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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.26 直接的なコミュニケーションが結局は心ある指導法になる

KEYWORD 森守洋

堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN

>>前回のお話はこちら


File.26
AIについて


直接的なコミュニケーションが
結局は心ある指導法になる

時代はAI全盛でその進化は止まらないどころか、私たちの想像をはるかに超えるスピードで進化し続けています。あらゆる分野に進出するAIですがゴルフ界も例外ではなく、今まで以上にAIがゴルフ業界に影響を与える時代が到来するのは目前、時間の問題だと思います。

クラブの製造では、すでにAI技術が活用されているモデルもありますが、レッスン業界においても今後AIはどんどん介入してくるだろうと感じています。主催している森ゼミというコーチたちの勉強会があるのですが、そこに参加されている方の中にAIの有識者がいらっしゃいます。

その方からいろいろなお話をお聞きすることがあり、私の考えの原理原則に沿った森さんのソースを作れると思いますよと言われて、将来的にはスウィング動画を送ってもらい、その動画に対して私のAIが答えてくれるというものが現実的にできるところまできています。そのようなシステムができてきますと、アマチュアの方へのオンラインレッスンやインドアなどでのレッスンもある意味で進化すると思います。


ただ、僕がこうやって考えているくらいですから、きっとアメリカでは既に完成しているのかもしれません。これは僕の予想ですけれど、デビッド・レッドベターやショーン・フォーリーらのような世界のトップコーチは、すでにそういう取り組みを始めている可能性は十分にあり、スマホひとつでどこでもAIレッドベターと会話しながら彼のレッスンを受けられるようになるはずです。

もっと言えばAIタイガー・ウッズに習える未来が来るのではないかと思います。そういう進化の中で私たちに何ができるかというと、昭和初期の時代のように何もなかった頃のコミュニケーションの原点に戻ることだと思うんです。

それは、AIが進化し続け活用する時代になる一方で、今後は直接的なコミュニケーションとか会話力に戻るとも思っているからです。AIが進化して、スウィングの原理原則を完全に理解しているAI森守洋がいればどこでもレッスンスタジオはできるようになる。なんなら、スタジオも必要ありません。

ただ、その先に必要になってくるのは人と人との温度を感じられるコミュニケーションが取れるということが大事だと考えています。

今の時代、発する言葉もそうですがレッスン生に動き方を伝えようとして、体に触れてレッスンをすることがハラスメントと取られかねないこともあり敬遠されたりします。でも、実際は人の温かみだったり、体を触られて気づくことや体感できること、新たな感覚に気づくということがたくさんあるのも事実です。

コーチの目的は生徒さんを何がなんでも上手くさせることなので、体やクラブを触って動かし体感させることの大切さは結局昔も今も変わることはないんです。ですので、ゴルフにおいてもAIの進化や介入は歓迎されるべきことなのは間違いないですが、コースを仲間と回ったり動きを体感したり人と人でコミュニティを形成したりすることの大切さは不変であると思います。

AIも上手く使いながら、直接的なレッスンを組み合わせていくことが未来のレッスンになっていくのかもしれません

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年8月11日号より