Myゴルフダイジェスト

【世界基準を追いかけろ!】Vol.96「私生活の過ごし方や意識がゴルファーとしての成長に直結する」

松山英樹のコーチを務める目澤秀憲、松田鈴英のコーチを務める黒宮幹仁。新進気鋭の2人のコーチが、ゴルフの最先端を語る当連載。今回は、前回に引き続き上達が早い選手と遅い選手との違いについて語ってもらった。

TEXT/Masaaki Furuya ILLUST/Koji Watanabe

前回のお話はこちら

GD ジュニアゴルファーを教えていて、その子が上手くなるかならないかは、どこで差がつくと思いますか。

黒宮 私生活ですね。

GD 普段の生活ですか?

黒宮 はい。成績が「10」だとしたら、それに寄与するものとしてスキル(技術)は1割でフィジカルも1割、あとの8割は選手本人の私生活だと思います。昔に比べて今は情報と機会が均等に与えられる時代ですから、スキルとフィジカルではあまり差が出なくなっている時代です。そうなると残りは私生活の過ごし方で差がついてくるわけです。

GD それほど私生活がウェイトを占めているわけですか。


黒宮 ここ数年、ナショナルチームの選手と一般の選手の実力差がついているのは、その部分ですよね。その8割の生活がゴルフに向けられているか、他の遊びに向いてしまっていないか、そういうところの教育をして、私生活で差が出てくるということを選手に認識させないといけないと思います。のどが渇いてコーラを飲むのか水を飲むのか、お腹が空いてお菓子を食べるか米を食べるか、自分に甘えのある選手はどちらも前者を選ぶはず。それは細かいことかもしれないですが、そこで少しずつ差が出てくるんだということが分からない選手は強くなりませんよ。

X 差がつくのは自分自身の日常の生活の積み重ねということに、気が付くかどうかが大事なんですね。

黒宮 すごくアナログなところが勝負の分かれ目となっているわけですよね。

目澤 昔の名手やレジェンドたちは、結局、そういう部分が凄かったんですよね。今はスキル重視で、そこが足りなくなってきているのかなと思います。

黒宮 キャディバッグを両肩に掛けて背負っている子と、片一方の肩で担いでいる子と比べると、両肩で背負っている子のほうが成績はいいはず。ゴルフはバランスが大事だから、そういう所でも差が出るんです。

X 日頃の心構えですね。

黒宮 ジャンボ尾崎さんはラウンド中にポケットに小指を引っかけて歩いていたじゃないですか。あれは、「腕が疲れないようにしていた」って聞きました。やっぱり上に行く人は、そういうところの意識が違うんだなって思いますよね。

目澤 タイガーが、以前、カリフォルニアからフロリダに住居を移したじゃないですか。あれって、バミューダ芝のアプローチとパッティングがどうしてもうまくいかないから、その苦手克服のために、その芝のゴルフ場が多くあるアメリカの東海岸に引っ越したらしいんですよ。でも結局、バミューダ芝でのアプローチとパッティングの打ち方を身につけるのに、4年かかったらしいです。あのタイガーですら、そういうことをやっているわけですよ。

X まさにゴルフのために生活をまるごと変えちゃったわけですね。まあタイガーだからできることではあるわけですが。

目澤秀憲

めざわひでのり。1991年2月17日生まれ。13歳からゴルフを始め、日大ゴルフ部を経てプロコーチに。TPIレベル3を取得。2021年1月より松山英樹のコーチに就任

黒宮幹仁

くろみやみきひと。1991年4月25日生まれ。10歳からゴルフを始める。09年中部ジュニア優勝。12年関東学生優勝。日大ゴルフ部出身。松田鈴英、梅山知宏らを指導

X氏 目澤と黒宮が信頼を置くゴルフ界の事情通

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月26日号より