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【山を動かす】日本の男子ツアー、どうすればもっと魅力的になる?

ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは男子ツアー活性化について。女子ツアーが隆盛を極めるなか、男子ツアーは、どうしたら試合数をはじめ、魅力をアップさせられるか。識者やアマチュアゴルファーの意見を聞いた。

PHOTO/Tadashi Anezaki

●女子ツアーも大好きですが、男子ツアーの観戦に行ったとき、その迫力にびっくりしました。アイアンの空気を切り裂く音など、やはり男子ツアー独特のもの。テレビ中継でも、音をしっかり拾ってほしいと思います。自分のプレーの参考にするなら女子がいいかもしれませんが、男子プロのプレーを一度生で見てほしいです。(50代男性・東京都)

スポンサー対策とファン対策を分け、両方から考えなければならないと思います。スポンサーにとってはプロアマがとても大切なイベントです。それに付随している前夜祭やパーティも大切。そこではおもてなしももちろん大切ですけど、プロが与える印象も考えないといけません。好印象の第一歩は爽やかさや清潔感。髭面、伸ばしっ放しの髪の毛はどうかと思います。服装は、プレーが終わったらブレザーに着替えてほしいですね。スポンサーに「開催してよかった」「また開催したい」と思ってもらえる工夫が必要でしょう。ファンに対しては、トーナメントを見に来て、試合を楽しんでもらうのは当然ですが、わざわざお金を払って来ているのですから、何か“お得感”みたいなものを用意するといいんじゃないでしょうか。例えばメーカーや量販店に協力してもらって、ゴルフ用品を格安で販売するとか、開催地の商工会や農協に協力してもらって、ご当地グルメを安く販売するなど。開催地との協力関係も必要だと思います。そうやって会場に来るファンに、やはり「また見に来たい」と思ってもらうようにするといいんじゃないでしょうか。いろいろな団体や業者に協力を頼むのは大変だと思いますが、そういう地道できめ細かい取り組みからコツコツやっていってほしいです。(髙橋勝成/プロゴルファー)

●これまで散々、JGTOの機能不全について指摘してきましたが、今回は希望の光が見えてきた話をしたいと思います。5月に行われた「ジャパンプレーヤーズ選手権」のことです。JGTO執行部には任せておけず選手会自身で立ち上げた試合です。最初のスポンサーはコロナ禍でプロアマがなくなったことを理由に降りてしまいましたが、選手会の田島創志が新たなスポンサー(サトウ食品)を見つけてきました。従来なら代理店経費、テレビ局への放映権、運営費などで賞金総額の3倍はスポンサーが払わなければなりません。しかし、この試合はスポンサーは自分たちで見つけ(代理店なし)、テレビ放映はなく、ネット配信だけだったので、サトウ食品も費用を出しやすかったと思います。つまり、同大会は興行を自主運営できたということです。自主運営を成し遂げたのが米ツアーですよ。今回は無観客でしたが、本当なら入場券も自分たちで売るようにして、賞金総額を確保できれば、完全自主運営になります。客を呼ぶには都心に近いところ、例えば若洲ゴルフリンクスなどで開催すればギャラリーも駆けつけると思います。ブリヂストンオープンが来年から中止とのニュースが入ってきましたが、今年で49回目の伝統ある大会でもやはり、スポンサーの負担額が莫大で耐えきれなかったということでしょう。ますます自主運営大会への希求が高まっていると思います。(タケ小山/テレビ解説者)

初シードの久常涼(写真左)は19歳。実力はもちろんナイスキャラにも注目。「ともくん」の愛称でおなじみの石坂友宏(22・写真中)もシードゲット。一方、ベテランの谷原秀人(43・写真右)はVISA太平洋マスターズ、日本シリーズを制するなど気を吐く

●女子プロ12人の手作り大会「神奈川レディースオープン」を参考にしてみてはどうでしょう。協賛会社集めから運営まで、神奈川県ゆかりの女子プロ12人が手弁当で作り上げた大会です。今年で4回目。賞金総額は500万円ですが、プロたちの汗の結晶でしょう。今の女子ツアーの陰でこんな大会もあるということが貴重に思えます。(某ベテラン女子プロ)

●池田勇太に期待です。「ジャパンプレーヤーズ選手権」開催のきっかけをつくったのは彼だと聞きましたし、リーダーシップを発揮しています。ルールにも詳しいし、ちょっと不良っぽく見えますが、実はインテリかもしれません。近い将来のJGTO会長候補じゃないですか。いいと思いますね。(70代男性・東京都)

●女子ツアーは最初こそ「かわいい」とか「セクシー」で人気が出ましたが、最近は、やはり選手が真剣に一生懸命プレーしているのが理由だと思います。ただ「かわいい」だけではこれだけの人気は出ませんし、スポンサーも価値を評価していると思います。男子ツアーも昔はそうでした。僕がプロゴルファーになった頃、シード権は40位まででした。それが今では65位まで。これではトップクラスの選手ならシードを落とすことはなく“新陳代謝”が起こりにくい。このシード資格を30位とか40位までにしたら、選手はもっと必死になるように思います。選手だった僕が「シード40位まで」なんて言うと、相当反発されそうですけど、それぐらいの改革は必要だと思います。というのも、現状では女子ツアーのほうが試合数も賞金総額も多いのに、シードは50位まで。シードはツアーの規模に合わせて決めるべきでしょう。ツアーはある種のステージです。見ていて面白くなければ興行主もつかないし、お客も呼べません。選手がもっと真剣にプレーする状態を作り出してほしいです。(水巻善典/プロゴルファー)

●直接的な魅力倍増プランではありませんが、事実として、世界を感じさせる若手が出始めていると思います。この秋にプロ転向した杉原大河選手は300ヤード超の飛距離の持ち主ですし、実力派の金谷拓実選手、19歳の久常涼くん、まだアマチュアですが中島啓太選手、河本力選手、みんなグローバルな活躍を意識したコメントを聞きます。彼らが中心になったら必然的に男子ツアーの魅力も増していくはず。(50代男性・千葉県)

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月21日号より

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  • カシオワールドオープン終了時の賞金ランキングによって、国内男子ツアーの来季のシード権が確定。15人が初シードを獲得した。 PHOTO/Tadashi Anezaki 初の賞金シードを獲得したのは15人。プロ4戦目にしてツアー優勝を果たした片岡尚之、現役大学生プロの石坂友宏、伸び盛りの19歳、久常涼など、期待できる顔ぶれが出揃った。15人の顔ぶれを見ると、10代が久常涼の1人、20代が12人、30代が32歳の阿部裕樹と39歳の内藤寛太郎の2人で、平均年齢は26.1歳。男子も確実に新陳代謝が進んでいる。来シーズンの活躍が期待されるところだ。 賞金ランク19位 片岡尚之(23) 今季、初優勝で一気にブレーク北海道出身、東北福祉大卒。高校時代に日本ジュニアを制するなどジュニア時代から活躍。プロ4戦目のジャパンプレーヤーズチャンピオンシップで初優勝。ブリヂストンオープンでも2位に入るなど、トップ10入り6度。「今年はアベマTVツアーで頑張ろうと思っていたので、優勝は想定外だった。来年は2勝目と賞金王が目標」 賞金ランク18位 石坂友宏(22) 現役大学生プロのシード選手が誕生神奈川県出身、日本ウェルネススポーツ大在学中。19年QTでファイナルまで勝ち上がってプロ転向。20年ダンロップフェニックスではプレーオフで金谷拓実に敗れ惜しくも優勝を逃した。「夏に向けて調子が上がって『1勝できるかも』と思っていたけど、チャンスがつかめなかったので、来年は頑張ります 賞金ランク50位 久常涼(19) ピカピカの高卒ルーキー。下部ツアーで3勝岡山県出身、作陽高卒。21年高校卒業後アベマTVツアーに参戦し、早々に3勝を挙げレギュラーツアーに昇格。VISA太平洋で4位タイに入るなど存在感を見せた。「今年は上出来。いいペースで段階を踏んでいけていると思います。来年はレギュラーツアーで早く1勝して、複数年のシードを持って海外のQTなどにも挑戦したい」 賞金ランク21位 杉山知靖(28) 神奈川県出身、中央学院大卒。明徳義塾高で松山英樹の2学年後輩。15年にプロ転向。10月のブリヂストンオープンで初優勝 賞金ランク22位 大岩龍一(23) 千葉県出身、日大中退。パナソニックオープンでは最終日をトップで迎えるも3位。ほかにもツアー選手権などトップ10が7度 賞金ランク27位 阿久津未来也(26) 栃木県出身、日大卒。18年日本プロで優勝争いを演じた。21年ダイヤモンドカップで4位タイに入るなど活躍し初シード獲得 賞金ランク30位 古川雄大(24) 福岡県出身、東海大卒。19年QT59位。21年日本プロで9位タイ、ツアー選手権2位とメジャーで強さを見せ、初シード獲得 賞金ランク36位 小斉平優和(23) 大阪府出身、日本ウェルネス高卒。20年は米下部ツアーに参戦したが、コロナの影響で秋に帰国。日本ツアーに専念した 賞金ランク37位 植竹勇太(26) 北海道出身、東北福祉大卒。比嘉一貴は大学の同期。19年QT7位。ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップで優勝争いを演じ2位タイ 賞金ランク39位 幡地隆寛(28) 広島県出身、東北福祉大卒。日本人屈指の飛距離を武器に21年ツアー選手権5位、ダンロップフェニックス4位タイ 賞金ランク40位 内藤寛太郎(39) 福島県出身、東北福祉大卒。宮里優作や岩田寛の2学年後輩。20年日本オープンで3位タイ。06年のプロ転向後初となるシード獲得 賞金ランク47位 杉本エリック(28) 千葉県出身、南カリフォルニア大卒。16年に米3部ツアー参戦。21年ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ2位タイ 賞金ランク53位 清水大成(22) 福岡県出身、日大卒。大学在学時の20年日本オープンで13位タイ。20年QT55位。21年日本オープンなど3度トップ10に入る活躍を見せた 賞金ランク56位 池上憲士郎(29) 岡山県出身、東北福祉大卒。19年QTで4年ぶりにファイナル進出し27位。21年フジサンケイクラシック2位タイ。FWキープ率6位 賞金ランク62位 阿部裕樹(32) 栃木県出身、日大卒。20年QT66位。21年は16試合に出場。トップ10入りは1度のみだったが、コンスタントに予選通過しシード獲得 週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマはゴルフウェアのカジュアル化について。昨今ではプロが試合でパーカを着て物議をかもしたケースもあったが、ゴルフウェアとしてのパーカ、アリかナシか。専門家やアマチュアゴルファーに意見を聞いた。 ●昨年のBMW選手権でティレル・ハットンがパーカを着ていたのは、開催コースのドレスコードでOKだからでしょう。欧州ツアーもPGAツアーも独自にドレスコードは決めていますが、それに当てはまらない場合は、開催コースにゆだねるのが常道ですから。PGAツアーでは夏の短パンはキャディだけと決めていたけど、今じゃ練習日までは選手もOKだから、ドレスコードは時代とともに変わっていくもの。パーカも寒い欧州だから許されているのでは? 個人的にはパーカでプレーするのは御免こうむります。フードをかぶってたら風向きや強さだってわからないしフードのひもはスウィングの邪魔。アパレルが若い人たちのゴルフウェアとして市場を開拓しようとしているんでしょうが、僕ら古いもんには関わりのないことです。(タケ小山/テレビ解説者)●数年前にゴルフを始めたとき、デニムはダメだと知っていましたがパーカもダメなコースがあるとは知りませんでした。びっくり。(20代女性・神奈川県)●パーカを着るのは、僕個人としては、あまりいい感じがしませんね。ゴルフウェアのメーカーが出しているから着る、と言う人もいますから、メーカーにも考えてもらいたいと思うし、ゴルフの競技団体からもメーカーに申し入れをしたという話も聞きました。たとえばポロシャツもすごく丈が短いものを作っているメーカーがあり、プロの試合でも裾がズボンの外に出てしまうものがあって、問題になったことがありました。テレビを見てクレームを入れる人もいます。クラブが決めたドレスコードは守ってほしいと思います。(細川和彦/プロゴルファー)●僕は古い人間なので、とても気になりますね。パーカはダメだと思いますよ。だけど時代の流れなんですかね、うち(鳴尾GC)でも数年前から、短パンに長いソックスじゃなくて短いソックスでもいいことになりましたからね。お客さんに「シャツの裾を入れてください」と注意することもありますし、試合で若いプロ、といってもシニアですから50歳すぎなんですけど、限りなくTシャツに近いウェアを着ているのを注意したことがあります。そうしたら「これはゴルフウェアですが」と反論されました。これも時代の流れなんでしょうね。でも、プロとしての基準があると思うんです。何でもOKではダメです。そういうウェアをメーカーが作っているのも問題なんです。着ているものはその人の心が出ます。気をつけていただきたいですね。(水巻善典/プロゴルファー)●ゴルフショップでウェアを見て回るのが好きですが、ゴルフアパレルメーカーがたくさんパーカを出しています。それで、着られないコースがあるってどうなの!?(40代女性・東京都)●結婚式や葬式でのドレスコードは、マナー本まで読んでしっかり勉強したし守ります。結婚式で花嫁を引き立てるために白は着ないとか、葬式では“不幸が重なる”のは良くないから二連のパールネックスレスはしない、とか。理由がしっかりあれば守るけど、デニムはもともと作業着だからダメという理由はいまいち合点がいかない。もちろん守っていますがゴルフ場って結婚式や葬式ほど厳粛な場なんですかね。(50代女性・東京都)●表彰式で選手がパーカを着ていた問題、ありましたね。あれは関係者が良くないですよ。周囲がサポートして、ブレザーを用意するとかしないと。時と場所、それに伝統がゴルフにはあります。それがわからない人には、スタート前に「ここではダメですよ」と言ってあげるべき。「試合に出たいのなら、ドレスコードは守ってください」とね。いい年をして、それを知らないほうがおかしい。人格の問題です。20歳やそこらなら、問題になる前に周りが注意したほうがいいですね。(髙橋勝成/プロゴルファー) 物議をかもしたティレル・ハットン。表彰式ではフードをかぶらないほうが良かった?(Photo by Ross Kinnaird/Getty Images) ●ファッションはTPO。だからゴルフ場に行く際はホームページでドレスコードをチェックします。郷に入っては郷に従えは当然の話。個性は見た目ではなくプレーで出します(笑)。(50代男性・埼玉県)●ゴルフ場が決めているドレスコードは守ってほしいですけど、トーナメントをやっている期間はゴルフ場は場所を主催者に貸しているので、口が出せないケースも。だからJGAやJGTO、選手会などがドレスコードを徹底してほしいですね。まあ、リゾートコースなんかだと、Tシャツに短パンもありだと思いますけど、僕個人としては、ショートパンツより、ニッカーボッカーのほうが格好いいと思います。うち(我孫子GC)に来るんでしたら、うちが決めた規則は守ってほしいです。カーゴパンツや迷彩柄を着ている人には「ショップで売ってますよ」と言いますね。どうしても着替えるのが嫌だったら「他のコースへ行ってください」となります。(海老原清治/プロゴルファー)●パーカ、禁止です! ドレスコードもなにも……そんな服装で来た人もいらっしゃいませんし。(今泉博さん/霞ヶ関CC総支配人)●僕の感覚ではファッションとしてのパーカはゴルフウェアとしてもう許されるのでないかと思っています。ファッション全体にカジュアル化が進み、またコロナ禍で若者のゴルフへの参入が多くなって、その延長線上に「パーカ」があるような気もします。一方、カジュアル化を拒む名門コースのドレスコードがあります。どちらも少しずつ歩み寄ればいい時代になってきているのではないでしょうか。冠婚葬祭のときの厳粛さのなかにもドレスアップを楽しめばいいし、パーカの上にブレザーを羽織る着こなしもありだと思います。ぼくの祖父(VAN創設者の石津謙介)が提唱したTPOを楽しむ精神ですよ。パーカはもともと、雨露をしのいだり、首筋を日焼けから守るための実用から、黒人たちのヒップホップシーンでファッション化した経緯があります。それにアパレルがゴルフウェアのカジュアル化で若者への市場を広げている。ブームを起こすには新しいことをやる必要があります。ゴルフ人口を広げるチャンスでもあり、パーカがその小道具になっているのなら、TPOを考慮したうえですが、ゴルフウェアとしてパーカ、賛成です。(石津塁/ファッションプロデューサー) 週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より こちらもチェック!
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは距離計測器の使用について。今年は「全米プロ」「全米女子プロ」「全米プロシニア」のメジャーでも使用が認められ、ゴルファーにとって必需品の域に入ってきた距離計測器。その“功・罪”を専門家や一般ゴルファーに聞いてみた。 ●セルフで回る機会が多くなったので、アマチュアの人が距離計測器を使うのは悪くないんじゃないですか。僕自身はトラックマンなどの弾道測定器もそうですが、ゴルフのさまざまなことをデータ化するのが好きじゃないので使いません。感性がなくなる気がするんです。でも、これからはそういう方向に行くんでしょうね。距離計を使うのもいいでしょうけど、くれぐれもスロープレーにならないように、進行には注意してください。(細川和彦/プロゴルファー)●最近では1パーティ4人全員が計測器を持っていることが少なくない。以前、スタート前のお決まりといえば、みんなのクラブをチェックしてワイワイすることだったけど、今は距離計の性能についてワイワイやっている。(50代男性・東京都)●日本にまだ距離計がなかった93年にアメリカに行ったときに、メーカーが販促で配っていたこともあってプロのほとんどが使っていました。僕ももらいましたけど、あまり使いませんでした。今でも大きく曲げて隣のホールに行ったときには持っていきますが、それ以外は使っていません。知りたいのはピンまでの距離ではなくて、エッジまでの距離と、エッジからピンまでの距離ですからね。グリーンの形状とか硬さとか、それによって番手とか球筋を決めるわけで、単純にピンまでの距離がわかっても、あまり意味がありません。パープレー前後で回る人はそうだと思いますよ。最近のカート搭載のGPSディスプレーはグリーンエッジまで、ピンまで、奥までという表示がありますが、あれは役に立ちます。アベレージゴルファーには距離計はいいと思います。自分のキャリーとランを含めた飛距離を知らない人が多いので、計測器を使って、それがわかるようになりますから。ただ、数字ばかりでゴルフをやっていると、ゴルフ本来の楽しみ方がなくなってしまうような気もします。(水巻善典/プロゴルファー)●プロキャディをしていますが、距離計が使える試合では選手との“ケンカ”が絶対に減ります。もちろん、距離は私も見ますが、距離計の数字がセカンドオピニオンみたいな感じになり、安心感にもつながるようです。プロの試合ではペースアップにつながっていると思います。(50代男性・神奈川県)●距離計測器を使うのはいいことじゃないですか。アマチュアゴルファーにとっての“オモチャ”ですよ。ゴルフの楽しみがひとつ増えたということです。計測するのも時間はそれほどかからないし、スロープレーにはなりません。一般アマチュアは自分の飛距離を知っている人が少ないでしょ。7番を持つと150ヤードだと思っているとか。そういう人は計測器を使っているうちに、何かを発見できるようになるかもしれません。細かな数字を出されてもそれが打てるかどうか、というのはともかくとして、面白いプレーができるようになって、ゴルフがいい方向に行くんじゃないかと思います。(髙橋勝成/プロゴルファー)●「残り152ヤード」などと、バシッと数字を出されても、ピタリと打つ技術なんか持っておらず、宝の持ち腐れ感たっぷり。(60代男性・千葉県)●計測器を使ってプレーが早くなれば問題はないと思いますよ。そういう時代になってきたわけですから。でも、数字を見てゴルフをやると、何ヤードという数字に合わせてバックスウィングの大きさとか、スピードを決めてしまうようになりますよね。僕らは見た目でバックスウィングとかスピードを決めていました。それが数字ばかりになっちゃうと、距離感というのが養われなくなっちゃうと思うんです。どうして見た目でゴルフをするのが大事かというと、グリーン上とかグリーン周りとか、何ヤードとか歩数じゃなくて、やっぱり見た目じゃないですか。歩測しても、上りもあれば下りもあるし、グリーンの速さもあるんですから、単純に数字をあてはめられない。見た目でプレーするのに慣れていたほうが、もっとゴルフは上手くなれると思うんです。(海老原清治/プロゴルファー) 今年の全米プロでは多くの選手が距離計を使用。ちなみに右の写真は20年近く前、アーニー・エルスが距離計測器を使う様子。この頃は手ブレが大問題だった ●競技に出場するときは誤解されないように、高低差が出ない機種を使用します。しかし、個人的には高低差がわかる機種を試合で使ってもいいと思っています。たとえば千葉夷隅CCのキャディはしっかり訓練を受けていることで知られ、距離と高低差を寸分の狂いなく言えるんですよ。そんなキャディがついたら幸運、そうじゃないときは不運、となってしまうと、公平さに欠けるのではないでしょうか。(石井米二郎/ゴルフ場運営コンサルタント)●キャディがいて「残り〇ヤードです」と声をかけてくれているのに、それを無視してずーっと距離計を覗いている人は、はなはだ失礼だと思う。(50代男性・神奈川県)●職場の人や友達と話していて「あの俳優、誰だっけ?」「あの番組ってなんだったっけ?」となったとき、すぐにスマホで調べる人っていますよね。答えを出すまでのプロセスが楽しいし大事なのに……。スマホで調べたことは覚えられず、どうせまたすぐに忘れる。ゴルフでも似たようなことが起きている気がします。(40代女性/東京都)●JGA主催の試合でも予選では距離だけ表示の機種なら許可されているので使用しています。高低差が出る機種でもその機能を切っておけば、使用できますが、どうもグレーなのがイヤでね。全員インチキしないという性善説にのっとっているのですが、やる人はやるからね。実際、チェックはされないですから。車にナビをつけると道路を覚えなくなるし、携帯に電話番号を入れておくと自分の番号さえ覚えません。距離計測器は自分で距離を測る感性が鈍ると思います。セルフゴルフの面白さがなくなってしまうというか……。そのうち、風の方向、強さなどを計測して、傾斜を読む機能も備わってくるんじゃないですか。そうなると野外で本能を競うゴルフの原点が失われていって、部屋でのスクリーンゴルフに近づいていくかもしれません。クラブやボールなど用品の進化と同じく、どこかで歯止めが必要だと思いますよ。(タケ小山/プロゴルファー、テレビ解説者) 週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より こちらもチェック!
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマは石川遼が米下部の「コーンフェリーツアー」に挑戦することについて。2013年から米レギュラーツアーに参戦し、18年に日本ツアーに復帰した石川。このタイミングでの米下部ツアー挑戦を、識者やファンはどう感じた? ●今回の石川遼くんのことは、実は僕がけしかけたのが契機になったのかもしれません。ダイヤモンドカップのときに、遼くんと薗田(峻輔)くんが練習していて、松山(英樹)くんがマスターズで優勝したこともあって話をしたんです。「彼が(メジャーで)勝てるんなら、お前が勝っても不思議じゃないよ」と。体の大きさとか、周囲のことを気にしないでいられるとか、いろいろなことは別にして、ゴルフの技術は遼くんのほうが上だと僕は思っていたので、そんな話もしたんです。それで「自分はどう生きて行ったらいいのか」とか考えるようになったのかもしれない。選手会長もやっているし、日本の国内ツアーを盛り上げていかないといけないという気持ちも彼の中にあると思うんですけど、それを考えるのは選手じゃなくて、JGTOでしょ。みんなの人気者で、いつもいい子でいなきゃならなかったじゃないですか、遼くんは。ところが最近は、ちょっと鬱憤がたまっているようにも見えるんです。個人的には、遼くんはゴルフの可能性を追いかけたほうがいいと思うんです。コリン・モリカワくんができて遼くんにできないかな? これまでも苦労してきたけれど、それでももっと遼くんには頑張ってほしいと思っています。(水巻善典/プロゴルファー)●遼くんの挑戦はいいと思う。しかしながら、石川遼不在の日本男子ツアーがますます心配になる。正直、見たい人が少ないです……いや、いないかも。(40代女性・神奈川県)●下部ツアー挑戦、大賛成です。石川選手の中で思うところがあったと思います。まず、30歳という年齢。世界を目指すには最後のチャンスと思ったのではないですか。30歳はスポーツ選手としては曲がり角。あと6~7年がゴルファーとしてパフォーマンスを発揮できる年齢です。ツアー最高のステージに再び挑戦するなら今年がリミットでしょう。今年行かなかったら、きっと後悔すると思います。これまで、進学をはじめ多くの選択肢を捨ててゴルフに邁進してきました。そして憧れの米ツアーに臨みましたが、パワーゴルフに打ちのめされ撤退。このままではゴルフ人生に“ケリ”はつけられないでしょう。幸いにも、この間会った石川選手はシャツの上からでもわかる隆とした筋肉の厚い胸板、腕も太くなっていました。相当なトレーニングをして、パワーで太刀打ちできるところにまできたと思ったのではないですかね。来年から世界ランクが制度変更します。日本ツアーではポイント取得がこれまでの半分くらいになる予定です。このことも、石川選手の背中を押したのでは。お金は十分稼いだでしょうから、あとは自分の夢に向かって再挑戦あるのみでしょう。(佐渡充高/テレビ解説者) 十五にして志し、三十にして再び立つ 2007年2021年マンシングウェアオープンKSBカップで史上最年少Vを果たし、15歳にして“ゴルフ道”を志す。そして30歳を迎えた今年、米下部の「コーンフェリーツアー」への挑戦を発表。今月の二次予選に臨み、11月のファイナル進出を狙う ●もし挑戦が失敗したら、日本でプレーするのかな? で、あっさり勝ったりしたら「日本はやっぱりレベルが低い」ってことにならないか。そっちが心配。(60代男性・千葉県)●学校の成績じゃ圧倒的に自分より下だった連中がどんどん出世していて、同窓会から足が遠のいている。マスターズチャンプ松山英樹がレギュラーツアーで活躍する状況で、下部ツアーに挑戦するなんてすごいよ、遼くん。私は転職したり独立したりする勇気もなく、イジイジした毎日を過ごしております。(40代男性・埼玉県)●行って当たり前、行かなくてはだめでしょう。このまま日本にいても、米ツアーへの道はますます狭くなるからです。来年8月から男子ゴルフの公式世界ランキングの仕組みが変わります。結論をいえば日本ツアーの価値が下がり、ポイント取得も難しくなります。世界ランクは日本企業のSONYランキングが元になっていて、日本ツアーには少し甘かった節があります。今までは、日本ツアーで優勝すれば16ポイント(日本オープンは32ポイント)あった。これが、JGTOの試算では7~9ポイントに半減する。これでは日本ツアーでランキングを上げ、メジャーなどにスポット参戦して、突出した結果を残してシード権を得るプランが崩れたことを意味します。座して死ぬより、1年間下積みを経験して自分でたくましく這い上がる道、これを選んだ遼にエールを送ります!(タケ小山/テレビ解説者)●何かを始めるのに遅すぎることなんてないというし、遼くんはまだ30歳。ゴルフだとシニアで開花するプレーヤーだっているんだし、GOGO!(40代男性・神奈川県)●プロアスリートはいかにモチベーションを維持するか、それがすべてと言ってもいいくらい大事なことです。そのための目標は人それぞれで、日本を舞台に長く活躍したいという人もいればアメリカに挑戦したいという人もいる。どちらがいいというわけではなく、それぞれ、なんですね。僕がアメリカに挑戦したのは34~35歳のころで、選手寿命を考えたら少し遅いんです。日本のプロ野球からアメリカ球界に挑戦するためにはさまざまなルールがあり、個人では決められないからです。一方、ゴルフは個人の意志が大きいですよね。石川遼くんはちょうど30歳。「三十にして立つ」ですよ。アメリカ挑戦が自分の技術やメンタルの強化につながる、チャレンジになると思ったんでしょう。それについて、どうこう言う人もいると思いますけれど、それだけ注目されているということ。同い年の松山英樹くんはマスターズを制している。そんななか、下部ツアーに挑戦するのは勇気のいることでしょう。泥水を飲むくらいの覚悟があるんだと思います。これまで男子ゴルフ界を背負ってきた遼くん。自由にやってほしい、と思いますね。(小林雅英/元メジャーリーガー) 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 【現在募集中のテーマはこちら】 ●ゴルフのドレスコード、たとえばウェアにパーカーはあり? なし? ●距離計測器の使用OK。プレーファストは守られている? 投稿フォームはこちらから こちらもチェック!
  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマはPGAツアーのプレーオフシステムについて。PGAツアーのプレーオフシリーズが終わり、2020-21シーズンは終了。おなじみ、最終盤の「ポイントドン、ボーナスドーーン」は、盛り上がる? それとも不公平? プレーオフシリーズの仕組み 2020-21シーズンのプレーオフシリーズは全3戦。125人が参加し、総額65億8000万円を争った。通常の3倍のポイントが加算される最初の2試合で70人から30人に絞られ、最終戦のツアー選手権でポイントランク1位が10アンダー、2位が8アンダー、3位が7アンダー……という“ハンディ”をもらってスタートする。このシリーズの優勝者が「年間王者」となり、16億円のビッグボーナスを得る。 ●07年に始まったプレーオフシリーズは、端的に言えば、タイガー・ウッズを米ツアー最終戦まで出場させるための策でした。それまでは「フォールシリーズ」といって次の年のシード選手を決定する試合をやっていましたが、これにはタイガーをはじめ有力選手は出場しません。これではテレビ中継側は困る。そこで最後の3戦(18-19シーズンまでは4戦)を“1つのツアー”として、ビッグマネー(賞金総額6000万ドル)で盛り上げたんです。米テレビ界は、これでゴルフファンを最後の最後まで引きつけ、さらにその後、野球のワールドシリーズ、バスケット、アメフトになだれ込んでいくという寸法です。それで、元々のフォールシリーズはアジアシリーズへとシフトしていったわけです。しかしながら、日本の男子ツアーでのプレーオフシリーズは絶対無理でしょう。レギュラーツアーでもスポンサーがつかず四苦八苦しているぐらいですから。1970年代~バブル期頃まで、日本ツアーも米国に肩を並べかけたことがあったのですが、そのときに先を見据えて手を打っていなかった差ですかね。米ツアー中興の祖、コミッショナーのディーン・ビーマンはPGAとして自前のゴルフコースを所有しました。それが日米ゴルフの差を広げた分水嶺になったと思います。(タケ小山/テレビ解説者)●観るプロスポーツにおいて、大逆転のドラマは面白いですよね。その点でいえばプレーオフシリーズはファンの気持ちをワクワクさせるといっていいでしょう。テレビの視聴率も上げられるでしょうし。ただオールドファンとしては、ツアーに“季節感”がないのが不満です。なんだか、いつまでもダラダラやっている感があります。ツアー終了のお尻を決めて、しばらくオフがあって、新たに幕開け、という形だと開幕を心待ちにするという高揚感が出ますがね。かつては新年のハワイアンオープンが待ち遠しかった記憶があります。日本ツアーでは日本シリーズが掉尾を飾りますが、本来のレギュラーツアーが盛り上がらないことには、掉尾もへったくれもありません。男子ツアーはテレビつけると、ああやってるんだ……とそんな気持ちですね。興味がある選手がいないと、すぐチャンネルを切り替えますしね。女子ツアーはその点、ヒロインは週替わりだし、面白い。日本の女子ツアーでプレーオフシリーズをやったら、さらに盛り上がるのではないでしょうか。(川上貴光/ノンフィクションライター)●優勝ボーナスに16億円出すより、若手の選手の試合を1つでも作ってあげたらいいのにといつも思います。食えないプロゴルファーだらけでしょうに。アメリカンドリームといえばそれまでですが、すごい格差。(40代男性・東京都)●プレーオフシリーズでシーズン終盤は盛り上がるが、逆に序盤の試合に興味が薄れた。しかし、そうこうするうちにメジャーリーグのポストシーズンが始まって夢中になるから、私はアメリカのテレビ局の思うつぼ。(40代男性・埼玉県) 直近の年間王者は、20-21シーズン=パトリック・カントレー(写真:Golffile/アフロ)、19-20シーズン=ダスティン・ジョンソン、18-19シーズン=ローリー・マキロイ ●ゴルフツアーは単なるアスリートスポーツではなくて、やはり興行の側面が大きいから、いかにファンに楽しんでもらうかということは大事です。そのための工夫としてプレーオフシリーズというものもあってもいいんじゃないかと思います。日本のプロ野球のクライマックスシリーズも興行としての工夫だと思います。レギュラーシーズンでは、新人が活躍してもいいですけど、新人はまだ知名度が低いので、なかなか一般のファンに認知されません。事実1勝で消えてしまう選手もいます。それでは興行的に意味がないんですよね。そういう新人が、優勝を重ねて認知度を高めて有名選手へと成長して、ファンを集められれば興行として成功といえるわけです。レギュラーシーズンの終了時点で上位に入って、ファンに認知されている選手がプレーオフシリーズに進出できるわけですから、ファンからすれば見たい選手が揃っています。興行的には、お客に興味を持ってもらわなければならないのですから、僕としては不公平だとは思いませんね。(水巻善典/プロゴルファー)●日本のプロ野球でもクライマックスシリーズがあります。2007年から始まった比較的新しいシステムで、僕は当初“反対派”でした。長いシーズンを戦ってきて、最後の数試合でひっくり返されるのはやりきれないという選手目線でした。それが10年以上たって、今はすっかり定着してきた感がある。すると、これはこれで面白いなと思うようになりました。シーズン終盤のいわゆる消化試合も減り、ファンにとってはドキドキワクワクが持続しますからね。現状、シーズンを1位で終えたチームにはクライマックスシリーズで1勝のアドバンテージが与えられていますが、これもなくていいんじゃないかと思うようになりました。ホームで試合できるというアドバンテージもあるわけですから。上位3チームが同じラインからヨーイドン。これは盛り上がりますよ。PGAツアーのプレーオフでも、最終戦では1位の選手は10アンダーでスタートするなど大きなアドバンテージが与えられているでしょう。あれもなくてもいいと思うんです。あと、プレーオフに出る選手たちはすでに十分稼いでいるので、ボーナス16億円は多すぎるんじゃないかなあ(笑)。(飯田哲也/元プロ野球選手) 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 【現在募集中のテーマはこちら】 ●ゴルフのドレスコード、たとえばウェアにパーカーはあり? なし? ●距離計測器の使用OK。プレーファストは守られている?●石川遼の米下部ツアーへの挑戦、どう思う? 投稿フォームはこちらから こちらもチェック!