【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.906「大切なのは立ち止まって思い悩むより行動に出ることです」
岡本綾子「ゴルフの、ほんとう。」
米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。
TEXT/M.Matsumoto
>>前回のお話はこちら
- 米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。 TEXT/M.Matsumoto >>前回のお話はこちら よくクラブを買い替える人がいますが、これはスウィングの再現性を高めるには矛盾する行為のような気がします。パターの変更も同じストロ……
プロを目指していますが正直、ゴルフをするのがつらいです。上手くいかないのは自分のせいですが、やめる勇気もありません。岡本プロはこれまで経験したつらい時期、どのようにそれを打ち破ってこられたのでしょうか。(匿名希望・女性・25歳)
仕事も遊びも、いい時があれば悪い時もあるのが人生です。
どんな人も停滞期、潜伏期、低調期を避けて通ることはできません。
いずれにしても通る道ならば正面から向かっていこう、振り返ってみると若い頃のわたしはそんな気持ちだったかもしれません。
もちろん、ソフトボールを始めた頃、その後ゴルフクラブを手にした時も、そんなに人生を達観していたわけではありませんでした。
それでも自分の前に現れてくる未知なる人生の扉のようなものに対して、わたしはいつも素のままに向き合ってきたと思います。
これまでさまざまな分かれ道がありましたが、わたしが大事にしてきたのは、そのときの自分の気持ちに正直になることでした。
心の底から「こうなりたい」「こうしたい」と思うことを実現するためには、いま何が必要なのか、それだけを考えて前に進んできたような気がします。
そのため、ゴルフが上手くなるために練習することに関して”つらい”と感じたことがないのです。イメージ通りのスウィングができないとか、思い通りの球筋が出ないといった難題に悩まされたことは数え切れませんが、つらいと思うようなことはなかったかな!?
あんなに思い詰めて練習したはずなのに……これが青春ってことなのかしらね(笑)。
でも、名選手や各界のレジェンドは、若い頃の下積み時代について「苦労を苦労だと思ったことはない」と言いますよね。
たとえハードな時期があったとしても苦労だと捉えるかどうかは人によります。つらいという言葉にはさまざまな意味合いと含みがあると思います。
身体的な苦痛を指しているのか、精神的なものなのか、やるべきことが多すぎて状況的、時間的につらいのか、それとも自分の技術的、能力的なことなのか……⁉
わたしはつらいと感じたことはありませんでしたが、しんどいと思ったことはあります。疲れたときにちょっと腰を下ろしたくなる「あ〜しんど」というアレです(笑)。
わたしのなかで「しんどい」は「つらい」とは似て非なる感情で、そこまで重くない表現です。つらいと感じるとすれば、自分だけではコントロールできない不可抗力的な災難の場合ですかね。
自分が耐えて乗り越えられるなら押し潰されそうになっても、跳ね返した時の達成感があるからつらくはありません。
ほんとうにつらいのは、例えば人間関係のこじれなど自分一人ではどうにもできない問題に巻き込まれた場合ですね。
肉体的にキツいということであれば、負荷のかかるときグッと耐え忍べばいい。
プロになるための練習をするなかで上手くいかないからつらいと思い、暗い気持ちになり、明るい明日を想像することが難しくなっているような気がします。
つらい、苦しい、悲しい、切ないといった表現はネガティブな考えに傾きがちです。そうなると練習の成果に不信が生じ、動きが止まってしまいます。
大切なのは思い悩むよりも行動を起こすことです。そこで提案。今のあなたが心の底からやりたいことは何か。
まずそれをじっくり考えてみませんか? ゴルフをやめたくないということであれば、つらいともしんどいとも言えない状態だと思うのです。
信頼できる人に相談するのもいいでしょう。 周りを見回して焦る気持ちも分かりますが、25歳ならまだまだ若い。
だからこそ目の前のつらさしか目に入らないだけだと思います。モヤモヤした気持ちを吹き飛ばすためにも、立ち止まるのをこらえて体を動かしてみてください。
一歩を踏み出すことを願い応援しています。

「何がしたいかが明確になれば、つらいという言葉が自然と消えていきますよ」(PHOTO by AYAKO OKAMOTO)
週刊ゴルフダイジェスト2026年5月5日号より


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