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【頑固オヤジ】Vol.161 「アイアンが飛ばなくなってきた。買い替えとリシャフト、どっちがおすすめ?」

東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回は、「アイアンが飛ばなくなってきたので新調したい」という声にお答え。

ILLUST/Kochi Hajime

前回のお話はこちら

Q. アイアンが飛ばなくなった。
買い替えとリシャフト、どちらがいい?


最近、アイアンが飛ばなくなってきました。それで買い替えようと思ったんですが、つい使い慣れたモデルと似たものを探してしまいます。それならリシャフトとか、チューンのほうがいいですか?(51歳・HC7・自営業)


中古モデルを検討してみる

昨年は男子ツアーもイキのいい若手が出てきて面白かったよな。今年は海外で活躍する選手が増えるといいんだけど、オイラが危惧するのはアイアンのソール。アジアのツアーでもそうなんだが、日本の選手が海外でいきなりつまずくのは、アイアンが地面と馴染まないからだと思うんだ。

たまたま打ち方とアイアンのソールが合っていた選手は問題なくスコアが出るけど、なかなか国内のような成績が出ない選手は、アイアンのソールを見直したほうがいい。タテの距離感とか、全然変わるからね。

まあ、オイラのお客さんには関係ないけどね(笑)。

「今回も読者からの質問です。アイアンが飛ばなくなってきたので、最新モデルに買い替えたほうがいいのか、軽量シャフトに差し替えるとかのチューンがいいのか、という相談です」

担当さん、年始挨拶でもう仕事だよ、大変だね。

「ハンディ7のシングルさんか。じゃあ、チューンがオススメかな。女子プロみたいに軽量のコンポジットシャフトに替えて、半インチずつ伸ばすといいよ」

「でも、それでも結構お金かかりますよね。それならそういったシャフトが付いた新モデルを買う、というのもアリでは?」

「それはあんまり勧めないよ、オイラは。最近のはプロモデルでもストロングロフト化が進んでいるからな。それなら中古モデルを探すほうがよっぽどいいよ」

上級者が年齢的にアイアンの飛距離が落ちるのは、打球の高さが出せなくなるから。ストロングロフトとは相性が悪いんだよ。


飛び系の7番、8番を入れる

「でも、中古モデルでストロングロフトでないモデルなら、今まで愛用しているアイアンと飛距離が変わらないんじゃ?」

「そうじゃねえんだよ、飛び系のアイアンセット、5、6番からの5~6本のセットを買うんだ。で、その7番とかを、現行の5番と差し替える、て寸法さ」

アイアンが飛ばない、つまりそこそこ長めの距離をキャリーで止められなくなったことが悩みの根本だから、それを解消できればいいはず。だったら、そのキャリーが得られるクラブを探せばいい。

「まあ、短いユーティリティを加えるような発想なんだけどね。飛び系は5、6番はキャリーで止められないが、7番ならプロモデルの5番並みのレングスとロフトだけど、重心設計やシャフトの特性で上がって止まる。

だから、今までのアイアンのショート番手と、飛び系のショート番手を組み合わせて“飛距離の階段”を作ればいいんだよ」

「バッグの中に7、8番が2本ずつとかになるんですか?」

「ヘッド形状が全然違うから、取り違えたりしないよ」

「シャフトとか重量とかも変わりますよね。大丈夫ですか?」

「長い番手のシャフトが軽いのはユーティリティでも同じだろ。でも、ユーティリティよりアイアンに近い、てかアイアンなんだから、扱いやすいと思うんだよ。それに、中古だったらリーズナブル。6本セットで買って、2~3本しか使わなくても、十分元は取れるよ」

ただし、飛び系といってもネックが曲げられる軟鉄ボディタイプがベターだな。

「ロフトやライ角が1度程度でもいじれると、やはり打ちやすさ、扱いやすさはグッと増すんだ。最近は“ちょい飛びプロモデル”とか出てきたよな。中古でも多少値は張るかもしれないけど、そういうのを探してみるのもいいかも」

元のショートアイアンで落ちている距離はどう埋めるかって? シャフトを抜いて、1番手ずつ長めにズラすとかもできるよ。

月刊ゴルフダイジェスト2023年3月号より