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【わかったなんて言えません】Vol.89 中西直人#5「ミート率アップのために手元を浮かさない練習をしてます」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。中西直人を招いての最終回は、お互いの得意技について教え合う。

TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Shinji Osawa

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/中西直人

1988年生まれ、大阪府出身。日本大学卒業後、2010年プロ入り。19年に初シードをつかんだ。「SANRISE」は自ら立ち上げたオリジナルブランド

前回のお話はこちら

時松 中西さんは、何歳で結婚されたんですか。

中西 25歳のときに初めてのデートでプロポーズしたんだよね。結婚を前提に付き合ってくださいって。この人と結婚したいなと思って。

時松 ビビッとくるんですか。

中西 くるよ。マジで。この人しか無理ってなった。でも、そのときはまだ僕はお金を稼げていなかったから、「僕と一緒になってください。幸せにすることはできないけれど、自分が世界一幸せになる自信はあるから」って言ったんだよね。

時松 カッコイイっすね。

中西 お金もないし、地位も名誉も何もないから、そのときは本当に何もできないし何もしてあげられないってことはわかっていたけど、でもどうしても一緒にいたかったし、結婚もしたかったからさ。

時松 「幸せにすることはできないけど、世界一幸せになる自信があります」って名言ですよ。どんだけ自分中心の
発言なんだって感じだけど、でもそれを越えた素晴らしさがあります。

中西 そうかなぁ。

時松 でも結果的には、奥さんのこと幸せにしているじゃないんですか。

中西 いや、人のことを幸せにしているかなんて、ほんとわからない。

時松 幸せですか? なんて聞きづらいですしね。

中西 僕はよく聞かれるけどね、「幸せ?」って。

時松 何て答えるんですか。


中西 「すげえ幸せ!」って言うよね。

時松 素晴らしいです。ところで、最近はゴルフに関して何か取り組んでいることとかはありますか。

中西 飛距離に関しては今がMAXで、これ以上飛ばそうと思ったらクラブに頼るか、ミート率を上げるしかないと思っているんです。だから今取り組んでいることはミート率を上げることかな。

時松 どういうことをするんですか。

中西 たとえば、アマチュアの人ってだいたいインパクトで手元が浮くじゃない。するとフェースの管理ができなくなってミート率が悪くなるけど、手元が浮かなくなる練習方法があるんです。

時松 前の人がヘッドカバーを垂らして、その下を振ると手元が浮かなくなるという練習をする人もいますよね。

中西 それだと自分以外に、もう一人必要になるじゃない。でも僕の練習方法は独りでできるからね。

「アマチュアの人は腰を回すとか切るというイメージが強すぎる。これだと、体が傾いたり動いたりするからミート率も悪くなるんです」(中西)

時松 どうやるんですか。

中西 ヘッドをボールの手前に落とすんですよ。それで地面にヘッドを擦らせながらボールを打つんです。

時松 ゾーンでボールをとらえることができるわけですね。

中西 そう。このときに大事なのはまず構えで、アドレスで沈んでハンドダウンで構えすぎると、インパクトで手元が浮きやすくなる。というのは、体って反対の動きをするから。たとえば、飛ばそうと思うとダウンスウィングで体が沈み込んで、インパクトにかけて伸び上がるじゃない。だから、上体を起こして上から吊ったようなアドレスをすれば、インパクトで手元が浮くことはなくなります。そして打つときに下半身の使い方がちゃんとできていれば、ミート率が上がります。

時松 下半身は、具体的にはどういうイメージなんですか。

中西 まず、骨盤はきちんと立てて前傾をさせて構えます。それでバックスウィングでは右のお尻に体重を乗せていき、ダウンスウィングでは左のお尻に体重を乗せていく。これが僕の下半身のイメージです。

時松 なるほど。勉強になります。

中西 逆に、僕は源ちゃんからバンカーショットを教わりたい。めちゃめちゃ上手いやん。どういうイメージで打つの。

時松 「餅つき」です。

中西 わかりづらっ! ヘッドは横から入れずにVの字に入れるってことなんかな。

時松 はい。Vの字ですね。

中西 そうなんや~。フェースは開くの。

時松 あまり開かないです。

中西 構え方はハンドレイト、ハンドファースト?

時松 若干ハンドファーストです。

中西 なるほど。それで餅つきね。距離感は振り幅?

時松 バックスウィングの振り幅です。フォローは出さないですね。だから距離があるときはクラブを替えてアプローチウェッジとかで打ちます。

中西 いやぁ~、勉強になった。

時松 こちらこそ。「僕は世界一幸せになる自信がある」っていう言葉、これ使えますね。勉強になりました。

中西 そっちかい!

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月26日号より