「スポーツの精神に反している」室伏広治スポーツ庁長官が“ゴルフ場利用税”に遺憾
先日、JGAのナショナルチームと室伏広治スポーツ庁長官との座談会が行われたが、終わった直後に「これだけは言っておきたい」と同長官が怒りを込めて語ったことは、ゴルフ場利用税廃止についてだった。
「ゴルフというスポーツは健康増進も含め、競技としても重要。オリンピックの種目としても認められたというのに、国家公務員規定で利害関係者とはゴルフができず、利用税まで徴収している。これは五輪の精神、スポーツの精神に反していると強く言っておきたい。今すぐにでも取り払われるべき。こんなことは国際的にもあり得ないことだ」
この室伏氏の発言には、座談会の司会をした山中博史JGA専務理事も、「驚きました。あそこまで踏み込んだ発言をされるとは」。
ゴルフ場利用税の前身は1954年に制定された娯楽施設利用税。パチンコや麻雀といった施設と同様の扱いだった。そして89年、消費税導入とともに撤廃が決まるが、なぜかゴルフ場だけはそうならず、代わりに”ゴルフ場利用税”と形を変えて存続することとなった経緯がある。
しかしその後、ゴルフは国体競技にもなり、2016年から五輪競技としても復活した。これを機に同税廃止の声が巻き起こるも、結果的には地方自治体を統括する総務省の反対でつぶれた。
現時点ではどうだろうか? 「JGAほかゴルフ15団体も廃止の旗は降ろしていませんが、ここ3年、コロナ禍で地方自治体は疲弊し、今はそのタイミングではないと思います」(山中氏)
では廃止実現のためにはどうすればいいのだろうか。
「税金を払うゴルファーの声が大きな高まりにならなければ無理だと思います。また贅沢税ならばもっと額に差をつける。それに払った税がどう使われたか、具体的に知りたいですね。何より代替財源がないと永久に解決しないのでは」(ゴルフ場経営コンサルタント・菊地英樹氏)
室伏長官の憤りが今さらながら理解できよう。
週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号より
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