【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.225 79歳と76歳、「バチーン」「バコーン」の応酬

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Shinji Osawa
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- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 >>前回のお話はこちら 以前このコラムで、ユーチューブの『TASKGOLF』でゴルフサイエンスを世のゴルファーに説いているマツモトタスクさんのことを紹介しましたが、先日、彼のセッションコンペがあって、そこにちょっと参加させても……
今週の木曜日に、今年創設された日本女子シニアオープンが開催されます(5月1日、2日。東急セブンハンドレッドクラブ東コース)。
女子シニアオープンの出場資格は45歳以上ということですが、今季からレジェンズツアーは出場資格を5歳引き下げて40歳からにしましたね。女子のレギュラーツアーが人気ですから、あまり間を置かずにシニアのレジェンズツアーに出られるんは、ファンにとっても嬉しいと思います。シニアツアーの活性化は、人生でもう一度、自分が夢中になって取り組めることができるわけですから、ええことやと思います。
一方で、男子のシニアツアーでいう68歳以上のゴールドシニアが女子にもできたらいいと思います。女子でもめちゃめちゃ元気な人がいてますからね。
たとえば、去年公式戦で79歳で「75」のエージシュート出した岡田美智子さん(現在80歳)ですわ。ビックリしまっせ。谷本チャレンジいう試合で、海老原清治、岡田美智子、奥田靖己で一緒に回ったことがあるんですけど、まあすごかったです、あの二人。
ティーショットを海老さんがバチーン! といって、岡田さんがバコーン! といって、2人はガンガンですわ。海老さんが「しかし元気だねー」って岡田さんに言うと、「何言ってるの海老さん!」みたいに声かけおうて。とにかくバチーン! といかないと「ナイス!」って言わないんです。
年下の僕がポ~ンと普通に打ったら「うん」くらいの声しか出ないんが、たまに思い切りバコーンといったら「お~、ナイス!」って2人はめちゃくちゃ喜んで褒めてくれて。ナイスの指標が「元気があるかないか」なんですね。
僕があるホールでバーンと打って“元気な球”が出たら、海老さんが「おめえ今の食らったろ! な、食らったよなあ」って嬉しそうに声をかけてくれるんで、思わず僕も「はい、食らいました」(笑)。
岡田さんからは、「私こないだまで毎朝1時間走ってたのよ。今はちょっと歩いてるけど。奥ちゃんも走りなよ!」いう言葉をいただきました。僕にとっては未知の年齢を生きている人たちですからね。ああいう人になりたいと思う、お二人です。

「海老さんみたいになりたいです……」
「奥ちゃん、とにかく振らないと!」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2025年5月13日・20日合併号より