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【ゴルフせんとや生まれけむ】 大島勝(大島親方)<後編>「陳先生から教わった『ピンを狙うな』俺の座右の銘です」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き 大相撲の大島勝(大島親方)

前回のお話はこちら

現役時代によく行ったコースは、部屋が墨田区押上にあるから、すぐ高速に乗れる常磐道方面が多かったですね。常陽カントリー倶楽部とか茨城ゴルフ倶楽部とか。千葉カントリークラブもよく行った。千葉カンではベストスコアの34・38を出しているしね。

その頃に比べると、いまは本当に飛ばなくなった。コースに出るのも、ここ数年は新型コロナの影響もあって、年に20ラウンドくらいに減ったしね。コースに行かないし、飛ばないし、スコアがまとまらない。しかも引退してから体重を20キロ落としたらドライバーが左に行くようになった。俺はもともとフェードヒッターだから、左にはほとんど行かなかったのに、それが左に行く。だったら練習に行けばいいのに、練習にも行かない。というわけでゴルフが全然面白くなくなった。まあ現役のころと比べたら雲泥の差。ゴルフはやっぱりやらなきゃだめだなと思うよね。


話は違うけど、俺、引退した直後にゴルフダイジェスト社の『チョイス』という雑誌に出ているのよ。陳清波プロにレッスンしてもらうという企画で、河口湖カントリークラブで陳先生と一緒に回った。陳先生からは主にアプローチを教わったんだけど、スウィングは「体型のわりにコンパクトに打つ、いまのまま直さなくてよろしい」って褒められたよ。陳先生の言葉で覚えているのは、「アマチュアはピンを狙うな。ピンを狙うからグリーンから外れる。ピンは狙わず、常にグリーンの真ん中を狙いなさい。そうすりゃ全部2パットでパープレーできる」って、これはいまも俺の座右の銘になっているね。

愛用のクラブはドライバーがキャロウェイのエピックとグレートビッグバーサでシャフトはXかな。3Wがタイトリスト917の18度。5Uはエピック。アイアンはエピック。ウェッジはクリーブランド。これは20年使っている。パターはスコッティキャメロン。全部、後援会の人からもらった。クラブにはこだわらないのよ(笑)。

先ほど、親方になってからゴルフが面白くなくなったと言ったけど、実は昨年の夏頃からまた好きになってきた。去年の九州場所なんか、場所前に5~6回コースに出たくらい。現役当時は本場所の前はラウンドできなかったけど、親方は関係ないから、稽古が終わると11時からスタートさせてもらって、それを繰り返したら、最初の日は95だったのが、90、87と回るたびに良くなって、最後の芥屋ゴルフ倶楽部では80で回った。久しぶりにゴルフの楽しさを堪能して、またやり直すかと。

やる気になった理由がもう一つ。子どもが3人(高1女、中1男、小4女)いて、彼らにはぜひ体を動かす趣味を持ってもらいたいんです。それにはゴルフが一番いいんじゃないかと。女の子はファッションも楽しめるし、礼儀作法というか、大人の社会の付き合い方みたいなものが身に付くでしょう。そう言う以上、俺も父親としてちゃんとしたゴルフができないといけないなと、そんな夢を抱きながら、ちょっとやる気になっているところなんです(笑)。

大島勝(大島親方)

おおしままさる。大相撲の元関脇旭天鵬。1974年生まれ。モンゴル出身。37歳で史上最年長初優勝を果たし、40歳になっても幕内で活躍。長身で得意技は懐の深さを生かした寄り。2015年7月引退。現在は大島親方として後進を指導。

週刊ゴルフダイジェスト2024年4月30日号より