【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.273「打ち方の継承」
奥田靖己「ゴルフはつづくよどこまでも」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Tadashi Anezaki
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- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら コロナ以降、都会では室内練習場が増えていて、初心者は一人でできるという気楽さから、最初からそこで練習する人が多いという話を先週はしました。まあ、……
最近ではYoutubeとか室内練習場の弾道測定器などを利用して、技術の習得をする人も多いですよね。人から教わるような煩わしい人間関係をせんでいいし、時間的な制約にも関わらんでいいからエエんやと言うけれど、本当にそうやろかと思います。
たとえば、昭和の時代には“我孫子流”と言われる打ち方の流儀を身につけた人たちがいました。
あそこのゴルフ場は深くて下が硬いアリソンバンカーがあって、そこから小さなグリーンに対して打って止める球を打たないといけない。それでインパクトでチャッとヘッドを走らせる独特の打ち方になったわけで、それはコースとの関わりから生まれた打ち方です。
うちの橘田(規)先生は「水平打法」ですが、これは廣野で修業したときに、メンバーさんで設計家の佐藤儀一さんという日本アマを3連覇されてる人がいて、橘田先生はその佐藤さんが練習場で球を打つとき、前でボールを置きながらスウィングをずっと観察してたそうです。
佐藤さんはパイプをくわえながら球を打っていたのですが、スウィング中にそのパイプが横に動いていたのを見て、それでスウィングは横に回らなあかんのやなとひらめいた。こうして「水平打法」と言われる打ち方を編み出したというわけです。
でも後に僕は橘田先生に教えてもらったけど、そのときは「上から叩け」、「上から左下に振れ」しか言わんかった。それを忠実にやった人間はみんなスライスになっとりました。
僕の師匠の高松志門さんは、橘田先生に師事して自分なりの打ち方を編み出したわけです。佐藤儀一さんのパイプの動きを見て橘田先生が「水平打法」を編み出して、それを見て自分のスウィングを作った高松さんが人にレッスンするのを見聞きしながら、僕は自分の振り方を身につけた。
そういう関わりで身についたスウィングですから、これを流派というんかはわからんけど、僕は高松さんから「ちょっとクラブを動かして横へ振れ」とだけ言われ、これだけでプロテストに通ったみたいなもんです。
だから僕なんかは、わからんようになったときには、「横の素振りしとこ」と、そういう戻るとこがあるわけです。

「佐藤儀一さんのパイプの動きから『水平打法』は生まれた。しみじみしますやろ」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2026年5月12・19日合併号より


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