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【キミこそ王子だ】Vol.284 野球で鍛えた体幹の強さを武器に中国ジュニアを制した高1女子

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は愛媛県出身、岡山理科大学附属高等学校1年の青山ゆずゆさん。安定感抜群のショットで中国地区を制した注目株。そのスウィングの特徴とは!? 武市が迫る。

今回の王女候補

青山 ゆずゆさん

あおやま・ゆずゆ ●主な戦歴/2022 中国ジュニアゴルフ選手権 優勝 ●ベストスコア/66(松山シーサイドCC) ●練習/週6日3時間程度 ●トレーニング/体幹トレーニング(週2~3回)


青山ゆずゆさんがゴルフを始めたのは小1。トーナメント中継を見ていた父親に「私もゴルフやってみたい」と言ったことがキッカケだ。

現在は愛媛県の親元を離れ、岡山の高校で寮生活をしている。中学時代から四国の大会で優秀な成績を残し注目を集める選手となった。

スウィングを見た武市は「体幹が強くて、しっかりしたスウィングだねー」と感心。

「ゴルフ以外にスポーツやっていたの?」

「小4までリトルリーグに所属していました」

「野球ね。そりゃフィジカルが強化されるわ」

今でも寮にバットが置いてあり、気晴らしにトスバッティングを行うこともあるそうだ。

試しに、ゴルフクラブをバットに見立て、バッティングフォームを見せてもらうと……。

「めちゃくちゃいいスウィングじゃん! しかも野球は左打ちなんだね。本格的にやっていたことがわかるわ」

むちゃぶりついでに、「ゴルフスウィングの左打ちもできたりする?」とリクエストすると、右打ちと変わらないくらい、完璧なスウィングで、運動能力の高さを証明してくれた。

子どものころに養った体力に加え、現在ゴルフ部のトレーニングは一日置きのペースで体幹強化に励んでいるそうだ。


そんなゆずゆさんのスウィングについて、武市は次のように語った。

「彼女の球筋は軽いフェード。特徴を端的に言うと、体の運動量は多いけど、手の運動量は少ないスウィングだね。手を使わず、体幹でバックスウィングするから、トップがすごくコンパクト。その最大のメリットは、スウィングプレーンに乗せやすいこと。手を使ったスウィングのほうがクラブやフェース面をコントロールしやすいと思っている人もいるかもしれないけど実は逆。手は器用なぶん、余計なこともしちゃうでしょ。特に、緊張した場面になると、本当に悪さをする(笑)。だからミート率や再現性を求めるなら、手は極力使わないほうがいいんだよね。ただし、フィジカルが弱い人が手を使わないスウィングをすると、どうしても飛距離が出ない。その辺が難しいところなんだけど、彼女はフィジカルが強いから曲がらないだけでなく、飛距離も出せる。見ていて安定感のあるすばらしいスウィングだと思う」

武市の称賛に対し「ありがとうございます」と健康的な笑顔で答えてくれたゆずゆさん。話をしていると意外な一面も見えてきた。

「実はわたし、意外とインドア派なんです。本が好きで、特にミステリー小説を読みだすと止まらなくて……。移動の車中で読んでます」

「酔わないの?」

「まったく(笑)」

「フィジカルだけでなく、平衡感覚もバッチリだね。最強じゃん!」

スポーツ万能のインドア派、青山ゆずゆさんのこれからの活躍に期待したい。

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月25日号より