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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.13 ホーム&アウェイ理論が日本人を強くさせる

KEYWORD 森守洋

堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN

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海外での戦いについて


ホーム&アウェイ理論が日本人を強くさせる

男子ツアーもいよいよ国内で開幕しましたね。女子だけでなく男子も年々海外に挑戦する選手が増えていますが、松山英樹選手に続いてどんどん海外ツアーで活躍することを心から願っています。

ところで現場で見続けてきたなかで気づいたことがあります。強くなる選手と強くならない選手、結果が出る選手と結果が出ない選手がいることをずっと見続けてきたわけですが、たどり着いたひとつの理論があります。


以前、山下美夢有選手や岩井姉妹ら日本の女子選手の海外での活躍について、いつもと同じ環境でやれることの大切さについて話しましたが、僕なりに勝手に作り上げたのが『ホーム&アウェイ理論』というものです。よくサッカーや野球などスポーツで使われることが多いホーム&アウェイという言葉ですが、実はゴルフにおいても活躍できるか否かの問題にとても大きく関係しています。

ゴルフにおけるホーム&アウェイは、単なる場所という話だけではなく、「いつもの自分」と「いつもじゃない自分」ということです。僕らはいかにお客様が上手くなるかをずっと考えています。そのなかで、実際にアマチュアの方の中にもすぐに上手くなる人と真面目にやっているのになかなか上手くならない人がいらっしゃいます。もちろんプロにも同じことが言えて、真面目な選手はその試合に向けて準備をしますが、準備の仕方によってはアウェイに傾いている可能性もあります。

準備をすることは当然いいことなのですが、コースに行ってから「私はこれだけやってきた」「ちゃんとやらなきゃ」「予選落ちしたくない」などの思考をしてしまうのは完全にアウェイ要素なんです。逆にホーム要素というのは、ホームだから家にいるのと同じことで、「いつもの自分」ということです。

例えばプロゴルファーが、オフのラウンドでは簡単にビックリするようなスコアを当たり前のように出しますが、それは「スコアを出さなきゃ」などと余計な雑念が入らずにプレーしているからで、いつもの自分の状態でプレーできているから。これがホームです。

それが試合になって「いいスコアを出さなきゃ」「推薦をもらったから予選通過しないと」「恥ずかしいスコアを出したくない」などの思考になると、いつもの自分ではいられなくなることが多くあります。
近年、アマチュアの選手がプロの試合に出場して勝つことがよくあります。

もちろん実力があるということは前提になりますが、プロの世界を知らないのでホームのまま試合に入れている可能性が大きいことがあります。要するにダメ元で結果を気にせずにやれるから、それはまさにホームなんです。どのように対策していけばいいのかは、次回お話をしたいと思いますが、いつもの自分の状態でプレーできれば、海外の試合に出ても間違いなく日本人は活躍できるはずなんです。
これは本当に例えばの話ですけど、日本人のギャラリーに200人くらい海外の試合に来て応援していただく。とても馬鹿げた提案だと思われるかもしれませんが、それほどホームかアウェイかによって決まってくるのだと言っても過言ではないのです。

年々LPGAツアーに参戦する日本人選手が増え、今季は15人もの選手が戦う。これだけ海外で戦えるようになったのは技術の向上に加えてほかにも要因がある

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月5日号より