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【ゴルフせんとや生まれけむ】真中満<前編>「監督時代までは、ゴルフに対していいイメージがまったくなかったんですが…」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、 元プロ野球選手の真中満氏。

僕はプロ野球の監督をやっていた頃まで、ゴルフに対していいイメージをまったく持っていなかったんですよ。というのも、入団した年にゴルフを一度もやったことがないのに先輩の荒井幸雄さんから「知り合いのコンペがあるので顔を出してくれ」と言われて「僕、クラブもないし、やったことないから無理です」と断ったんですが、荒井さんに「俺のクラブがあるから大丈夫だ。とにかく時間に遅れずに現地に来い」と押し切られちゃった。

僕は左打ちなんですけど荒井さんも左打ちだったので、それを借りて行きました。100人ぐらいの結構大きなコンペでしたね。ウェアも何を着ていったらいいのかわからないから適当な服を着て、人工芝用の野球のシューズを履いていきました。でも、クラブの握り方もルールも何もわからない。しかも大雨だったのに雨具も持っていかず、着替えを持っていくという発想もなかった。ホールアウトした時の僕の格好があまりにみすぼらしかったのか、皆にウェアを買ってもらって、それを着てパーティに出たのを覚えています。周りは初めて会う知らない人ばかりで気を使わなくちゃいけないでしょう。疲れちゃってゴルフなんて二度とやるかと思いましたよ。

その後、現役、コーチ、監督時代は球団の納会コンペなど、シーズンオフに5回ぐらいかな、どうしても出なくてはいけないコンペがあった時だけ嫌々参加していました(笑)。現役を引退してコーチになると多少時間ができるのでゴルフにハマる人もいますけど、僕の場合、休日はしっかり休まないとしんどい。休みの日までゴルフで体を動かしてみんな元気だなあというのが当時の感想でした。今になってみるとゴルフでリフレッシュしたいという気持ちがよくわかりますけどね。ともあれ、それぐらいゴルフとは遠いところにいたんですよ。

そんな僕がゴルフに目覚めたのは監督を辞めた45、6歳の頃。プロ野球ニュースに出演するようになってデーブ(大久保)さんや(高木)豊さんから誘われて、最初は付き合いだから仕方ないかとラウンドしたんです。2人とも気さくで、フランクな感じで教えてもらいながら回りました。それまでの僕のゴルフはコンペの接待ゴルフというイメージで面白くなかったのに、3人で冗談を言いながら回ると、ゴルフってこんなに楽しいんだと初めて感じられたんです。そこからですねえ、僕が別人のようにゴルフにハマったのは。今は多いと月に5、6回、2年前は年間85ラウンドしましたから、あんなにゴルフを毛嫌いしていた僕はいったいどこに行っちゃったんでしょうかね。今では誘われればどこでも飛んでいきます(笑)。

ベストスコアは2年くらい前に出した42・41の83ですが、最近のアベレージは92くらいですかね。一般の人からするとまあそこそこといった感じですけど、野球界だと底のほう(笑)。何しろ70台で回ってくる人がゴロゴロいますからね。でも、そういう人たちにも迷惑をかけない程度に回れるようになったので、今はとても楽しいです。

>>後編につづく

真中満

まなか・みつる。1971年生まれ。宇都宮学園、日大を経てヤクルト入団。01年、打率3割1分2厘でリーグ優勝、日本一に貢献した。シーズン代打最多安打31本(07年)の日本記録保持者。08年に現役引退後はコーチ、2軍監督を経て15年監督就任。1年目に14年ぶりのリーグ優勝に導く。現在は解説者として活躍中。ベストスコア83

週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号より