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【キミこそ王子だ】Vol.168 川崎春花さん「スウィングで意識しているのは“骨”!? 細身でも飛ばせる超高効率スウィング」

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は京都府出身、立命館中学校3年の川崎春花さん。一見、華奢でとても強豪選手には見えないが、武市は「彼女のスウィングには飛ばしのエッセンスがいっぱい!」太鼓判。果たしてどんなところがスゴイのか?

今回の王女候補

川崎 春花さん

かわさき・はるか ●主な戦歴/2018 全国中学校ゴルフ選手権春季大会 9位タイ ●ベストスコア/67(パームエアーCC) ●練習/週6回 1時間30分 150球 ●トレーニング/週1回 1時間 体幹トレーニング


川崎春花さんは小柄でスリムな体型だけど、飛距離では他にひけをとらない。

「多くのスポーツは体格がいいほうが圧倒的に有利。ゴルフも当然、身長が高いほうが物理的には飛ぶ。でも、体を効率的に動かすことで、それを補うことは可能。そのお手本のようなスウィングだね」と武市。

さらに、クラブすべてカーボンシャフトで、なんといままでスチールシャフトを使ったことがないという。

「昔は、重いクラブを打てたら一人前、という感じだったけど、いまは違うね。無理せず、体形や体格に合わせたクラブが一番効率的だよね」

そんな春花ちゃんは、どんなことを意識してスウィングしているのだろう?

「教わっているコーチから、骨の使い方についてアドバイスされます」

「骨!?」

「あ、でも“骨王女”と命名するのだけは、辞めてくださいね(笑)」

小柄ゆえ、もともとはそんなに飛ぶほうではなかったというが、骨を意識するようになってから飛距離が伸びたという。

「どこの骨をどのように動かすようにしたの?」

「私はダウンで右腰と右肩が前に出る欠点があったんです」

「体が開いて、クラブがカット軌道だったんだね。それだと飛ばないよね。それで?」

「ダウンで肋骨を開かないように意識しました」という春花ちゃん。

「トップで右の腰を後ろに引いて、逆にダウンで左腰を後ろへ引くのが少し特徴的だと思ったんだよね。う~ん、説明がちょっと難しいけど、スウィング中、腰がループを描く感じかな。ダウンで右の肋骨が開かないように意識するうちに、自然とそうなったんだろうね。なにがなんでも、右サイドを前に出さないぞっという強い意志が感じられる」と武市はいう。

そのような彼女のスウィングは軽くてしなり戻りの強いカーボンシャフトとの相性も抜群とのこと。

「体を開かず、シャフトがしなり戻ってくるのを待ち、ムチのように叩く。クラブの選び方もスウィングに合っているし、シャフト使いも抜群! 春花ちゃんのゴルフは、小柄でも力がなくても飛距離を出せるエッセンスが満載だね」

「ありがとうございます」

実はこの日、春花ちゃんの友達も練習場にきていた。昔、切磋琢磨していたジュニアゴルファー仲間とのことだ。現在、友達は競技ゴルフから遠ざかっているが、いまでも仲良くしていて、ときどき春花ちゃんから練習に誘うこともあるそうだ。

「競技を辞めたからって、ゴルフを辞めちゃったり、友達関係が終わっちゃうのは寂しいじゃないですか」。その発言に感動する武市。

「春花ちゃんにとってライバルだけど仲間だったんだね。ゴルフは個人競技だけど、そういう気持ちを持つのは大切。これからもっと強くなって、プロになっても、そういう気持ちを持ち続けてほしいな」

自身のジュニア時代を思い出し、ほっこりした気分になった武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2018年6月12日号より

3年後、武市が取材で出会ったジュニアはなんと……