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打ちたい弾道に応じて2種類のティーを使い分ける!? “飛ばないけど強い”青木瀬令奈の戦う工夫

身長153センチと小柄ながら、今季もすでに1勝を挙げ、群雄割拠の女子ツアーで気を吐く青木瀬令奈。長くトップで活躍できる背景には、飛距離を補うためのさまざまな工夫があった。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Tsukasa Kobayashi

「私は小さいし飛ばない。もちろん『飛ばして2打目ウェッジ』みたいなゴルフは楽だろうなと思うけど、ないものねだりをしてもしょうがないので。生き残るために必死に考えています」と語る青木。

ティーだったり、弾道だったり、細かな部分に工夫がたくさんある。

「昨年のサントリーに勝ってから、ゴルフと向き合う時間が増えました。すると、いろんなところにヒントがあることに気がついた。ティーを替えるのもそう。感覚的な話だとは思うんですけど、そういう細部まで“ゴルフ”なんですよね。私、勝つためならなんでもします!」

青木瀬令奈の工夫1
打ちたい弾道によってティーを替える

ティーの種類で弾道を操作しているという青木。「感覚的な部分も大きいので、実際はわかりません。エビデンスはとれていません(笑)」

■太めのティーでスピンを減らす

太いほうがスピン量が減ってランが出るんです

【こんなときに使う】
●フェアウェイが絞られている
●フェアウェイが硬い(メジャー大会など)
「太いとインパクトの瞬間の抵抗が少し大きくなる(気がする)ので、スピン量が少し減るんです」

■ウッドティーでキャリーを稼ぐ

キャリーを出したいときはウッドティーにします

【こんなときに使う】
●雨などでランが出ない
●芝がフカフカ(北海道の試合など)
「ウッドティーで少し高めにティーアップしてアッパーで打つと打ち出しが高くなってキャリーが出ます」

青木瀬令奈の工夫2
4種類の弾道からベストをチョイス

「4つの弾道から状況に応じて選んでいます。選択肢が4つあることで、どれかがしっくりこなくても、他の3つから選べばいい。調子に左右されなくなります」

●5番ウッドの場合

球種球筋キャリー
フルショットややドロー183Y
インテンショナルフックフック195Y
ライン出しストレート170Y
カットフェードフェード175Y
4つの弾道どれも精度は同じというから驚き。この技術力を武器に、セカンドオナーからどんどんプレッシャーをかけていく

青木瀬令奈の工夫3
練習日と試合でパターを使い分け

「本番に向けて新鮮味を出したい」という理由から、練習日はエースパターを温存、あえて感覚を鈍らせている。

試合では34インチ
オデッセイ「TENトリプルトラック」

練習日は32インチ
オデッセイ「ストローク ラボ TEN」

言葉からもこだわりが垣間見える
●「2打目は150Y以上残らないと嫌」

「2打目が150ヤード以上残る想定で練習しているので、他の選手のアイアンくらいの感覚でウッドを打てるんです」
●「100Y以内は全部入れにいってます」
「申ジエさんは100ヤードは全部狙うと言っていた。だから私も。パー5の3打目は常に入れる気持ちで打っています」
●「趣味を全部やめてゴルフに捧げています」
「毎日ノートをつけています。昨年優勝してから、趣味の宝塚やネイルなど、全部やめてゴルフと向き合ってます」

月刊ゴルフダイジェスト2022年10月号より

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