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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.274「『ブン!』のレッスン」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

>>前回のお話はこちら

  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 最近ではYoutubeとか室内練習場の弾道測定器などを利用して、技術の習得をする人も多いですよね。人から教わるような煩わしい人間関係をせんでいい……

室内のシミュレーションゴルフの練習場でゴルフを始め、一人もしくは仲間同士で覚えようという若い子らが多いけど、それじゃあなかなか上手くならんし、ゴルフは最初に教わる人によってその後のゴルフ人生が大きく影響すると前に話しました。

僕らの時代には、練習場に行くといつも“お爺”がおって、頼んでもないのに「ヘッドアップすなよ」と頭を持たれたりしておりました。


そうかと思うとグリップエンドを鼻に押し当てて「軸ブラすなよ」とかね、頼んでもないのに、そういう体を制御するどうでもええことばかりお爺は強要してました。それで若いゴルファーの芽をどれほど摘んできたことか……お爺は善意でやっておったんやろけどね。

僕やったら、今日初めてクラブを握るという人には、別にドライバーでも7番アイアンでも何でもええ、「握りやすいように持って、それでとにかく一回ちょっと振ってみい」と言います。

数回振ったんを見て、「今度はそれで『ブン!』と言わしてみい」と言います。それで力任せに振ってもせいぜい『ブーン』くらいですからね。「違う『ブン!』や、振ってみい」。こればっかり言います。素振りで『ブン!』ができるようになったら、「次は球は打たんとティーを叩いて『ブン!』と
言わしてみい」と言うてやらせます。言う通りにできたら、もうほぼスウィングはできてるんですよ。
いかにインパクトで効率よくヘッドを走らせるかを、この『ブン!』という音を出すことで体感できるんです。言葉でそれをわからせようとしたら日数がかかることが、短い時間でわかる。だから「何でもええから音を鳴らす」。僕やったらそうやって教えます。

実際に、僕が40代のとき、レギュラーのシードが取れなくなった時期に、お爺さんと初めてゴルフクラブを持つという30代の女の人の2人を教えたことがありました。
多くの女性はクラブ振らせると『フゥーン』くらいしか音が出ません。その女性もそうでした。でも練習場で2~3回やったら素振りの音が『ブン!』は出なくても『ブ〜ン』になった。それで4回目にはコースに連れて行ったんです(続きは次号で)。

「握りやすいように持って振ってみて、とにかく音を鳴らす。ここからゴルフは始まります」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月26日合併号より