【キミこそ王子だ】Vol.350「4大メジャーで世界を驚かせたい」“鏡”で作り上げた美しすぎるスウィングの持ち主

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、愛知県出身、岐阜聖徳学園高等学校2年の上田涼真くん。とあるプロ直伝のスウィングで数々の試合で上位入賞を果たした涼真くん。武市も「形がとにかく美しい」と絶賛!

今回の王子候補
上田 涼真くん
うえだ・りょうま ●主な戦歴/2025 全国高等学校ゴルフ選手権春季大会 4位 ●ベストスコア /63(養老CC) ●練習/毎日90分200球くらい ●トレーニング/特になし
今年「全国高等学校ゴルフ選手権春季大会」で4位となり注目された上田涼真くん。兄と弟に挟まれた、いわゆる真ん中っ子で、人一倍負けず嫌いだ。ゴルフを始めたのは4歳。兄の背中を見てなんとなく始めたが、小4のときにマインドが一変。試合に参加した際、周りの上手い子を見て、がぜん競争心が芽生えたという。
「“でら”綺麗なスウィングやね〜」
岐阜の高校に通う涼真くんを前に岐阜弁炸裂の武市。
「ゴルフの師匠はいるの?」
「山本昭一プロです」
「なんと! 山本プロは僕ら世代の憧れの先輩ですよ」
現在60歳の山本プロは、ツアーで指折りの美しいスウィングの持ち主といわれる知る人ぞ知る名選手。
「まずアドレスとグリップがスクエアでキレイ。特にアドレスでの左ひじと右ひじの高さ。右腕が左腕より上になりやすくスクエアに構えにくいけど、涼真くんは右ひじを軽く曲げ左右の高さがきれいにそろっている。さらに、スウィング中その位置関係が崩れないのが素晴らしい。トップで左ひじを張ることもないし、ダウンスウィングで右ひじを絞ることもない。高さだけでなく両腕の間隔も崩れない。ゆがみゼロだからスウィングプレーンもイン・トゥ・インになり球筋もナチュラルなドローになる。どうやって練習しているの? やっぱり動画でチェックしているの?」
「鏡を見て練習しています」
「意外とアナログでそういうの大好きだよ!」
「そうなんですよ。よく行く練習場が若干渋めなのでハイテク弾道計測器ではなく鏡派です」
その練習場はインドアで球筋や飛距離を気にせずフォーム作りができるということで、昔からお世話になっているそうだ。
「やっぱり美しいものっていうのは、理にかなっている。ゴルフもしかりで、美しいスウィングっていうのは、無駄な動きがない理にかなった動きってこと。つまり、スウィング軌道も綺麗だからミート率も上がる。でも、涼真くんは意識的にスウィングを綺麗にしようと思って、鏡を見て練習しているの?」
「形にこだわったというよりは、結果的にそうなった感じです。でも、人に見られることが嫌いではないので、心のどこかにカッコいいスウィングにしたいという思いがあるのかもしれません」
「“でら”いいじゃん! 大舞台になればなるほど燃えるタイプ?」
「はい。将来は海外の四大メジャーの舞台で世界中の人に見てもらい驚かせたいです」
「メンタルも最高でしょ!」
憧れているのはミンウー・リー選手で、彼のスウィング動画はよく見ているそう。
美しいスウィングはもとより、インタビューにしっかりと自分の言葉で答えてくれた涼真くんの人間性に惹かれた武市。
「とにかく期待大!」と太鼓判を押した。
週刊ゴルフダイジェスト2025年6月17日号より