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【PGAツアーエキスプレス】Vol.47 ミンウー・リー「いいメンタルを保つことができた」シェフラーの猛追を振り切った初優勝

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第47回は、3月にPGAツアー初優勝を遂げた26歳、ミンウー・リーに注目。

PHOTO/Getty Images 取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

ミンウー・リー 1998年生まれ、オーストラリア出身。2016年に全米ジュニアアマを制し、18年にプロ転向。昨年からPGAツアーに本格参戦し、先日初優勝を飾った(Photo by Kenneth Richmond/Getty Images)

>>前回のお話はこちら

冷静なメンタルこそ
優勝争いでは大事

オーストラリア出身のミンウー・リー。ZOZOチャンピオンシップにも出場していたため、日本でも馴染みの選手だろう。シュッとした体形からは想像できないような強烈なインパクトで、簡単に300Y以上飛ばす飛距離が魅力。また、インスタグラムのフォロワーを約80万人抱える人気選手だ。そんな彼がテキサスチルドレンズ・ヒューストンオープンでPGAツアー初優勝を飾った。世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが迫るなかでも1打差で勝ち切ったのは1勝以上の価値がある。今回は、その優勝を振り返ってもらった。

「優勝できて素晴らしい気分であり、タフな状況にうまく対応できたことを嬉しく思います。メンタル的に厳しいなかで勝てたことは最高に誇りを感じます。目標のひとつであったPGAツアーでの優勝を達成できて嬉しいです」

優勝できるかできないかは紙一重。そこで勝敗を分けるのは“頭脳”だと言う。

「誰もが頭脳が大事だと言いますが、今回はそのあたりがとても大きかったと自分でも感じています。技術的には勝てる力はあると思っていました。あとはいいメンタルで挑めるかどうか、そこが課題でした。頻繁に優勝している選手たちは、メンタルが強く高い集中力を常に持っています。彼らからそういった部分を学びました。最終日は4打差からのスタートでしたが、スコッティがすごい勢いでチャージしてきました。16番ホールのティーショットで池に入れてしまいましたが、その後の2ホールをパーで切り抜けられた。もちろん動揺していましたが、キャディが『大丈夫、素直に受け入れて前に進もう』と励ましてくれたおかげでいいメンタルを保つことができたんです」

そのメンタルは優勝を決定づけた18番のグリーン外からのパットにも生きた。

「今思うと、あのパットがとても良かったですね。優勝に繋がる大事な一打とわかっていましたし、そのなかで落ち着いて打つことができたのは成長を感じた瞬間でもありました。ラスベガスの自宅に戻り、大好きなインアンドアウトハンバーガー(アメリカのハンバーガーチェーン店)を食べたり、家族や交際相手、私のことをずっと応援してくれているみんなと一緒にとても良い時間を過ごすことができました。彼らは活力を与えてくれる大事な存在なんです」

彼はまだ26歳。PGAツアーの主役に躍り出る可能性は十分にある。

世界ランクはオーストラリア勢でトップとなる25位(4月21日時点)。「尊敬する先輩たちを含めてこの位置にいられるのは私の誇りです」

月刊ゴルフダイジェスト2025年6月号より

※コーリー・ヨシムラさんは4月20日に急逝されました。このコラムは生前に執筆いただいた原稿によるものです。心よりご冥福をお祈りいたします。