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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.907「思考が柔軟だとスウィングもしなやかになるかも!?」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


今は国内外を問わずフックグリップで握る選手が多いと感じます。これはパワー優先の時代の変化として受け入れるべきなのでしょうか。岡本プロのお考えをお聞かせください。(匿名希望51歳・HCO)


何年も前になりますが、ある女子プロと話をしていたとき彼女が得意そうにこう語っていたことを思い出しました。

「あたしは、なんの気なしに時計に目を向けるといつも決まって『3』の数字が並んでるのよ。ホント不思議なのよね〜」

それを言われて、わたしにも似たようなことがあるなぁ〜と思いました。 たとえばトーナメント開催地に向かう車中、隣のクルマを見るとゾロ目のナンバーが目立って多い。

たまたま視線を向けたテレビ画面の端っこに出てる時報とか、わたしってなぜか『1』の数字に付きまとわれているみたい!?(笑)

みなさんにも同じような覚えがあるのではないかしら。

それが気になってわたし、目の検査のときのついでにお医者さんに聞いてみたことがあるんです。


答えはもちろん、そんな気がするのは誰にでもよくあることで同じ数字ばかりが付いてくるように感じるのは単なる偶然なので気にすることはない、ということでした、って当たり前ですよね(笑)。

こうした現象は自分自身が作り出しているというわけで、今回のご質問への回答として適当なのかもしれません。

海外選手をはじめ日本選手も強いフックグリップで握っている選手が多くなったということですが、ほんとうにそうでしょうか?

飛距離を出すため、パワー優先のためフックグリップになったとしてもやむを得ないということですが、例えば飛ばし屋のブライソン・デシャンボー選手はフックグリップとは言えません。

少なくともわたしの目には、あなたが指摘するほどフックグリップが溢れているように映っていません。

おそらくですが、世の中がフックグリップばかりになっていると思い込んでいる、そしてそれは自分自身で作り出してしまった錯覚の部分も大きいと思います。

人間は「自分が見たいと思うものを見て、聞きたいと思うものを聞く」と言われます。 このごろは飛距離とパワー優先のゴルフになり、周りにはやたらとフックグリップのプレーヤーばかりだけど、あんな握り方だとインテンショナルな球が打てないではないか……。

そんなふうに思う気持ちが強くなってしまうことで、あちこちにフックグリップの選手が多くいるように見えるのではないでしょうか。

正直、気持ちはわからなくもありません。素直なキレイなグリップのほうがスウィングはキレイになりますし、インテンショナルも打ちやすいですからね。

いつだったか女子プロの間でもネイルアートが流行った時期があり、カラフルで派手なデザインの長い付け爪をした選手も現れて、「ご飯を炊くときはお米を研ぐのに専用の器具を使ってま〜す」なんて聞いたときは正直……と思いました。

自分が気に入らない部分には、つい目が向いてしまい必要以上に注目してしまうのかしらね(笑)。

ただ、フック(ストロング)グリップにすれば、技術的にできることは限られてしまうわけで、それを分かったうえでそうするには理由があるはずです。

それでも気になって仕方ないのだったら「上級者はスクエアグリップで握る」という固定観念にとらわれすぎているせいなのかもしれませんよ。

フックグリップそのものが悪いわけではありませんから、冷静に周りを眺め直してみることをお勧めします。

「思い込みほど怖いモノはありませんから、みなさんお気を付けくださいませ(笑)」

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月12・19日合併号より