Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • ギア
  • 注目のスパイダー×トラスの実力は? 人気5ブランドの最新マレットパターを徹底チェック!

注目のスパイダー×トラスの実力は? 人気5ブランドの最新マレットパターを徹底チェック!

ミスヒットに対する寛容性の高さで人気のマレットパター。プロアマ問わず使用するゴルファーは増えている。そこで、各メーカーの最新モデルを集めて試打を行った。

PHOTO/Norio Tsuburaoka、Blue Sky Photos THANKS/大宮ゴルフコース

解説/堀越良和

小誌試打企画でお馴染みの“キング・オブ・試打”。ドライバーからパターまで、あらゆるクラブを試打するスペシャリスト。小誌で「ギア選びのウソホント」を連載

最新マレットは
ただ「やさしい」だけじゃない

今回、5つのメーカーの10モデルを集めて試打を行ったが、なんといっても注目は、世界のトッププロも使用するスパイダーに、国内女子ツアーで圧倒的人気のトラスホーゼルを装着した「スパイダーGT TM1/TM2」。人気シリーズのいいとこ取りモデルだ。

「今回試打したのはホーゼルがヒール寄りのTM1(TM2はセンターシャフト)。そもそもベースのスパイダーGTもミスヒットに強くなっていますが、トラスになり、さらに安定感が増しました。またヘッドを面で支えることで、テークバックがふらつくことなくスムーズにストロークできます。トラスを装着した効果は大きいと思います」と、小誌試打企画でお馴染みの堀越良和プロは語る。

「オデッセイの新モデル、『イレブン』もいいですね。重心を浅めにすることで、マレットに操作性をプラスするというのは面白いコンセプトだと思います。マレットはオートマチックに打てるやさしさがウリでしたが、操作性を加えたり、さらに安定性を高めたりと、個性のあるモデルが登場し、ゴルファーの好みで選択できるようにバリエーションが増えてきたのは、とてもいいことだと思います」

先月の全米プロで2度目の優勝を飾ったJ・トーマスが使用していたのが、スコッティ・キャメロンの「ファントムX」のプロトタイプ。そのトーマスと最後まで優勝を争ったC・ヤングが使用していたのも「ファントムX」だった。

「今回試打したのは、トーマスのプロトタイプから生まれた『ファントムX 5.5』です。スラントネックのモデルで、トーマスも春先まではスラントネックを使用していました(全米プロではクランクネックを使用)。5.5はいわゆるツノ型タイプですが、左右のウィングによりミスヒットに強く、ターゲットにも合わせやすいです。ピンの『PLDミルド』はノンインサートですが、打感がいいのにびっくりしました。ベティナルディの『2022 INOVAI』は黒とシルバーの色使いが見た目に高級感があるだけでなく、とても構えやすかったです」

人気のスパイダーにトラスホーゼルを搭載

テーラーメイド
スパイダーGT TM1

●素材・構造/アルミニウムボディ+ステンレスダブルウィング&ホーゼル+タングステンウェイト+ピュアロール搭載3mm厚インサート(ウレタン+アルミニウムビーム) ●ロフト/3度 ●ライ角/70度 ●総重量/553g ●長さ/33、34インチ

Point1
「トラスホーゼルはストロークが波打たない」

「スパイダー」シリーズにトラスホーゼルを装着したモデルが登場(7月発売予定)。「トラスによって『点』ではなく『面』でヘッドを支えているので、ミスヒット時の打点のブレを抑えるのはもちろん、ストロークも波打たずに安定する感じがします」(堀越・以下同)

Point2
「短めのラインは神経質にならない」

「ヘッドのエイミングラインが通常のスパイダーGTよりも短い。神経質になりすぎずに打てるのがいい」

Point3
「球がゆっくり進む感じで転がりがいい」

インサートはウレタンとアルミニウムの複合素材。「適度なしっかり感があり、球がゆっくり進みながら伸びる感じです」

【このモデルもテスト】
スパイダーGT スモールスラント

「スモールスラントは低くテークバックして真っすぐ打ち抜くイメージが自然に出る。でも、フェースの開閉にも対応できるモデル」

“浅重心設計”で操作性のよいマレット

キャロウェイ
オデッセイ イレブンS TOUR LINED

●素材・構造/ステンレス+アルミニウム+TPU+ホワイトホットインサート ●ロフト/3度 ●ライ角/70度 ●総重量/541g ●長さ/32、33、34インチ

Point1
「イン・トゥ・インにブレード感覚で振れる」

ヘッド重量の約78%をフェース側に配分した浅重心設計モデル。「イン・トゥ・インに振りやすく、ブレード感覚で打てますね。アドレスの立ち方の自由度も高い。マレットの安定感に上手く操作性がプラスされている」

Point2
「ホワイトホットの打感は格別」

「ホワイトホットらしい打感です。軟らかいだけだと音が小さくなりますが、これはしっかり“軟らかい音”がするんです」

【このモデルもテスト】
トゥーロン LE MANS

オデッセイ唯一のノンインサートシリーズ。「ダブルベントはフェースバランスに近くなる。真っすぐ引いて真っすぐ出す人に合う。打感はソリッドで球の転がりもいい」

J・トーマス使用のプロトタイプから生まれた

タイトリスト
スコッティ・キャメロン ファントムX 5.5

●素材・構造/303ステンレス精密削り出し+アルミニウム&ステンレス(ソールプレート) ●ロフト/3.5度 ●ライ角/70度 ●総重量/549g ●長さ/33、34インチ

Point1
「ヘッドに安定感があり打点がブレにくい」

「重量をウィング部に配分することでミスヒット時のヘッドのブレが抑えられている。打点の上下のブレにも強い」

Point2
「スラントモデルは打ち方の許容性が高い」

「適度な重心角があることで打ち方の自由度が高く、ヘッドの開閉を使っても打てる。打感は適度にソリッドです」

【このモデルもテスト】
スコッティ・キャメロン ファントムX 9.5

「トウとヒール部にウェイトを搭載、中心部には穴が繰り抜かれており、慣性モーメントの大きさを感じる。マレットらしい安定感があるモデル」

ヘッドからネックまで一体成型の精密鍛造

ピンゴルフ
PLDミルド ディーエス72

●素材・構造/303ステンレス精密削り出しサテン仕上げ ●ロフト/3度 ●ライ角/70度 ●総重量/563g ●長さ/34インチ

Point1
「ネックがヒール寄りでL字形の感覚で打てる」

「ネックがかなりヒール寄りにあり、L字形タイプの感覚で打てる。ヘッドの開閉を使って打ちたい人に合うモデル」

Point2
「ノンイサートだけど打感が軟らかい」

「ノンインサートながら、マッスルバックのアイアンのような独特の軟らかい打感が心地よく感じられる」

【このモデルもテスト】
PLDミルド プライム タイン4

「こちらは同じPLDミルドシリーズでもマットブラック仕上げのモデル。ヘッドに合わせてシャフトも黒で統一されているのがいいですね」

MOIパターシリーズの新しい形状のモデル

ベティナルディ
2022 INOVAI 8.0 SLANT

●素材・構造/303ステンレス(フェース・ダイアモンドブラスト仕上げ)+6061アルミナム(フランジ・ステルスブラックアナダイズ仕上げ) ●ロフト/2度 ●ライ角/70度 ●総重量/547g ●長さ/34インチ

Point1
「フェースとフランジの色の違いが構えやすい」

畑岡奈紗も使用するベティナルディの最新モデル。「フェース部はシルバー、フランジ部が黒で色分けされ、見た目の高級感だけでなくとても構えやすい。スラントネックは他のモデル同様、打ち方の自由度が高い」

Point2
「ロフト少なめで出球が速め」

「ロフトが2度と立ち気味なので出球は強めに感じる。パットを打ち切れない人や左寄りにセットする人に合うでしょう」

このモデルもテスト
2022 INOVAI 6.0 SLANT

「トウとヒール部にウェイトを搭載、中心部には穴が繰り抜かれており、慣性モーメントの大きさを感じる。マレットらしい安定感があるモデル」

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より

こちらもチェック!