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「プロになりたい」子には、「プロになったあとどうなりたいか」を聞くようにしています

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

教え子に限りませんが、ジュニア育成をしてきて「プロになりたい」という子、またそれくらいのポテンシャルを持っている子を多く見てきました。

僕はコーチングをする際、そんなジュニアたちに「プロになって何がしたいか?」と聞くようにしています。

その答えに正解はありません。でも、プロになることがゴールではなく、常に先の目標も持ってもらいたいと思っています。

プロゴルファーになるのはもちろん簡単ではありません。でも、実力のある子たちにとっては雲をつかむほど難しいという話でもない。プロテストの週にパッティングの調子を上向きにできれば、合格の確率はグッと上がります。

ですが、プロテスト合格を目的にしてしまっている選手は、プロになっても、その先で活躍することはできないでしょう。それは一発勝負のテストに合格することと、ツアーに出て成績を残すのに必要な能力が異なるからです。

たとえば、ツアーに出ると、毎週、移動をして最低でも3~4日間続けてラウンドで成績を残さなくてはなりません。これを半年以上続けるには相応の体力が要求されます。それに加えタフなコースセッティングへの対応やプレッシャーに打ち勝つ耐える精神力なども必要になってきます。

さらにゴルフ以外のところでも、自分の考えを外に向けて伝えるコミュニケーション能力や、体調をコントロールする力なども求められます。これらはプロになってイチから準備して習得するのはとても難しい。つまり、アマチュアのころからプロの試合で活躍する自分をイメージして、必要な能力を身につけておかなければならないのです。

こんなふうに目標の先を準備するというのは、プロゴルファーに限った話でありません。たとえばシングルになりたいとか、仕事でマネジャーになりたいなど何か目標を持つとき、なった後にどうしたいかを考えると、いまの時点で取り組むべきことがおのずと見えてくるはずです。

プロテストに合格することはあくまで通過点にすぎない(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

青木翔
あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年5月11・18日合併号より

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