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岩井姉妹に木下裕太…ヨネックスのアイアンがプロに支持される理由は、こだわりのものづくりにあった!

クラブ契約フリーの選手の間でヨネックスのグラファイトハイブリッド鍛造アイアンが密かに人気を集めている。なぜ支持されるのか、どんな技術が詰まっているのか。ヨネックスの総本山・新潟工場を訪ねた。

PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa

  • 月刊ゴルフダイジェストのツアー担当が現地からホットな情報をお届け! 今回は、男子ツアーでじわじわとヨネックスのアイアンが人気を博している理由を探った。 PHOTO/Hiroaki Arihara かつては石川遼がヨネックスと契約していたが、現在、男子ツアーでヨネックスとクラブ契約を結んでいる選手はいない。そんななか、2016年にクラブ契約フリーになった池田勇太……

ヨネックスにしかできない技術

「打感がいい」や「やさしい」といったプロの言葉はある種“感覚的”な部分が多い。しかし、開発課の吉田博之さんに話を聞いたら、感覚の部分が解き明かされていった。

「アイアン作りにはこだわりの技術が詰まっています」と話す吉田さん。それは例えば“コンベックス”だ。よく見ると、スコアラインの間には3本、突起のようなものがある。これは、ヨネックスが誇るべき技術のひとつ。

「スピン性能の向上を目的に開発しました。我々はフェースを機械加工するのではなく、鍛造品をそのまま使っているんです。スピン性能はもちろん、耐久性も確保しました」

当然、鍛造のまま使うほうがいいのはわかるが、そこには相当な技術がいるはずだ。

「突起を作れるほどの精度を持った金型と、さらにそれを精度よくプレスする技術がある。だからできるんです」

反発性能と打感向上を兼ね備えたGブリッドや重心位置の管理もしかりで独自の技術で形にしている。この技術力こそ、プロたちが“べた褒め”するゆえんだろう。

「ネックのつながりには細心の注意を払います」

プロのクラブを削り続けて15年の職人。「プロは顔にこだわりが強いので、ネックのつながり部分はかなり気を使います。キレイな曲線を意識して削っています」

性能を解き明かす4つのキーワード

フェース裏側の“Gブリッド”
グラファイトハイブリッドの略。反発性能のあるカーボンを使用し、モデルごとに形が違う。“ちょうどいい”打感を実現

綿密に計算された“重心位置”
打感にも影響を及ぼす重心位置。プロの好みに合わせて重心位置を変え、“オンリーワン”のクラブを作っている

フェースの溝の間の“マイクロコンベックス”
スコアラインの間にある20ミクロンの突起。フェース面とボールの接触面積が増え、抜群のスピン性能を誇る(※マイクロコンベックスは「CB511」「MB301」「W501」で採用)

他競技からの“ノウハウ”
テニスやバドミントンのラケット技術など、他のスポーツからヒントをもらいアイアンを開発。トータルブランドの強みだ

“見た目”がよくて“打感”がよくて
それでいて“やさしい”

使用しているプロに聞くと、まずは「顔がいい」と答える。そのうえで、打感や抜けのよさ、操作性、そして寛容性があるという意見が。なんでも選べるフリーの選手だからこそ、説得力が増す。

一番人気は「EZONE CB301」

バンテリン東海クラシックで優勝した木下裕太をはじめ、多くのプロが使用

「CB301」使用プロ(写真左から小田孔明、竹安俊也、岡村了、安本大祐)。ほかにも杉山知靖、尾崎慶輔、鍋谷太一らが使用している

岩田寛は「EZONE MB301」のPWを使用

今野大喜はマッスルバックのEZONE MB301

冨田光暉はやさしめキャビティのEZONE CB501

いま最も勢いのある
2人が選んだのは「CB511」

ヨネックスの技術の結晶ともいうべきアイアンが、岩井姉妹が使っている「EZONE CB511」だろう。2人とも「このアイアンの顔が好き」と口を揃えるが、性能面ではそれぞれに気に入っているポイントが違うようで興味深い。

「シャープな感じの顔と気持ちのいい打感が好みです。澄んだいい音がするし、インパクトで球がフェースに食い付く感じがあるんです。アイアンは距離を出すというより球筋をコントロールして打つものなので、球がフェースに乗ってくれるかどうかはとても大事です」(明愛)

「構えたときにトップブレードに厚みがあると球が上がらない印象がある。その点、『511』は薄くて構えやすいし実際に打つと球が楽に上がってくれます。砲台グリーンとか難しいセッティングでも無理に球を上げにいかなくていいから助かっています」(千怜)

岩井明愛
「食い付くような打感が気持ちいい」

「球筋や飛距離をコントロールして打つアイアンはフェースに球が食い付く感じがほしいのでその点が気に入っています」

岩井千怜
「楽に上がってしっかり止まる」

「球が楽に上がるアイアンなので打ち上げのグリーンとかでも高く上がって止まってくれてピンを狙っていきやすいです」

月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より