤツですしね。この2〜3年のヒデキのプレーは決して最高のものではなかったけど、いまはもうそうじゃない。マスターズで勝ち、ZOZOで勝ち、ソニーで勝った。いわゆる、あまり調子のよくない時期=“オフイヤー(Off Year)”のときにどれだけ努力していたかが、いま報われているのだと思います。そして、いまの“無敵”が本来のヒデキの姿。元々ヒデキはそのポテンシャルを持っていたんだと思います。 セントリートーナメントの2日目、9番のティーショットを終えて、松山と並んで歩き出すシャウフェレ。「ヒデキはパットが入ればいつでも勝てる男」と絶賛する。4月のマスターズではまた2人の激闘が見られるだろうか 日本にいるおじいちゃんと鰻の名店に行ったことがあるんだ GD あなたのお母さんは台湾生まれの日本育ちで、日本語を流暢に話す。お父さんはドイツ系で日本語を少し話す。母方の祖父母は日本に住んでいる。それであなた自身はアメリカ人。このようなバックグラウンドが、プロキャリアや人生にどんな影響を与えていますか?シャウフェレ とても国際的だと思っています。ときどきややこしくも思いますけどね(笑)。母は台湾生まれですが、育ったのは日本なので、むしろ日本人っぽいですね。僕は台湾にも行ってますが、台湾よりも日本に行った回数のほうが多いんです。GD ご自身のなかに日本人的な要素を感じることは?シャウフェレ 簡単に答えられる質問ではないんですが、私自身は家族のなかでただ一人アメリカで生まれ育ったんです。生まれてからずっと何らかの形で日本の文化に触れてきたわけですから、日本の文化は一般のアメリカ人より理解しているとは思います。日本人的な部分があるかと問われるとそれは疑問ですし、日本語は5%もわかりません。でも他のPGAの選手よりは日本に慣れ親しんでいることだけは確かですね。GD 好きな日本食はなんですか? シャウフェレ スシもサシミも好きですし、ウナギも好き。おじいちゃんがウナギの名店に連れて行ってくれるというので、1時間半も列に並んで食べたこともあります。トンカツ店にもラーメン店にもうどんのお店にも行ったことがありますね。(食べ物の名前はすべて日本語)。沖縄で食べたうどん、オキナワソバでしたっけ? あれもおいしかったです。妻が沖縄出身なんです。ハーフですね。沖縄にいる妻の両親にも会いに行きました。だから、いろんなオキナワソバを食べてますよ(笑)。日本人が普通に思い浮かべる食べ物はだいたい食べてますね。アメリカで“スシ”って言うと、アメリカ人は1種類だと思いますが、私はスシに何十ものネタがあることを知ってますよ。 (左)電話中にカメラマンを見つけると、手を振ってくる人懐っこさが人気の秘密。「日本はおじいちゃんとおばあちゃんがいる大好きな国だ。みんな、ヒデキだけじゃなく、僕のことも応援してくれよ」/(右)フェニックスオープンのプロアマ終了後、大勢並んだちびっこファンにサインするシャウフェレ。サインだけではなく、求められるままに写真にもニッコリ笑顔で収まるとは、さすがファン想い 週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より こちらもチェック!

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  • 2019年にアマチュアとして夢の舞台に立ち予選を突破した金谷拓実。その後実績を重ねプロ入り。今週開催のマスターズに、プロとして初出場する。今の思いを聞いた。 PHOTO/Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos 2022年が始まってすぐ、金谷拓実は海外転戦に出た。ソニーオープン(予選落ち)、アブダビHSBC(25位)、ドバイデザートクラシック(予選落ち)、サウジインターナショナル(14位)と世界を巡るも、あまり調子が上がっているようではなかった。金谷はこの時期、プロとして、とにかく結果を出さなければならないという“重い思い”で、がんじがらめになっている自分に気づいたという。「まずは、それをしっかり受け入れてやろうと、ベイヒル(アーノルド・パーマー招待)の週から決めたんです。そして、プロの僕が言うのも何ですけど、アマチュアのときのような気持ちでプレーしようとも考えるようになった。一打一打、たとえミスしても、まだアマチュアだから、まだ先があるから、まだこれだけではないからと思えていた。プロとして、仕事だと思いすぎて自分を狭めていたのかもしれません。でもそれで、結果もですが、自分自身が長く続けられないのであれば、せっかくゴルフを職業にできているのに、なんだか申し訳ないなと思って。もう少しアマチュアのときみたいにゴルフをエンジョイしたい。そうすると同じ結果でも、次につながるものは違うと思うんです」焦りや葛藤を、考え実践することで乗り越えてきた金谷。今の気持ちを一つ一つ絞り出すように、丁寧に説明してくれる。「昨年の全英オープンが終わって飛距離アップに取り組んできて、今年1月から4試合やって、やっぱりそのときにスウィングも崩れた。もう一度、自分のゲームができるよう自分をきちんと磨いて、自分のゴルフをもってやりたいなと思って臨んだベイヒルでした」このアーノルド・パーマー招待で金谷は予選落ちだったが、「結果的に1打足りませんでしたが、僕のなかでは活きていて……きちんと自分のゲームをやれていたし、これを続けていけばいいんだと。手応えとまでは言えないけど、自分のなかでは今までよりもすっきりした感じ。コースはめちゃくちゃ難しかった。距離は長いし、フェアウェイも狭いし、フェアウェイからでもなかなかボールを止められない。でも、今までみたいに“わけがわからない”という感じではなかった。それに、あれだけ難しいと、ああいうスコア(優勝スコアは5アンダー)になるんだなあと少し安心しました」昨年、全米プロで覚えた違和感が取れず、調子が上がらず自信をなくし、もがき悩み続けた日々――とは明らかに違う。それは、「自分のゴルフをしてやる」と考えていたから。金谷がいう自分のゴルフとは、どんなに曲げても、どんなにミスをしても、目の前の一打を拾っていく“泥臭い”ゴルフだ。 この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です 鍛錬し挑戦し続ける「諦めずに頑張れば、チャンスをもらえる」 そして迎えたWGCデルテクノロジーズ・マッチプレー選手権。日本人で唯一参戦していた金谷拓実は、日々のインタビューで繰り返し「自分らしいゴルフをするだけ」「最後まで諦めないでプレーする」と言い続けた。まるで自分に言い聞かせるように。やるべきことに集中し、諦めない姿勢こそが、運を呼び、道を切り開くことを金谷は知っている。以前、金谷はこう言っていた。「どんなときでも最後まで絶対に諦めずにプレーする。もったいないと思うんです。途中で諦めたらスコアにも出る。最後まで尽くしたならば、予選落ちしても、得るものはあると思う」予選ラウンド第1戦、X・シャウフェレに3&2で敗れ、第2戦のT・フィナウとの試合でも15番を迎えて2ダウン。しかしこのホールを「偶然の」チップインで1つ取り戻し、16番、17番と続けて先にパットをねじ込み、1アップで18番に臨み勝利をもぎ取った。 WGCマッチプレー、逆転勝ちしたフィナウ戦。グリーン外からパットで決めガッツポーズ。目にもゴルフにも、持ち前の勝負強さが戻ってきた。マスターズ後のRBCヘリテージの出場権も獲得した 「中盤までは苦しいマッチだったけど、最後まで諦めずにプレーしてこういう結果になったことは自信にもなる」3回戦のL・ハーバート戦はさらに凄みが出て5&4で圧勝。続けて行わ懸けたれたハーバートとの決勝トーナメント進出を懸けたプレーオフ・1ホール目の第3打、58度で打った80Yのショットがピンに絡む。これがプレッシャーになったのか、2オンしていた相手が3パットし金谷の勝利。「この試合は自分らしいプレーができていたし、プレーオフはティーショットをミスしてピンチだったけど、自分を信じて最後まで諦めずにプレーして結果がついてきたのでよかった」そして迎えた決勝ラウンド。C・コナーズに5&3で敗れ、ベスト16で終わった金谷は、本当に悔しそうな表情をしていた。「こういうチャンスをつかみたかった」悔しい思いは、“もっとできる”気持ちがあってこそ生まれる。金谷に自信が蘇りつつある証拠だと思う。この試合の結果、64位だった金谷の世界ランキングは、49位となった。 「こうしなさい」というコースの声を聞いて攻める マスターズに話を向けよう。アーノルド・パーマー招待後、フロリダでの合宿の前、金谷はオーガスタナショナルGCで2日間プレーしてきたという。2019年、初めてアマチュアで出場したとき以来のオーガスタだ。 「1回目のときのような感動はやっぱりなかった」と笑う金谷。それこそがプロの証しにも思えるが、3年前を振り返って、「僕、タイガーの復活優勝は見ずに帰らされたんです。ローアマだったら一緒に写真に納まっていましたよね。(最終日一緒に回った)デシャンボーもまだトレーニング前のデシャンボーだった(笑)。でも、あのときはやっぱり、初めてだったから、一つ一つ何でも経験にしたというか、純粋にいろいろなことが受け入れられていたと思うんです。今足りないのはそういう純粋に、楽しいからやっているという気持ちですよね」 3年前とつながっている自分と向き合いながら、今、やるべきことをやり続ける。 3年前のオーガスタ「純粋にいろいろなことが受け入れられていた」初めてスタートホールに立ったとき、「今までにない感じで、すごく緊張していた」という金谷。ずっとウワーッという感じだったが、「一つ一つ何でも経験にした。いま足りないのはそれです」 昔の自分から学ぶこともある。「2月の自主隔離期間中に携帯を開いたら19年の練習ラウンドのメモが出てきたんです。(コーチのガレス・)ジョーンズさんとやり取りする時間があり、それを『書き出しなさい』と言われて送ったら、アップデートしたことは何か聞かれ、『では、その練習をしなければね』と。たとえばドライバーでフェード、3番ウッドでドローを打つことがホールごとに必要だから、その練習をしないといけないと書いてあったり。ほかには、傾斜が強いところから60~100Yのピッチショットの練習が必要とか、いろいろと。僕は、結構メモに残している。いいときはあまり書いていませんが、めちゃくちゃダメなときなどは、ショックが大きいから書いてあるんです。でも、見返すと役立つものですよ」 「安定感で攻めるタイプ。ショートゲームもファンタスティック」(ガレス・ジョーンズ) バレロテキサスの会場で2年ぶりに直接指導を受けたジョーンズコーチと。「精神面も強く、モチベーションも高い。真面目でいつも向上しようとする普段の姿勢がいい。正確性や安定性で戦い、ショートゲームがすごく、戦略で攻めるタイプ。その強みを生かそうとしている。今は長いスパンで見て、一緒にやっていこうと思っている。お互い信頼し合って、やるべきことを共有できてそれに向き合えている。少しずつ自信もついてきているように感じるよ」(ジョーンズ) 今年、少し改修されたオーガスタ。戦略を変えたほうがいいと思うホールもあったという。「たとえば11番(パー4)。距離が少し長くなっていますが、3年前は何がなんでもセカンドはグリーンの右に打ってアプローチで拾うと決めていましたが、それが改修されて、右に外れたらもう絶対に寄らないんですよ。ティーショットの落とし所は少し広くなっているんですけど……15番(パー5)も少し距離が伸びていましたし、ティーショットの落とし所は広くなっていた気がしましたが、2オン狙いがいいのかどうか。そもそもパー5は、すごい傾斜のなかで2打目を打たされるから、ティーショットが上手くいっても3打目で勝負しなさいと、3年前はジョーンズさんに言われていたんですが、今年は……」とはいえ、やることは変わらないという金谷。「ドローヒッター有利と言いますが、上手い人には関係ない(笑)。そこまで思い切り曲げる選手もいないし。でも一番はやはり、コースに『こうしなさい』と言われているような感じがすること。ピンではない方向に打ってもピンに寄っていく。だからこそ、きちんとそこに打たなければならない。決められたように進めていかないとダメかなとは思っています。3年前は、予選落ちするような位置から諦めずにプレーしたら、16番(パー3)ですごく長いパットが入ったりした。ハウスキャディさんに1つずつ聞きながら、1ホールごと、1打ごと進めていった。今回も同じようなことを繰り返すと思います」金谷は今年の海外遠征で、「いろいろな人に助けてもらいながら」過ごしたという。自分だけで突き詰めるのではなく、人や息抜きに頼る術も増やしているようだ。「欧州ツアーでは、川村(昌弘)さんが、僕とキャディさんを見つけたらすごい勢いで走ってきます(笑)。1人で参戦しているから、たまにお会いすると、すごくしゃべるんです。面白いですよ」松山英樹のアメリカの自宅にも行った。「結構お邪魔させてもらいました。ご飯もいろいろと出してもらったし、練習も。松山さんはケガをしていたので、キャディの早藤将太さんとラウンドして、松山さんは18ホールキャディをしてくれました。カートを運転して、ボールを拭いてくれ、ゴルフを教えてもらいました」風が強いときなど、自分が気づかないうちにボール位置や重心の位置、構えなどが徐々にズレる。それを一回一回確認している、と松山が言うのを聞き、すぐにPGAストアに行き、アライメント確認の練習器具を購入した。こういう体験も気分転換になった。 「自分がどこでプレーしたいのか。それで行動も練習も変わる」 上の言葉は「松山さんの言葉です」。アメリカ遠征中、松山英樹の自宅を訪問、ゴルフも教わり、改めてアライメント確認も徹底。「真っすぐ打ったり、やはり自分の得意分野を磨くことは大事です」 「いろいろな器具を見られたので面白かったです。アメリカにしかないものもあったし、もっと買いたいなと思いました(笑)。生活の面でも何でも挑戦してみようかと思っているんです」前のめりに進み続ける金谷にとって、メリハリはきっと、心に余裕をつくってくれるはずだ。 マスターズで自信をつけたい 今週、オーガスタの舞台に立つ日本人選手は3人。昨年の王者、松山英樹に対しては、「初めてのディフェンディングに挑むんですから、とにかくすごいですよね。僕も一緒に出られて名誉です」と金谷。ナショナルチームの後輩、アマチュアで初参戦する中島啓太は、金谷と一緒にマスターズに出られるのが一番嬉しいと話をしていた。「僕の出場が後から決まったので。ソニーオープンのときだと思いますが、啓太が『感動した』と言ってくれました。それに一番よかったのは、ジョーンズさんが2人とも出られることを喜んでくれたこと。2人で一緒に練習ラウンドを回れると思うので嬉しいですね。パー3コンテスト、僕はアマチュアのとき出られなかったので、一緒に出られたらいい。僕が啓太くんのキャディをしますよ(笑)」コーチのジョーンズ氏とも約2年ぶりに会った。生の言葉での指導は心強い。「LINEなどでほぼ毎週やり取りはしていますが、本当に久しぶりです。ただ、マスターズのためだけの練習ではなく、今の自分の課題に取り組みます。飛距離も精度もシーズン中に徐々に積み上げていきたいですから」マスターズでの目標を聞くと、今、「優勝」とは答えられない自分がいると笑う金谷。「前は結構そういうことが言えていたけど、最近は言えなくなりました(笑)。楽しみですし、もちろんメジャーなのでいいプレーをしたいですが、予選を通過して自信にできればいいなと思います」その自信は、「PGAのツアーカード獲得」という、先の目標のためにも必要なもの。だからこそ、このメジャーに、いろいろなものを“つかむための試合”として臨む。「松山さんならば試合を選べる立場ですから、準備の仕方がある。でも僕はそこにも立てていないから。啓太とかを見ていて、僕もアマチュアのときは、メジャーに出られるとなったらそこに向けて準備できていたなあと。今はそれが難しい。でもやっぱり、それが嫌だったら優勝したり、ツアーカードを取ることが必要だなと思います。出るチャンスをいただけた試合はものにしたいです」 2度目のマグノリアレーンはきっと、葛藤する金谷を、その先の道へといざなってくれるはずだ。 以前、ある野球選手の言葉を借りて、「絶対に皆にチャンスはくるけど、その1回だけかもしれないので、その1回を仕留めないともう上がっていけない世界がある」と話をしてくれた。金谷は絶対に諦めないし、目の前の1打に全力を尽くす 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より こちらもチェック!
  • 4月のマスターズトーナメントに向けて日々「準備」を重ねるスーパーアマ、中島啓太。そのトレーニング現場をちょっぴり拝見。そこには世界アマチュアランキング1位の「自覚」とともに集中力マックスで練習する21歳の姿があった。 PHOTO/Hiroaki Arihara 春の気配が漂ってきた3月某日、杏文パフォーマンスセンターで。胸板が厚くなった姿に「筋肉の撮影」をお願いすると「恥ずかしいです」とはにかむのもまた、中島だ 静かなスタジオに今日も器具の音とトレーナーの掛け声と中島の荒い吐息だけが響く。「技術だけではなく、本当に心技体100%で臨まないと全部跳ね返されそうな感覚です」と話していた中島は、ゴルフの祭典を2週間後に控えて、確かにひと回り大きくなった。「とにかくたくさん食べてたくさんトレーニングをして体を大きくしてきました。最後まで体が切れるイメージを持って、力を出し切るためにトレーニングは頑張れています。順調です。体重も筋肉量も増えていて、このまま継続して試合を迎えられたらいいと思います」体重は75~76キロの間を行き来している。筋肉量も除脂肪体重が64キロくらいでいい感じ。脂肪を増やさないように体重を増やして筋量を増やしていく。その数値を共にチェックするのはトレーナーの栖原弘和氏だ。「彼は痩せやすい。体質もありますが、試合に行くとすぐに体重が落ちる。そこはしっかり気をつけています。胸筋、いいと思いますよ。バランスよく鍛えているので、ハーフパンツの上からはわかりにくいですが、お尻なんかもいい感じです。触ってみてください(笑)」 「メニューも自分のチームも信じて取り組んでいます」 ナショナルチームのヘッドトレーナーでもある栖原氏が考えたメニューで汗を流す中島。これは、コーチのガレス・ジョーンズ氏とも綿密に話し合いながら決めたものだ。この時期のスウィング改造というとリスクがありそうだが、そんなことはない。ミスやケガにつながっていた部分の使い方を細かく修正し、より安定感を求めていく。球筋からスウィングをつくるという中島。手首も積極的に使っていた。「彼は、腰痛、首痛が頻繁に出ていたので、スウィング中の動きが腰や首に負担をかけているということを話し合って、その修正を促進するようなエクササイズをしていきます。ゴルフに特化したプログラムと、腰や首周辺を鍛えるなど体自体を強くしたり柔らかくするジェネラルなプログラム、2つを組み合わせる。また、基本的にクラブがオンプレーン上を動くようにするために、体の動き、下半身や体幹、腕の動きをシンプルにしていく感じなので、手首の動きの修正もそのうちの1つです。マスターズはもちろん、大事な今年、その後にもつながっていきます」トレーニングすればゴルフが上手くなるのではなく、自分のゴルフの何を改善したくてトレーニングするかが大事だと栖原氏。「それぞれのプログラムの意味を、すべての選手に説明しながら行います」 ブルガリアンスクワットバーベルを担いで、片足ごとに下半身の曲げ伸ばしをする。「足の曲げ伸ばしの力を強くして、下半身の力を骨盤の回旋、体幹の回旋につなげていき、クラブスピードを上げていきます」(栖原) 真上と横にジャンプ! スウィングにつながる速い動きをトレーニング。真上と横で力を出す方向を変える。「バックスウィングは、骨盤を横に動かす力があって初めて回転しやすくなるので横にジャンプ、またその後の回転には上方向に力を発揮する必要があるので真上にジャンプ。両方行うんです」(栖原) 中島は、この説明にしっかり耳を傾けるという。学ぶことに貪欲だ。「中島選手は謎の落ち着き感があります(笑)。いい意味で大人です。それに、栄養士さんが『ラーメンには脂質がすごく含まれているのでよくない』と話すと、まったく食べなくしたり、生真面目というか、納得するとずっと貫くところがある。アスリートとしては大事な部分。性格は見た目のクールな感じのままですが、元気ですよ。でもヘラヘラしているよりシュッとしていてアスリートっぽいでしょう」栖原氏も夢の舞台に同行する。「初めて行くので楽しみです。でも、あちらでも、いつもとやっていることは変わらないと思います」先日、中島のもとにアマチュアディナーの招待状も届いた。「本当にワクワクしています。自分が今持っているすべてをかけられればいいかなと思います」(中島)日頃から、世界アマランク1位の「自覚」を持っていたいと言う中島に魔女もきっと微笑むはず。2週間後、オーガスタナショナルGCの1番ティーに立つため、視界は良好だ。 >>後編へつづく 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より こちらもチェック!
  • トッププロのスウィングをじっくり観察・分析して、最新スウィングを徹底研究! 今回はPGAツアー選手から8人をピックアップ。見るだけでもいいイメージが湧くので、好きな選手のスウィングを目に焼き付けてからラウンドに臨もう! PHOTO/Blue Sky Photos ジョン・ラーム 松山英樹 ジョーダン・スピース ジェイソン・デイ ブルックス・ケプカ ザンダー・シャウフェレ ブライソン・デシャンボー タイガー・ウッズ こちらもチェック!チャーリー・ウッズのスウィング